貸本まんが復刻版「墓場鬼太郎」3・4巻感想

角川書店の貸本まんが復刻版「墓場鬼太郎」全6巻の感想です。このページでは3巻、4巻の感想を書いています。

3巻はまだ2巻からの続きのストーリーです。鬼太郎の物欲とネズミ男の恋が見どころ。世相風刺的な面もありますね。怪奇色は比較的薄め。

4巻はそれぞれ1話完結のストーリー「怪奇一番勝負」がホラー度が強くて苦手なんですけど、「霧の中のジョニー」は面白いですよ。

墓場鬼太郎第3巻感想「水神様が町へやってきた・顔の中の敵」

第3巻は三洋社版「鬼太郎夜話」より「水神様が町へやってきた」「顔の中の敵」の2本が収録されています。巻末解説は荒俣宏さん。

大家に下宿代・2倍値上げを宣告されて、麦飯にしてもお金が足りないから1食コッペパン1個にしようと相談する水木・鬼太郎・ニセ鬼太郎。

ニセ鬼太郎は2巻から「下男としておいてください」と居候しているのですが、結局養ってるのは水木…。不運な人です。

この3巻からは急に物欲に目覚めた（?）鬼太郎。「何しろあの頃は若かったのでつい信用してしまったのです」と物の怪と水神様にお金を貸してしまった金貸しもどうかと思いますが、1割をもらえるという「ボロイ」条件で取立てを請け負う鬼太郎。

物の怪はまだ人の姿をしているからわかるとしても、水神さまは一体何にお金が必要だったのか？しかも水神さまはお財布持ってるし…。謎すぎます。

吸血木の話はここでようやく決着。「卵を生むところをみると」「ニワトリに似た性質をもっているのではないでしょうか」と続く理屈がわかりません。そんな大雑把なくくりでいいのか!!でも一応ハッピーエンドなので文句はいいませんとも。

「顔の中の敵」では口にチャックがついている隣人女性に恋をするねずみ男とゼントルマン。終わりの方のストーリーは「ゲゲゲの鬼太郎」のあの話の元になっていますね。

「水神様が町へやってきた」「顔の中の敵」は両方とも比較的コミカルなノリが強いので、楽しく読めると思いますよ。

第4巻は兎月書房版「墓場鬼太郎シリーズ」より「怪奇一番勝負」「霧の中のジョニー」の2本が収録されています。巻末解説は中沢新一さん。

「怪奇一番勝負」は名前のとおり、かなり怪奇色が強いです。

アメリカ帰りの殺し屋の留守宅に幽霊が住みついた。殺し屋は失業した漫画家と協力して幽霊たちを追い出そうと画策、という話。あれ？文字にしてみるとギャグですね。

漫画家と大家さんの会話がすごい。「金田さんといえば殺し屋じゃありませんか」「そう」。アパートの大家も住人も知ってるのかー!!もういいよ。

そんなノリではじまってるのに、後半どんどんホラー風味に。そしてすごいオチ。鬼太郎がまた悪そうな鬼太郎で…。

「霧の中のジョニー」はまたまた生活苦の鬼太郎。アニメ「墓場鬼太郎」のオープニングでねずみ男とパン屋のシーンがありますが、あれの元ネタの場面が出てきます。

スポーツカーを乗り回す鬼太郎とネズミ男の「キサマ就職したなッ」の場面が印象的です。

バトル（?）はあるけど怪奇風味は薄くて、ややシニカル＆コミカルなノリ。政治風刺的な面が強いかも。

目玉おやじが大活躍！「墓場」の鬼太郎は死なないんだけど、特にこれといった能力がない。そのためどちらかというと鬼太郎のピンチに目玉おやじの活躍が目立っている気がしますよ。

アニメの各話感想です。

原作の各話感想です。

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