角川書店の貸本まんが復刻版「墓場鬼太郎」全6巻の感想です。このページでは5巻、6巻の感想を書いています。
5巻は2つの話がありますが、どちらも漫画「ゲゲゲの鬼太郎」で使われている話です。だから「これ、知っている!」という人もいるかと。
6巻は1つは「ゲゲゲの鬼太郎」で知っている話ですが、もう1つは使われてなかったんじゃないかな。どちらかというとシニカル&コミカルな2本だと思いますよ。
墓場鬼太郎第5巻感想「おかしな奴・ボクは新入生」
墓場鬼太郎 (5) (角川文庫―貸本まんが復刻版 (み18-11))
第5巻は佐藤プロダクション版「墓場鬼太郎」より「おかしな奴」「ボクは新入生」の2本が収録されています。巻末解説は養老孟司さん。
鬼太郎誕生は今までの巻で何度も描かれているのですが、「おかしな奴」にも鬼太郎誕生があります。アニメ「墓場鬼太郎」で採用されたのはこの「おかしな奴」バージョン。絵柄も今までのものよりややマイルドになってます。鬼太郎とねずみ男の出会いもあります。
おかしな奴のメインストーリーは、「ゲゲゲの鬼太郎」の某話とほぼ同じです。妖怪が登場するかしないかの違いがあるくらいです。3巻であんなに物欲の強かった鬼太郎が、この話では「ボカア なんでも金で解決するという現代社会に反発を感じてるんだ」。
他のマンガでこんなことされたら「えっ、何いってんの?」と思いますが、水木しげるさんのマンガだとキャラが違っても「まあいいか」という気持ちです。
後に「ゲゲゲ」の方に使われたストーリーなら、それだけマイルドなキャラクターになっていてもおかしくないという気がします。
「ボクは新入生」のストーリーも似たようなのを「ゲゲゲ」の方で読みました。カロリーヌちゃんが出てくる話です。でもとなりのオートバイを無断で借りちゃう鬼太郎にはびっくりかも。盗んだバイクで走り出しちゃうのか…。
敵の親玉が妖怪じゃなくて人間なのが、「ゲゲゲ」との大きな違いかも。
墓場鬼太郎第6巻感想「アホな男・ないしょの話」
墓場鬼太郎 6 貸本まんが復刻版 (6) (角川文庫 み 18-12)
第6巻は佐藤プロダクション版「墓場鬼太郎シリーズ」より「‐怪奇オリンピック‐アホな男」、東考社版「墓場鬼太郎長編読切」より「ないしょの話」の2本が収録されています。巻末解説は高橋克彦さん。
「‐怪奇オリンピック‐アホな男」は鬼太郎が「あの世保険」の勧誘を始める話。セールストークがいろいろおかしいです。悪知恵はたらかせてます。
今回は悪い商売をはじめた鬼太郎をとめるように目玉おやじがねずみ男に頼みます。ちょっと珍しいパターン?目玉親父にだまって鬼太郎が勝手なことをしています。目玉おやじ、父としてもうちょっとがんばって鬼太郎を監督しないと!
ねずみ男も新しい商売をはじめるにあたって、資金調達のために行った「あること」が事件をよんで…。今回も怖いといえば怖いのですが、どこか滑稽な話です。
とりあえず、鬼太郎のセールストークだけでも読んでみる価値アリ!
「ないしょの話」はねずみ男がボロ市で買ったひとだまの干物を、横取りして食べた鬼太郎の体が溶けてしまって…というとんでもない始まり方。
鬼太郎はほとんど登場せず、ねずみ男メインの話です。ストーリーは「ゲゲゲ」のもう何度もアニメ化されているあの話です。 どこをどう改変して「ゲゲゲ」に流用したか比べると面白いですよ。人物を整理してストーリーを削ってアクションを加えて…というかんじです。
削られた部分の話がほのぼのしていていいですよ。
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