ジ・アート・オブ ナウシカ感想

「ジ・アート・オブ ナウシカ(THE ART OF NAUSICAÄ)」は、スタジオジブリのジ・アートのシリーズの1冊。他のジブリ「ジ・アート」本同様、アニメ映画「風の谷のナウシカ」のイメージボード・美術ボード・セル・フィルムを見ることができます。

本編画像(フィルム)はストーリー順にたくさん載っていますが、シナリオはないのでこの本だけではストーリーはわかりません。

イメージボードは「風の谷のナウシカ 宮崎駿水彩画集」の方が多いので、この本のみどころは美術ボードと設定資料(線画)。

宮崎駿監督の設定画や他のアニメスタッフが描いたと思われる設定画を見ることができます。 ざっと見比べたところ、アニメージュ84年7月号の付録「風の谷のナウシカ設定資料集」に載っている絵はほとんどあるみたいです。 あれよりは絵が小さいし、線は固くみえますが…。

本編画像、イメージボード(初期イメージ含む)、美術ボードはほどよくセレクトされているので、マニアから一般の人まで楽しめそうです。

アニメーション技法の解説は一般的なものから王蟲の撮影に使われたゴムマルチまで。専門的なかんじもしますが、図で説明されているのでわかりやすいですよ。

原画は巨神兵登場のシーンなど載っていますが、少ないです。原画担当者の神作画(?)をもっと見たい、スタッフインタビューがたくさん読みたい人は「ロマンアルバム」の方がいいですよ。 宮崎駿監督の絵だけもっと見たい、コミック用のイラストも含めて。という人は「風の谷のナウシカ 宮崎駿水彩画集」がおすすめ。

この本は「アニメ中心でいい」「ロマンアルバムより(紙とか)しっかりした本がいい」「ファンアートは好きじゃない」「美術をたくさん見たい人けど設定資料やイメージボードもほどほどに見たい!」という注文の多い人(?)向きの本かな。

バランスのいい本なので「『風の谷のナウシカ』のムックが見たいけど、特にコレが見たいというはっきりした希望はない」場合、この本を選べばまんべんなく楽しめると思いますよ。

ジ・アート・オブ・ナウシカ
  • 出版社・発売時期:徳間書店 (1984/06)
  • 好感度:(5)
  • アニメ映画「風の谷のナウシカ」アートブック
  • 宮崎駿イメージボード
  • 美術ボード、セル、フィルム
  • アニメーション技術解説(特撮、カメラワーク、画面処理)
  • アニメージュ連載「ナウシカへの道」(映画化のいきさつや制作レポートのような文章)
  • …etc.