「墓場鬼太郎」9話から11話の感想です。毎回話のテンポは速いけど、この3話は文句なしに面白かったです。

最初の頃の怪奇趣味が薄れてきたので、一般人にもとっつきやすい内容。声優さんもスタッフも充分慣れてきたかんじで、ノッてますね。

第9話「霧の中のジョニー」感想

「アンパンくれ」「そんな奴が政治しとるのかね」「キサマ、就職したな!!」の話きました。ネズミ男の「ビビビビビン」ビンタもでたー。わりとかんじでてますね。

鬼太郎が池垣首相にごちそうになるライスカレーがおいしそう。具が大きい。「ライスカレーでも食べながら」「日本国民のために」と原作テイストにあふれたセリフが…イイ!! 「すばらしい音のミリキ」「コロリポンですよ」とか独特のセリフも使ってくれてるところがステキ。

でも鬼太郎のスポーツカーは運転手つき。やっぱりそこはムリよね。

でも鬼太郎は派手に(?)溶けたし、目玉おやじはぼっとん便所行き。ハエの羽音がリアルでいやーん。

ねずみ男が崖から落ちた「砂地獄」。あの高さはヤバイでしょ。「半妖怪だからなんともないぜ!! 」ってかんじ? 話の尺がないからねずみ男も結構あっさり登るのをあきらめます。

ジョニーの家が落ちるシーンは、まるで違法建築のように土台からごっそり。跡地は更地。火の手がまわるのも異様に早い!! 異常乾燥注意報でもでてたのか? ってかんじですね。

「ゼントルマンのエチケットだものな」がなかったのは寂しかったかも。

第10話「ブリガドーン」感想

カロリーヌちゃんの声が普通にかわいい女の子で、思ったよりあの絵に合ってました。鬼太郎にひじ鉄くらわせたり、「ダメな男が好みなの」といってみたり。けっこういいキャラです。

チベットからやってきた怪僧○○○の声が京極夏彦さんですよ。ちなみに名前は「トムポ」になってました。変えられたことにこだわってる人もいるかもしれませんが、そこは別にこだわるところじゃないような気がします。

○○○という言葉にこだわるのって、子供っぽい気がするんですよ。女性からみるとね。

そこよりも、あっという間に帰っていくトムポに苦笑。原作でも出番はこの程度ですけどね。そのわりにセリフは長かったよ、京極夏彦さん。

夜中に飛び交う鬼火に「雨戸を閉めれば解決だな」という目玉親父。雨戸は鬼火よけになるんだ…。

鬼太郎が拾おうとした10円玉がギザ10(側面にギザギザの溝がついている10円玉です)だ!

人だまプロパンの人やおばけタイムスの人が妙に愛想のいいカンジ。おばけタイムスの人の絵がまさに原作風で笑いました。

アドバラナのビビビビビンが、前回のねずみ男の「ビビビビビン」よりもはげしくて、「こっちの方がイメージにぴったりかも」なんて思いましたよ。

ガモツをあやつる目玉おやじ。ガモツの脳内断面ビジョンが脳内メーカーみたい…。妖気発生装置を逆に回してからの画面の演出がよかったです。セリフで会話するシーン。

原作ではアレなセリフが多い回なので、セリフに関してはいろいろ変えられていますが、ストーリーは自然な流れになる程度の改変でした。この回が5.8% を記録(瞬間最高視聴率は7.3%)したというのはよかったんじゃないかな。 絵コンテ・佐藤順一さんでテンポがよかったし、面白かったですよ。

京極夏彦さんが声優出演という話題性で、視聴率が高かったのかもしれません。初めての人にとっつきやすい怪奇色が薄い話だったので、この回で「面白い…」と思った人が他の回も見るきっかけになれば…と思ったりしました。

第11話「アホな男」感想

「あの世保険を始めたんだ」。すばらしい社会事業、気高い金儲け、鬼太郎が無茶言ってますよ。加入者第1号にねずみ男をねらうあたりも無謀だ!!

対するねずみ男は毛はえ薬で一攫千金を狙います。あー、薬の製法は原作とちょっと変えてますね。まあこれは、時代のすう勢とういうものですよ。

今回は鬼太郎とねずみ男のやりとりが多くていいですね。大塚周夫さんはやっぱり味があります。

薬を買ったのは、老衰で亡くなりそうな落ち葉組の親分さん。毛はえ薬じゃないすごい効果…ですが、やっぱり毛は生えてないよー!! 鬼太郎は正しかった。

一方鬼太郎は漫画家・水木さがるさんにあの世保険を…。怪奇オリンピックをエサにみごと加入者ゲット。人間社会に順応してきたのか口が上手くなってますね、鬼太郎。

現世の幸福度マイナスの水木さんで、あの世保険は年額3,000円。あんぱん15円だから…200個分の値段ですね。もしかして安い…しまった、私がひっかかりそうです。

その頃、落葉組につかまるねずみ男。「これくらいで目がくらむようじゃ、立派な人間にはなれねえぞ!」ねずみ男、ある意味無敵です。この程度のことでは動じません。

ねずみ男:目玉の親父、心配してたよ
鬼太郎:要らぬお世話ー

き、鬼太郎が反抗期に!? なんてこった。

そして怪奇オリンピック会場で、カモられた人たちに謝る目玉親父「息子がとんだご迷惑を」。父親はツライね。人間社会での暮らしが長かったせいか、わりと人間的な常識もある目玉おやじ。でも、基本的な感覚は幽霊族なんですよねー。

明らかになる水木さんの生活。だるま文庫の社長さん、のこぎり持参はやばいよ。

家の月賦、電気冷蔵庫の月賦、ガス・水道料金の滞納。こんなに支払いに苦労してたのに3,000円払った水木さんはスゴイ!! というか、今まで毎月うまく回してたのがすごい。

こんな状態で「人並みの幸せはかんじている」と鬼太郎にいったんだから、この当時はこのくらいはありふれていたの…かも?

奥さんの「この世は戦いよ。うーんと働いてくださいね…死ぬまで」がリアルです。昭和のこの頃は、日本人が生きるのに必死に働いていた時代ですね。今は豊かになったといわれるけれど、この時代よりも別の方向で大変だからやっぱり「この世は戦い」ですね。

「1000年に一歩歩く鳥」の歩くシーンはよかったです。

この話のテーマって、原作者の水木しげるさんの漫画ではよくでてくるテーマだから、この話で墓場鬼太郎を終わらせるのはよかったと思います。

11話と短い話数ですが、楽しめました。ありがとうアニメスタッフ。

9~11話はDVD4巻に収録されています。

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