映画が公開されてCMが「満員御礼CM」に変更された「崖の上のポニョ」。「魚の子じゃないじゃん! 」と日本中の人がツッコミいれてそうな予感。「THE ART OF 崖の上のポニョ(THE ART OF Ponyo on the Cliff by the Sea)」も発売されたので簡単感想など。
「ジ・アート シリーズ」はジブリ映画の大半で出版されていて、このサイトでも他作品の「ジ・アート」本の感想はたくさん書いているので、いまさらどんな本か説明はいらないかな。作品によって多少の違いはあるものの、簡単に説明するとイメージボード、キャラクター設定、美術ボード、背景などのメイキング資料、場面スチル(本編画像)、アフレコ台本などで構成されたアート本です。
それでは「THE ART OF 崖の上のポニョ(THE ART OF Ponyo on the Cliff by the Sea)」感想。
- 宮崎駿監督のイメージボード
相変わらず上手いしニュアンスはあるけど、やっぱり絵は一段とラフになってる気が…。たしかもう70近いお年のはず。仕方ないよね…。
近藤勝也さんのスッキリしたラフスケッチと比べるからそう思うだけかもしれないけれど。
イメージボードはいつもどおり水彩系のものや、主線がペンのものの他に、パステルを使ったものも! 宮崎駿さんのパステルを使った絵は珍しいですよね。宣伝ポスターなどに使われた「緑のバケツに入ったポニョ」のような塗りの絵です。 この本を見れば、宮崎監督の「変わろう変えよう」とする意欲がなんとなくわかるかも。
今回はフルカラーといわれる絵コンテ集の抜粋もちょいあり。
- 近藤勝也さんのラフスケッチ
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今回はキャラクター設定(線画)は少なめで、色がついたキャラクター・ラフスケッチが多めです。ラフスケッチの絵は近藤勝也さん。ちょっとした解説もついてます。
「ラフスケッチ」とは言っても、上手いアニメーターのラフ。あたり線もないきれいなものですよ。カラーだし、設定画よりも手描き感のあるラフスケッチの方が魅力的に見えますね。かなりいいカンジ!! 分量も結構あるので見ごたえあり!
本の真ん中あたりのページから数ページに及ぶ人間ポニョのポーズ集がかわいいです。リサカーのスケッチもいいかんじ。
近藤勝也さんインタビューではキャラクターデザイン兼作画監督だった「魔女の宅急便」のときと比べて、今回はどのような仕事を…的な話が興味深かったです。以前よりレイアウトなどしっかりチェックしているということは…。 監督の年齢を考えれば、ジブリの世代交代はジブリファンにはかなり気になるところ。インタビューは是非読むべし!!
- 背景美術・美術ボード
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この本の最初の方に載っていた背景が、ジブリにしてはラフで一瞬ビビリました。…よく見ると美術ボード(実際の背景を描く前の試作品)でした。 「ゲド戦記」の後だからといって、ビビリすぎの私。
美術監督の吉田昇さんは「ハウルの動く城」の美術監督。「THE ART OF ハウルの動く城」とちょっと見比べてみました。ハウルのときと比べると、たしかに絵本的かな。
塗りが今までのジブリ作品と違うものもあるので、見た目の雰囲気にはわりと変化を感じるかも。
場面スチル(本編の画像)もアフレコ台本も載っているので、ストーリーやセリフも全部わかるこの本。メイキング資料や、紙でじっくり見たい読みたい人にはおススメ。
- タイトル:THE ART OF Ponyo on the Cliff―崖の上のポニョ (ジブリTHE ARTシリーズ)
- 出版社・発売時期:スタジオジブリ(2008-08)
- ページ数:269
- 総合評価:
内容紹介
- アニメ「崖の上のポニョ」のメイキングアートブック
- 宮崎駿監督のイメージボード
- 近藤勝也さんのラフスケッチ
- インタビュー
- 美術ボード、背景、本編の場面スチル
- 「崖の上のポニョ」アフレコ台本
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ゲームの「玉繭物語」「玉繭物語2」では近藤勝也さんはコンセプトデザイン担当。
「雲のように風のように」では作画監督担当。
宮崎駿監督の「魔女の宅急便」でキャラクターデザイン担当。
宮崎吾朗監督の「コクリコ坂から」でもキャラクターデザイン担当。