とりあえず「LUPIN the Third -峰不二子という女-」全話見終わった上での感想。各話あらすじ&感想をまだ全部UPしてないけど、全部上げる日が来るかどうかわからないので先にあげときます。

私自身はルパン・シリーズのコアなファンではないので、こだわりほとんどなし。わりと気楽に楽しめるストーリーでした。小池健さんの絵はおしゃれだし、美術もOK。

不二子、五ェ門、銭形が新声優に代わって初のルパン・テレビシリーズですが、それほど違和感なかったです。演技の雰囲気があってるので「悪くない」印象。

「LUPIN the Third -峰不二子という女-」の不二子が人を殺す女であった意味

「LUPIN the Third -峰不二子という女-」では、不二子は第1話から「やむをえない場合なら、人を殺すことも辞さない」というポリシーを披露していました。

1話時点では、すでに「アイシャの記憶」を封印した状態だと思われるので、前述の内容が「本当の不二子の本音(ややこしい…)」なのだと思われます。

シトトを殺したときや、万華鏡女を殺そうとした不二子は、「アイシャの記憶」の影響下にあった不二子。

自分の人生をアルメイダに奪われてしまったから、自分もまた他人の人生(=他人の命)を奪うことをためらわないアイシャ。

しかしアイシャはアルメイダを恐れているので、アルメイダには絶対に逆らえない。アルメイダの死後も、そのトラウマから逃れることはできなかった。しかし不二子は違う。

最終回でアイシャと不二子の違いを鮮明に出すために、不二子にアルメイダを撃たせる。そのためには、不二子は人を撃つことが出来る女でなくてはならない。

となると、確かに「今の世の中の倫理観的にどうなの? 」と思う点もありますが、深夜アニメだからまあアリかなと思います。

この話のラストで、不二子が「殺しはやめた」のもアルメイダ伯爵が他人の人生を弄び、その犠牲になった多くの少女達やアイシャを見て出した結論。ととらえるならしっくりくるかも。

最初から殺さないに越したことはないけれど、「人生で学ぶことによって殺さなくなった」というのも、物語としては悪くないと思います。

「LUPIN the Third -峰不二子という女-」におけるオスカーの存在の意味

そしてラストまで見てようやくこの物語にオスカーがいた理由の一つがわかりました。

この物語においてオスカーはいわば、不二子になれなかった実験体の一人みたいなポジションですね。

ルパンの助力を得て「アイシャの記憶」という呪縛をはねのけて自我を取り戻した峰不二子。銭形のフォローがあっても「アイシャの記憶」による呪縛から逃れることが出来なかったオスカー。

制作スタッフはこの対比を見せたかったのでしょう。呪縛から逃れた不二子は特別な存在。逃れることが出来なかったオスカーは不二子の「if」だった。不二子がオスカーと同じ道をたどる可能性もあったという意味で。

だから不二子+ルパン、オスカー+銭形の対にした。

正直この最終回を見るまでは、「別にこの物語オスカーいなくても成り立つし、オスカーいらなかったじゃーん」と思ってたのですが。前述のように考えると、やはりオスカーは必要かなと。

オスカーはラスト生死不明みたいに見えましたが、やはり死んだのではないでしょうか?

フクロウ頭いわく、アイシャの他の実験体はみんな発狂・自殺の道をたどった。であれば、アイシャの影響が強かったオスカーもまた例外ではないでしょう。

オスカーに関しては「いつアイシャの実験を受けたのか(爆発前? それとも後?)」「どうしてオスカーだけやたらアイシャに共鳴して動いてたのか? 」など、すっきりしない点もあります。

けれども、物語はわりときれいにまとめたといえるのではないでしょうか。

放送当時の雑誌等のインタビューでは、山本沙代監督もシリーズ構成の岡田麿里さんも雑誌ごとにいろいろ言ってます。

「オリジナルキャラとしてオスカーを出した理由」と「オスカーがああいうキャラになった理由」は、同じようで違う話。雑誌の読者層に合わせてか、内容が少しずつ異なるのはそういう事でしょう。

「そして物事を決定するときには、複数の理由がある」という事。

例えば夕食のメニューを決定する時だって、「これが食べたいから」以外に栄養面・経済面・前後の献立との兼ね合いなど複数の理由があるじゃないですか。

雑誌の読者層の傾向に合わせて、複数の理由の中から受け入れられやすい理由を話してる印象でした。

雑誌インタビューの中では、「オスカーというキャラクターについて」に限定するなら「季刊エス」のインタビューが一番興味深くて納得できましたよ。

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