アニメーションノートno.04 感想

アニメーションノートは休刊せずに続いてますね。美術手帖増刊の「アニメスタイル」とかインデックス・マガジンズの「アニメーションRE」みたいにすぐ休刊しちゃうのでは? と思ってました、ごめんなさい。

現時点でno.06まで発売されていますが、今回はno.04の紹介でも。特集は「絵が上手いアニメーションのメイキング」。鉄コン筋クリート、パプリカ、天元突破グレンラガン、サザエさん他です。

「田舎医者」の山村浩二さん（「頭山」などが有名）インタビューやAmazing Nuts!の記事もあるけれど、私の知識不足で語れません。

鉄コン筋クリート

20ページの大特集「鉄コン筋クリート」。

インタビューはマイケル・アリアス監督、木村真二美術監督、西見祥示郎キャラクターデザイン・総作画監督、坂本拓馬CGI監督。それぞれ単独インタビューです。

監督のアイディアノートや資料写真、木村さんのラフボードや、西見さんのキャラクターラフなど、ビジュアル資料も充実。

木村さんの「背景・特別実演」では10分弱で「雨に濡れる街の背景」完成。エアブラシ技法なども紹介されています。

アニメーションノートno.4「パプリカ」8ページ記事。パプリカができるまでの制作過程について今敏監督が語っています。

資料はシナリオ、絵コンテ、キャラクター設定画など。背景少々。

今敏監督の絵コンテは詳細に描かれてますね…。ラフな絵コンテを描く監督も多い中で、「東京ゴッドファーザーズ」のときもこのくらい詳細だったから毎回このくらい描きこんでいるのかも。

そういえば映画「ドラえもんのび太とふしぎ風使い」の芝山努監督も細かい絵コンテですが、あれは手描き。今敏監督の絵コンテは見た目にデジタル感が…。

ちなみに今敏監督の絵コンテは「パプリカデラックス・ボックス（2枚組）」の特典になっていますよ。

アニメーションノートno.4「天元突破グレンラガン」12ページ記事。中島かずきシリーズ構成×今石洋之監督インタビュー、撮影部の話、キャラクターデザインの錦織敦史さんの話など。

この時点ではプロデューサーだった赤井孝美さんのインタビューもあります。

この本が発売された時点ではまだテレビ放送は始まっていませんでしたが、シモン、カミナ、ヨーコ、ブータの設定線画（決定稿）を載せているのはさすがですね。

今では設定画は「天元突破グレンラガン基礎工事編 BASIC DRILL」でもっとたくさん見ることが出来ます。

撮影部でのデジタル作業風景やスタッフの机の写真（なぜかPCのスペックまで明らかにされていたり）などもありますよ。

アニメーションノートno.4「サザエさん」14ページ記事。アニメ「サザエさん」のメイキングをここまで特集したアニメ雑誌は珍しいかも。脚本家の雪村俊一さんのインタビューもあります。

設定画こそ載っていませんが、シナリオの管理方法や作画の話は目からウロコ。

セルアニメだということは知っていましたが、今時ハンドトレスというのにビックリです。1981年のアニメ映画「シリウスの伝説」の頃に「今時マシントレスが一般的でハンドトレスは珍しい。技術を持った人が少ない」という話を当時のいちご新聞で読んだような記憶が。

それをいまだにテレビアニメでやっているというのはスゴイことですよ。「サザエさん」のセル彩色のために、今でもアニメカラーを制作している会社の話も興味深い内容でした。

1エピソードでのカット数、動画枚数、原画マン、動画マンの人数などわりと細かい話もでています。「サザエさん」用タイムシートまで載せてあるんですから。

演出家文芸、作画、仕上、背景、撮影、編集を担当する6人のスタッフインタビューも必見です。「サザエさん」のこういう話は他では聞けないかも。

撮影・編集風景の写真もありますが、機械も年代モノですね。

内容紹介