キチのメカアクションあり、告白あり、ワープの母の真実ありと、駆け足感がありつつも上手くまとめた「カイバ」最終回。

加藤夏希さんのチビワープがマイメロの奏の声と違っていてビックリ。意外と上手くてさらにビックリ。沢城みゆきさんに相談してアドバイスをもらったというだけありますね。

チビワープ:お疲れ様。そろそろ交代の時間だ

このセリフがとっても上手かったので、すんなり入れたカンジ。

そして激突! 女の論理と子供の論理。

同じ「孤独な王」のカイバに親しみすら感じていたチビワープ。しかし、カイバにはネイロがいることがわかって豹変。

うん、なんかわかるよね。「孤独な王」の宿命を背負って生まれたワープたち。「何代代替わりしても彼女なんてできそーにない俺(立場&記憶&性格的に)」のはずなのに、98代目はちゃっかり彼女ゲット。中身はみんな同じはずなのに、何上手いことやってるの98代目!?

しかも、その彼女が女の感情論全開で99代目ワープの自分に立ち向かってくるわけですよ。

ネイロ:わかってる、裁きは受ける。でもカイバは渡さない
チビワープ:何故だ!?
ネイロ:嫌だからよ!!
チビワープ:…死ねー!!!!

この「渡さない」→「嫌だから」の論理の飛躍。女の正論キター!! 生まれたばかりの未熟な99代目には、こんな難しい場面に柔軟な対応ムリ→「死ねー!!」。シリアスな場面なんだけど、思わず笑ってしまいました。


それからキチの告白。同じ「幼い頃からの秘めた想い」でもサテとはまた違うんだよねー。キチのネイロに対する複雑な心境。

キチがこんなに大胆かつ素直に告白できたのは、やっぱり無敵ボディのせいかな。やっぱり身なりは大切よね。自信のもてるボディでいこう!

このあとキチがひょーひょーに話す言葉が、いちいち感動モノ。脇でいつも周りの人を見守ってきた人は、よく見てるもんだよね。

そんなキチに「the tree song」が…。うわー!!キチー!! 「先に行け。ここはオレが食い止める」的なセリフは死亡フラグ!?


ネイロとひょーひょーの道がはっきり分かれたのも印象的でした。

宮殿についてからカイバの元へわき目も振らず走ったネイロ。ネイロは目標に向けてわりきりよく積極的に行動。鉄砲玉仕様に改造されているからねー。キチを案じてか残ったひょーひょー。元のやさしいお嬢様の気持ちのままで。

チビワープ:お前なんか簡単に殺せるんだぞ!
ネイロ:殺せるのなんか何も偉くない!

ここもネイロとひょーひょーの軌跡が違ってしまったことを際立たせていたような気が。こういう返しができるのは、心ならずも罪を重ねてしまったネイロだからこそ。「他人を殺す」ということ、それは「権威」でも「強さ」でもなく「罪」。


それから記憶が初期化されてしまったポポさんが、ダダさまが、サテが、欲望や妄執から解き放たれて助け合う姿に心打たれました。

記憶を消された人たちが何度も同じことを繰り返したように、時が経てばまた同じことを繰り返すのかもしれない。それでも状況が大きく変わった今回はよりよい未来を選択できるんじゃないか、という希望に満ちたエンドでホッとしましたよ。


「ラブストーリー」という看板にも偽りはなかったですね。カイバとネイロ(身分違いの恋)、バニラとクロニコ(純愛)、サテとポポ(秘めた片思い)、キチとひょーひょー((過去に実らなかった)初恋)。4つのラブストーリー。

どのラブも王道というか、充分楽しめましたよ。

そういえば、バニラやキチのように男性→女性の恋の方が「相手に尽くす度合い高め」な気がするのは、監督が男の人だからかな? だとしたら、ロマンチストだねー。

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