「猫の恩返し」に関しては、ジ・アート(THE ART OF CAT RETURNS(猫の恩返し)よりもロマンアルバムを推したいところです。
森川聡子さんのレイアウト集や、原画を担当したアニメーターたちの原画集が魅力的。、なによりロマンアルバムの方がインタビューが豊富と言うのがイチオシの点!!
「ジ・アート」は解説がほぼ美術監督さんの分しかなかったのが残念なんですよ。キャラクター設定資料も、主なものはロマンアルバムでも見られるし…。
ちなみにロマンアルバムの設定資料はキャラクターのみ2ページ。
- ハル(制服、子供時代、ドレス、猫ハル)
- ひろみ
- ハルの母
- バロン
- ムタ
- トト
- ユキ(子猫時代あり)
- ルーン(王子服あり)
- ナトリ
- ナトル
- 猫王
このくらい載ってますよ。各キャラの設定画は「ジ・アート」より少ないけれど、主だった絵はほぼあるし、「ジ・アート」にはない絵もあったり。バロンは帽子と上着のない設定画(猫の事務所シーンでの服)ばかりだったのは残念かも。「帽子と上着ははずせない!! 紳士の嗜み的に!」というこだわり派のあなたは「ジ・アート」をどうぞ。
そしてレイアウト集。キャラクターデザイン兼レイアウトの森川聡子さんがほぼ全てのレイアウトを担当したらしいので、載っているのは全て森川聡子さんの絵かな。うん、森川さんのハルはかわいい!
原画集はいつものロマンアルバムよりページ数が少ないので、絵が小さい…。けど、ルーンを助けるハルのシーン(平松禎史さん担当)とか、いろいろ載っているのでやはり要チェック!!
絵コンテ抜粋もアリ。ジブリの絵コンテ全集で「猫の恩返し」は発売されていない(2008年10月現在)から、絵コンテが見られるのはこの本か、DVD「猫の恩返し」だけなのかも。
ところでページの下の隅に小さい絵でパラパラマンガ。ページをパラパラするとちゃんと動きます。もう二まわりくらい大きい絵だと見やすいのに。宴会芸猫たちのパフォーマンスの原画集を使ってるのだと思いますが、本文中に芸猫たちの宴会芸は、三原三千雄(=三原三千夫)さんが一人で原画を担当したとのこと。
三原三千夫さんといえばカイバ第4話「ばあさんの記憶の部屋」で一人で脚本・作画監督・原画・動画を担当した、あの三原三千夫さんのことかー!! そういえばこの腹芸猫の動き、なんとなくカイバ4話のカバのパントマイムを彷彿とさせるような…。気になる人は要チェック!!
そして多いのがインタビュー。「いつものジブリメンバーじゃないー!!」ので、やや新鮮なイメージのインタビュー集。
監督のインタビューは2ページほどみっちり載っているし、原作の柊あおいさん、脚本の吉田玲子さんなど、ストーリーに間する主要スタッフから、作画に関する主要スタッフまで。
宮崎駿監督作品のロマンアルバムほど多くの部署のスタッフインタビューがあるわけじゃないけれど、その分一人ひとりに関して文章多めかな?
声優インタビューも最近ではめずらしく多め。わりときっちりしてます。猫王役の丹波哲郎さんのインタビューが俳優&霊界研究家としての二面からの談話になってるところがさすが!?
もちろんフィルムストーリーもしっかり載っているので、コストパフォーマンスは抜群。「猫の恩返し」でムック選びに迷ったら、とりあえずこのロマンアルバムを!!
- タイトル:猫の恩返し (ロマンアルバム)
- 出版社・発売時期:徳間書店(2002-08)
- ページ数:128
- 総合評価:
内容紹介
- アニメ「猫の恩返し」公式ガイドブック
- フィルムストーリー
- キャラクター紹介
- 用語集
- キャラクター初期設定(柊あおいさん、モノクロ2ページ)
- 柊あおいさんの描き下ろし漫画(モノクロ4ページ)
- キャラクター設定(線画2ページ)
- レイアウト集(森川聡子さん:モノクロ2ページ)
- 原画集(線画:2ページ、平松禎史さん、武内宣之さん他)
- 背景美術
- スタッフインタビュー(森田宏幸監督、鈴木敏夫PD、原作者・柊あおいさん、脚本・吉田玲子さん、作画監督・井上鋭さん&尾崎和孝さん、美術監督・田中直哉さん、色彩設計・三笠修さん、音楽・野見祐二さん、主題歌・つじあやのさん)
- 声優インタビュー(池脇千鶴さん、袴田吉彦さん、渡辺哲さん、斉藤洋介さん、山田孝之さん、前田亜季さん、佐戸井けん太さん、濱田マリさん、丹波哲郎さん)
- …etc.
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