今更ですが、「桂正和×TIGER&BUNNY 原画&ラフ画集成」の感想。フィギュア付の初回特典版には興味がなかったので、付録がついてない「愛蔵版コミックス」の方です。

さっきamazonをのぞいたら、初回特典版がセール中ですね(2013年1月16日現在)。確か発売決定のときは予約バトルで難民が出たとか聞いてましたが、増刷とか予約キャンセルとかあったのでしょうか?

それはさておき「桂正和×TIGER&BUNNY原画&ラフ画集成」の内容。

  • 桂正和さんの「TIGER&BUNNY」フルカラー漫画
  • 桂正和メインキャラクター決定稿
  • 桂正和さんの「TIGER&BUNNY」版権イラスト集
  • 桂正和さんの「TIGER&BUNNY」デザインラフ画集
  • 桂正和×アニメ制作スタッフ対談
  • 桂正和×声優対談

と、すみからすみまで丸ごと桂正和の本!!

アニメ企画のオファーがあって、

面白い!! そんなサムライ魂のある企画、俺は乗る!!

と、引き受けて。そこから桂正和さんの引き出しの中の、ありとあらゆるパターンのヒーローデザインを描いてゆくその変遷。

それを実際に描かれたラフ絵と桂正和さんの解説でお楽しみください。というのがこの本です。

「In unity there is strength.(団結は力なり)」フルカラー版

脚本は「TIGER&BUNNY」シリーズ構成の西田征史さん。作画はもちろん桂正和さん。

ヤングジャンプ2011年第36.37合併号掲載の「In unity there is strength.(団結は力なり)」に着色したもの。

着彩は「B.D(バンドデシネ)をイメージした」というだけあって、なんとなくそんな雰囲気が出てる…かなー?うーん。

B.Dと言われても私の知識では「タンタンの冒険」くらいしかイメージできなくて。メビウスも白黒の「B砂漠の40日間」しか読んだ事がないので(笑)。

でも見た目はともかく、内容はどう見ても日本の漫画。その辺がやや違和感あるかも。

内容はこの手の本によくある描き下ろしのオマケ漫画と違って、商業誌に載せて原稿料とった漫画ですからきちんと面白いですよ。

桂正和さんの描いた没ネームと、西田征史さんのコメント付。

桂正和「TIGER&BUNNY」メインキャラクター決定稿

季刊Sなどでも紹介されていた、桂正和さんの「TIGER&BUNNY」キャラクター決定稿。桂さんの解説付き。

A4縦サイズのカラー絵なので見ごたえあります。掲載キャラは以下の通り。

  • 虎徹/ワイルドタイガー
  • バーナビー(人物&ヒーロースーツ)
  • カリーナ/ブルーローズ
  • アントニオ/ロックバイソン
  • キース/スカイハイ
  • イワン/折紙サイクロン
  • ネイサン/ファイアーエンブレム
  • ユーリ/ルナティック)
  • アニエス
  • 巻き込まれ少女

対比参考用にアニメのキャラクターデザイン画が小さく載ってます。

桂正和さんの「TIGER&BUNNY」版権イラスト集

版権イラストと言っても、雑誌類は「TV Bros.」表紙や「ミラクルジャンプ」2011年No.5表紙のブルーローズや「週刊ヤングジャンプ」2011年38号の虎徹&バーナビーなど。

白黒でスクリーントーンが貼られた虎徹&バーナビーはなんだか新鮮。

Blu-ray限定版特典の「桂正和描き下ろし特性ブックケース」イラストとか、アニメOP2の「ミッシングリンク」で使われたオープニングの線画の方が多いです。

本のタイトル「原画&ラフ集成」の「原画」にあたる部分。

Blu-ray用イラストもオープニング用の絵もやはり線画の方がキレがありますね。Blu-ray用イラストはこの本の発売時期の都合から、全て収録とはいかなかったのがやや残念。

特にオープニング用に描かれた線画!! 実際に使われたのは、これらのイラストから線を引いたり足したりしたものなんですが、やはり元絵の方が迫力があります。

鉛筆画の迫力と言うか…桂正和さんの描く宝鈴(パオリン)がかわいすぎる!!! 実際のオープニングと比べると、このイラストの方がオーラが出てると言うか…とにかくかわいい。

「おじさんとか、バニーちゃんとか、イワン(以下省略)のイケメン絵が見られるわー」という期待先行でしたが、まさかパオリンにやられるとは。さすがは桂正和。

もちろんおじさんも、バニーちゃんもイワンも期待通りというか、期待以上の絵でしたよ。

「TIGER&BUNNY」桂正和デザインラフ画集

「TIGER&BUNNY」のメインキャラデザイン決定までの、スケッチブック7冊におよぶラフ画を時系列で見ることが出来ます。

デフォルメ的な虎徹ラフから始まって、どんどん変遷して決定稿に至るまで。虎徹とタイガーでかなり時間を使ったとあるように、虎徹、タイガー、バニーあたりの絵が多め。

同じラフでもプロのラフはさすがに上手いですね。ほとんどアタリもとらずにササッと描いてるものから、デザインを推敲しているものまで。

鉛筆画大好きな私としては、見ていてかなり楽しいです。ラフ画についてる桂正和さんのコメントもイイ!!

スケッチブック6冊目で出てくる桂正和さんのメインキャラ表。アニメのキャラクター設定画と比べたらほぼそのままの絵もあるので、この絵を元にアニメ設定資料が作られたのだと思います。

でもわりと違ってる部分もありますね。口元のニュアンスが違うとか。表情自体も違ってたり。アニメの設定画と見比べると面白いですよ。

ここでもやはり目を引くパオリンのデザイン画の魅力。「短パン上からの立体図」とか、桂正和さんの「女性的な感じを出さず、それでいてヒップラインが(以下略)」などのこだわりに脱帽。

解説を読む限り、パオリン推しの印象は全くないのにこのこだわり。もはや「さすがプロ」としか言えません。

それから版権イラスト用のラフとか、没ラフなども見どころ。

商品化された決定イラストと並べてみると、「推敲」の故事成語みたいに「やはりこれ(決定イラスト)がいい」と選ばれた感がありますね。

桂正和×アニメスタッフ対談、声優対談、あとがき

桂正和×アニメスタッフ(さとうけいいち監督、脚本・西田征史)の対談(6ページ)と、桂正和×声優(虎徹(平田広明)、バーナビー(森田成一)、ブルーローズ(寿美菜子))対談7ページの2本。

どちらも面白かったですが、どちらかというとアニメスタッフ対談の方が面白かったです。デザインに関しての話が中心でしたが、作品についても語ってましたよ。

「TIGER&BUNNY」はホームドラマ的な印象だったので。製作スタッフが男性向けとして考えていたことに驚きました。

やはりコメディドラマにしたことで、間口が広くなったのが良かったのだと思います。

ちなみにインタビューで話題になってた24話の某ネタ。監督は「男は笑うと思うけど、女性は泣くんじゃないかな」と言ってましたが、あれは女性でも不意をつかれて笑うところでしたよ。

と、いったところかな。

あくまで桂正和さんのデザイン本。絵の分量に対して解説がほどよくついているので、わりと文章多いです。アニメ自体に関する話より、デザインに関する話が中心。

マンガやデザイン決定稿はカラーだけど、白黒鉛筆ラフ画が多い事。「TIGER&BUNNY」のメインキャラは男性比率が高いので「桂正和の美少女デザイン集」ではない事。

人によってはこの2つが難点に感じるかもしれませんが、鉛筆画好きや桂正和さんの描くイケメン&ヒーロー・デザイン好きにとっては「むしろそれがいい!!」というくらい魅力満載。

そして内容に対するコストパフォーマンスの高さは、さすがの集英社! といったかんじですね。

タイトル:「桂正和×TIGER&BUNNY 原画&ラフ画集成」 (愛蔵版コミックス)
ページ数:176
出版社・発売時期:集英社 (2011-10-28)
総合評価:5

内容紹介

  • 桂正和さんの「TIGER&BUNNY」フルカラー漫画:41ページ
  • 桂正和メインキャラクター決定稿:20ページ
  • 桂正和さんの「TIGER&BUNNY」版権イラスト集:21ページ
  • 桂正和さんの「TIGER&BUNNY」デザインラフ画集:74ページ
  • 桂正和×アニメ制作スタッフ対談:6ページ
  • 桂正和×声優対談:6ページ、あとがき:2ページ
  • …etc.

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