前回で時計が巻き戻しになって過去の時間に戻ったのかと思いましたが、どうやら少し違うようです。
四畳半神話大系 第2話「映画サークル『みそぎ』」感想
前回、大学入学後にテニスサークル「キューピッド」を選んだ「私」(声:浅沼晋太郎さん)。3回生の夏、その選択を激しく後悔する結果になりました。
今回は、別のサークルを選択した場合の「私」。
前回の小津(声:吉野裕行さん)の言葉、
小津:どうせあなたはどんな道を選んだって、今みたいな有様になっちまうんだ。
確かにサークルを変えても、今回もほぼそういう結末に至ってますね(笑)。
ナレーション:黒髪の乙女達が銀幕に舞う恋のニューシネマパラダイス。
「みんなで楽しく映画作ってるよ」という甘い言葉にまどわされ、
友達100人作るべくその日の内に入会を決めてしまった私は手の施しようのないアホだった。
現実でも大学サークル・部活の勧誘で、新入生は常に甘い言葉に騙されるものです(笑)。
勧誘はたいてい2回生が中心でやってるものですが、先輩達からノルマを課せられたりしているのでいい事しか言わないんですよねー。
入ってみないとその真実はわからないという罠に、数々の1回生たちがはまってきたことでしょう。
映画サークル「みそぎ」の場合は、城ヶ崎先輩(声:諏訪部順一さん)の独裁体制。
みたかんじ、城ヶ崎先輩は監督兼主演男優。見た目さわやかイケメンでがたいもいいから、絵になりやすいんでしょうね。
しかも8回生(「私」入学時点では6回生かな? )。となると1回生~4回生よりも映画製作の経験も多いし、独裁体制になるのもなんとなくわかる気がします。
そんな城ヶ崎さんのやり方に不満を持つ私の前に現れる小津。
「私」:これは月の裏側の住人か? はたまたE.T.か?
小津 :あなたひどいことおっしゃる。ご安心ください。ぼくはあなたの同士ですよ。
ナレーション:これが小津とのファーストコンタクトでありワーストコンタクトでもあった。
またこんな出会い方…(笑)。
そんなわけで、「みそぎ」に属しつつも、城ヶ崎先輩達に対抗するべく小津と二人で自主制作映画を撮り始める「私」。
ここで「私」が作った3本の映画は、この先の展開を暗示する内容になっているので後で比較してみるといいかも。
あまりにもアホな内容に、上映会ではもちろん不評。笑ってくれたのは明石さんだけ。
そして今回もでてくるこの会話。
小津:どうせあなたはどんな道を選んだって、今みたいな有様になっちまうんだ。
「私」:ん? 俺達前にもこんな言い合いしてなかったか?
小津:してるわけないでしょ。デジャブですよデジャブ。
いずれにせよ、僕はあなたに出会って全力であなたをだめにします。
「私」がデジャブを感じているということは、やっぱり時間の巻き戻しなのか!? と初見のときは思いましたが、そうではないようですね。
小津の情報によると、城ヶ崎先輩は映画では水着は登場しないのに、「破廉恥水着オーディション」を強行したそうな。
しかも城ヶ崎先輩は「おっぱい採点表」なるものまで作って…。
おっぱい採点表の表現に笑いました。深夜アニメだからこの程度はできるんですねー。
それを知って怒りに震える「私」。
「私」:どうしても最後に城ヶ崎に天誅を下したい!
小津:あらら、穏やかじゃないですねー。わかりました。どこまでもついて行きますよ、監督。
「義憤に狩られた行動」とナレーションでは言っていたけれど、やっぱり「けしからん&うらやましい」みたいなややこしい感情で動いてますね、「私」は。
そして2人で城ヶ崎先輩の告発ドキュメンタリーをとることに。しかし、案の定(笑)脱線。
ナレーション:改変され続けたフィルムは事実をも逸脱し、告発映画は単なる個人的中傷映画となっていった。
それじゃあダメじゃん(笑)。
小津:これぐらいやってもいいんじゃないですか?ドキュメントもしょせん意図的なものですから。
真実とはいっても、所詮は映像。編集や見せ方でいくらでも恣意的に作ることができるわけで。
小津に編集をまかせたせいで、とんでもないことに…。
今回も木屋町で老婆に占ってもらったところ、2,000円とられた「私」。これから毎回値上がりの予感。
ドキュメンタリー作りに迷いを覚えていた「私」が編集作業場に戻ろうとしたところ、サークルの仲間達との飲みの帰りの城ヶ崎先輩に遭遇。
「私」ビジョンでは、王様のように御輿にのせられてる城ヶ崎先輩。お酒が入っているので、いつもよりさらに気が大きくなって「私」に話しかけます。
城ヶ崎先輩:企画が通らなかったのはしょうがないと思うぜ。
映画はみんなが見るものだ。好きでわけのわからないものを作るのはかまわんが、
観客に見せたいなら最低のエチケットは守れ。
観客の大事な時間を奪った上に、マスターベーションまで見せられるのはかなわんからな。
たしかに正論ですが、「やりたい放題やってるお前が言うな! 」と言いたいところ。案の定、怒りが再燃する「私」。そして城ヶ崎先輩の暴露ドキュメンタリー完成(笑)。
城ヶ崎先輩の集大成映画の上映会で上映するフィルムと「暴露ドキュメンタリー」フィルムをすりかえる計画。
城ヶ崎先輩は上映会の前に制作協力として、小津と明石さん(声:坂本真綾さん)を紹介するのでした。
「私」にナイショで、ちゃっかり城ヶ崎先輩側の手伝いもしている要領のいい小津。
今回の明石さん。
ナレーション:きっぱりとした否定と詰問に、それ以降彼女に話しかける男はいなくなった。
私は「明石さん、そのまま君の道をひたはしれ!」と心の中で熱いエールを送った。
毎度「私」は心の中でエールを送るものの、明石さん自身に好意を伝えることはしないのね。
そして、以前「私」が作った3本の自主制作映画を見たときの明石さんの感想。
明石さん:またアホなもの作りましたね。
「私」 :ろくでもない映画を見てもらってすまんね。
明石さん:たしかにろくでもなかったですけど、私は嫌いじゃありませんでした。
このラムネを飲みながらの会話が青春してるってかんじ。すごくいいムードなのに、そこから先へは進もうとしない「私」。
そして上映される暴露映画。
城ヶ崎先輩の潔癖症、成績表、マザコン会話、おっぱいクライミングに…香織さんのこと。
観客の反応を横目に、こっそり部室へ逃げる「私」。先に部室に来ていた小津は、「私」を置いてとっとと退散。 「私」も逃げようと荷物をまとめているところへ明石さん。
「私」 :観客が笑ってるならまあよかろうそれがあいつの言うエンターテイメントだ。
明石さん:私はこれまでの方が好きでした。今度のは品性を疑います。
「私」 :いいんだ、今回のは作り逃げだ。
明石さん:先輩はアホです。
「私」 :その通りだ。
明石さん:まだ先輩は約束も果たしていません。
「私」 :約束?
逃げることで頭がいっぱいで気もそぞろの「私」は、明石さんとの会話もおざなりに。
今回の明石さんとの「約束」は、「運命に結ばれた二人が立場年齢性別を超えて結ばれるラブロマンス」の純愛映画を作るということ。
でも明石さんとの約束は、またもや果たされることなく終了。またもや「私」は好機を逃してます。
ナレーション:夢をみるのもたいがいにしろ、そう私は自分に言い聞かせた。
あんな身勝手な映画を理解してくれる女性を、私は理解する自信がない。
蛾ともちぐまんはこれからも出てきますね。
樋口師匠は今回も小津の師匠として登場。細かい説明は省かれているものの、城ヶ崎先輩と因縁がある人物だということは説明されています。
今回の謎は、小津にもらったカステラが何者かによって食い荒らされていたこと。これも後で理由がわかります。
しかし、製作途中で終わった最新映画の「私」と小津のラブシーン。…不毛ですね(笑)。まさに青春の無駄遣いです。
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