冒頭からトイレにこもっている「私」(声:浅沼晋太郎さん)。なぜかトイレのドアの外には羽貫さんが「開けてー(ドンドンドン)」とドアを叩いてる状況。
「む、何? 羽貫さんに迫られてるの? 」と一瞬勘違いしそうな映像ですが、違います(笑)。
この6話~8話にかけては、「私」のはなやかな(?)女性関係の話が。まさか「私」に恋愛ルートがあったなんて、1話~5話の状況では思いもよらなかったけど…と思ったら、予想通りでした(笑)。
ナレーション:八面六臂の桃色遊戯の達人でなければ誰か一人に選ばなければならない。
選択肢は、歯科衛生士の羽貫さん、ラブ・ドールの香織さん(!?)、文通相手の景子さんの3択。なぜ香織さんが入っているのかちょっと理解しがたいですが、男の人なら共感できるんでしょうか?
この6話「英会話サークル『ジョイングリッシュ』」が全話の中で一番エロ度が高いかな。そのものズバリはないですが、暗喩的な映像表現がいろいろと。
ちなみに香織さんの声は「私」を演じる浅沼晋太郎さんが裏声であててます。香織さんは人形だからしゃべるはずもなく、全部「私」の想像の中の会話と思えば納得ですね。
最初聞いたときはささやくような声だったから、浅沼晋太郎さんの声だとは気づきませんでしたよ。7話でジョニー役の檜山修之さんが香織さんの声を演じたときは隠しようもない違和感バリバリでしたが(笑)。
四畳半神話大系 第6話 英会話サークル「ジョイングリッシュ」感想
今回の「私」は3つのサークルに入ることを決意。
ナレーション:リスクは分散すべし。複数のサークルに参加して多角的なバラ色のキャンパスライフをおくるのだ!
…投資じゃないんだから、リスクの分散って言われても。「二兎を追うものは一兎をも得ず」という結果になりそうな予感。
今回はとりあえず、入部した3つのサークルのうち、英会話サークル「ジョイングリッシュ」の話になります。
英語を学ぶメリットが滔々と語られた後、
ナレーション:なにより日本語では尊大な羞恥心と肥大した自尊心が邪魔をしてならないが
英会話でなら黒髪の乙女とはずむようなトークセッションができる。
…結局はそれが本音ですね。
ところが生真面目な「私」は文法にこだわりすぎて、うまく会話に参加できません。会話は言葉のキャッチボールだから、片言や単語の羅列でもいいから「しゃべったもの勝ち」。
「文法が間違っていたら恥ずかしい」ということにこだわるということは、やっぱり「尊大な羞恥心と肥大した自尊心が邪魔をして」る状況ですね(笑)。
羽貫さん(声:甲斐田裕子さん)は、文法を気にせず感情のままに文章を組み立てて、それがなんとなく通じてしまう能力の持ち主。
実際外国の人と話してみれば、文法は少々間違っていてもノリで通じますから。そんなものです。
羽貫さんはもう卒業して歯科衛生士として働いているはずですが、サークルに来ているということはOGとして参加しているのかも?
サークルの後にカフェでお茶するようになった「私」と羽貫さん。話しているうちに小津(声:吉野裕行さん)が共通の知り合いとと判明。
今回の小津と私のファーストコンタクト。
「私」:誰だ貴様! 魂の契約をしにきた悪魔か!?
小津:ひどいことおっしゃる。私はあなたのサポートをしたいんです。
小津は「印刷所」という組織を「私」に紹介。「印刷所」は学生に代わって偽造レポートを製造する組織。3つのサークルを掛け持ちしてるから、そんなものに頼らないとやっていけなくなった「私」。本末転倒ですね。
カフェで会話をするうちに恋愛話になり、羽貫さんは恋人がいることが判明します。はっきり名前は出しませんでしたが、あのジェスチャーから相手は樋口師匠(声:藤原啓治さん)だとわかります。
この後、羽貫さんに闇鍋のお誘い電話がかかってくるのですが、もちろん「私」には無関係のこととして話しています。
樋口師匠の名前を出さなかったということは、おそらく共通の知り合いではないということ。今回の「私」は樋口師匠の弟子ではないようです。小津はあいかわらず弟子のようですが。
そんなことより、羽貫さんの口から小津が恋愛中だという衝撃の情報が!! しかも相手は箱入り娘。
羽貫さん:小津くんけっこう苦労しているみたい。ナイショにしてくれっていわれてるけど。
「私」 :あいつに限ってそんなわけありません!!
小津が恋愛中と聞いて動揺する「私」。どうも「私」は小津の一面しか理解できていないようですね。
一方、現在の「私」の女性関係事情が語られます。2年来のお茶のみ友達羽貫さん、文通相手の樋口景子さん、下宿内で同棲しているラブドールの香織さん(!?)の3人とのそれぞれの関係。
「親しい人としか飲みに行かない」と言っていた羽貫さんから、とうとう飲みのお誘いが!! 羽貫さん何らかの事情で落ち込んでいる様子。しかしそのお誘いをレポートを理由に断ってしまう「私」。
でも本当の理由は、今日香織さんが引き取られてしまうから。そして景子さんにも「今日会ってくれないともう文通を続けることはできない」と、会うことを迫られていたから。
今晩誰と過ごすのか? 3人のうち誰か1人を選ばなくてはなりません。そして今回「私」が選んだのは羽貫さん。
エロ歯科医・窪塚の魔の手から羽貫さんを守るために、ホテルで飲んでいる羽貫さんのところへ向かう「私」。ところが羽貫さんが一緒に飲んでいた相手は、エロ歯科医・窪塚ではなく城ヶ崎先輩(声:諏訪部順一さん)。
城ヶ崎先輩の股間から京都タワー(?)が伸びてるように見える構図がすごいです(笑)。
よく考えれば生身の女性がダメなくらい潔癖症の城ヶ崎先輩。友人の樋口師匠の恋人である羽貫さんに下心があるはずがないのに。私(主人公じゃなくて)もすっかり雰囲気に飲まれてました。映像の力恐るべし。
羽貫さんは樋口師匠の友人である城ヶ崎さんに、樋口師匠の事を相談しつつ飲んでたんでしょうね。
城ヶ崎先輩:なんだお前、持ち場はどうした?
「私」:城ヶ崎さん。あんたこそ、なんぜこんなところに!?
(中略)
「私」 :安全牌ですが。
城ヶ崎先輩:やはり仕事も半人前だな!
次回7話で判明しますが、城ヶ崎先輩は「私」にある仕事を依頼していたのでした。この「安全牌ですが」も7話で城ヶ崎先輩から言われた言葉を叩き返してるわけです。
事態は「私」と城ヶ崎先輩の飲み比べに突入。
城ヶ崎先輩:君にこのワインの味は、わかるかな?
「私」 :何本飲めばわかりますか?
まずは言葉で対決モードです。飲み比べはかろうじて「私」の勝ち。城ヶ崎先輩はつぶれたものの、つぶれなかった羽貫さんに連れられてはしご酒数軒。
「バッキャローー!!どこへでもいっちまえー!!!」という羽貫さんのセリフがでてきました。この日羽貫さんが落ち込んで荒れていたのは、おそらく樋口師匠に世界一周旅行のことを聞かされたためですね。
泥酔した羽貫さんをタクシーでマンションまで送って行く「私」。
ナレーション:のろわれた思春期の門をくぐってこの方、
我がジョニーには惨めな思いを強いてきた。
私の歴史は虐げられてきたジョニーの歴史そのものだ。
私のような男を主人にもったばっかりに、すまぬ。
ジョニー:今夜決めようぜ!
ナレーション:しかし! 私はあくまで文明人としての誇りを保つ!!
ジョニー:何をーっ!!!
ジョニー(声:檜山修之さん)は、男性の内なる欲求というか内面というかそんなかんじの存在ですね。檜山さんの男らしい声がピッタリの役で笑えました。
マンションの鍵を開けようとする羽貫さんの「あれ、入らない…(中略)入った…」というなにげない(笑)セリフに興奮しすぎです、ジョニー。
「私」の中では脳内会議中。
前頭葉:この局面を紳士的に切り抜けるか!? 体面を保つのだ!
女性も大変ですが、殿方も大変ですね(笑)。
しかしそんな脳内会議も空しく、羽貫さんに口の中を責められて…なしくずし汁。トイレに緊急避難して、アニメ冒頭のトイレ立てこもり状態へ。
据え膳食ってしまおうか? そんなときに脳裏に浮かんだのは、かつての小津との会話。
小津:あなた言ってたじゃないですか
「私」:身を焦がすほど好きでもない相手と、寂しいがゆえに欲求から相手を求めるなど言語道断!!
ナレーション:私はそれを憎んできた
ジョニー:新しい世界が開けるぜ。向こうを見てみたいとは思わないのか!?
ジョニーの哀願も空しく、男としての誇りを保つことに決めた「私」。お酒のせいかしばらく眠ってしまった後、トイレから出た「私」の目の前には小津。
小津:楽しい時間に羽貫さんや城ヶ崎さんに呼び出された僕の身にもなってください。
小津は「私」と羽貫さんとの共通の友人であり、羽貫さんとは歯科衛生士&樋口師匠絡みでの知り合い。城ヶ崎先輩とは4話ででてきたように秘密の師弟関係。だから呼び出されたわけですね。
羽貫さんからは「私」に事情を説明することを頼まれ、酒でつぶれた城ヶ崎先輩からは香織さんの回収を依頼されたということでしょう。
小津から説明された羽貫さんの「事情」は、羽貫さんは酔うと他人の顔をなめるくせがあり、今日のことは水に流して欲しいということ。
小津:あなたが閉じこもってんで、羽貫さんは今コンビニの便器を抱え込んで報いを受けています。
つまり羽貫さんの「開けてー(ドンドンドン)」は「私」に迫るためじゃなく、止むに止まれぬ生理的な欲求でということですね(笑)。
ちなみに、小津はもちろん羽貫さんの恋人が樋口師匠であることを知ってましたね、あの話し方は。
今回カステラは城ヶ崎先輩からのお礼ということでした。やはり各話少しずつ状況が違ってますね。
次回7話はこの同じシチュエーションで、香織さんを選択した場合どうなったか? という物語です。
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