中村健治監督ノイタミナ3作目にして、ようやくアニメファンブックの発売が出るようになったのかと、ちょっと感動。
遅ればせながら「つり球ビジュアルファンブック」の感想です。
A4縦のオールカラー大型本。表紙イラストはたぶん描き下ろし。イラスト原画はアニメーションキャラクターデザインの高橋裕一さん。
どちらかといえばビジュアルに特化した内容。
公式本は他にも「つり球オフィシャルログブック」「つり球完全設定資料集」などがあります。
ストーリー紹介やキャラクタープロフィール、スタッフインタビューなど、「つり球オフィシャルログブック」と似たようなコンテンツ。
「つり球ビジュアルファンブック」の方が大きくて、版権イラスト集や、「つり球」オープニング原画集、第1話絵コンテ抜粋、第1話原画集などのビジュアル資料が充実してます。
特に版権イラストと原画集あたりがこの本の売りかと思いますよ。「つり球完全設定資料集」は設定画に特化した本の様ですから。
では記事の内容紹介。
- 版権イラスト集(21ページ)
「つり球」の版権イラスト集です。キービジュアル1弾、2弾をはじめ、「アニメージュ」「ニュータイプ」「PASH!」「ani©om」などに掲載された版権イラスト11枚が収録されてます。
「オトナアニメディア」表紙イラストは「オフィシャルログブック」収録なのでいいとして、別冊spoonの表紙イラストなどが抜けてます。全てを網羅しているというわけではないのでしょう。
あと奥付に「ノイタミナショップ &カフェシアター DUCK極東支部 スタンドPOP」に使われたイラストが、控えめな大きさで載ってますよ。
イラストはA4見開きページサイズで掲載されているので、大きくていい!! のですが、本の中心部分が見づらいのがちょっと難点かも。
- キャラクター紹介
メインキャラクター紹介と、ユキの通う腰越東高校クラスメイトやDUCK隊員・幹部達などの紹介。
名前のあるキャラクターの設定画はたいてい載ってると思っていいです。
ユキ、ハル、夏樹、アキラの詳細プロフィールは、つり球公式サイトで紹介されているプロフィールと同じ。
まあ公式サイトに身長・体重・誕生日・星座・血液型・好物まで載ってますから、アレ以上と言われてもというところでしょう。
- キャラクター設定資料(アニメ用設定画)
キャラクター設定資料(アニメ設定画)も、プロフィールのページにカラーで載ってます。
宇木さんの原案絵ではなくて、アニメ用の高橋さんの絵の方です。
基本設定の全身画と表情集。各話の服装設定画もけっこうたくさん載っています。そして釣り具等の小物設定も。
よほどの設定画好きでなければ、この本のキャラクター設定資料で充分事足りるかと思いますよ。
- 各話ストーリー紹介
「つり球」全話のストーリー紹介。各話2ページで、最終回12話のみ4ページ。
本編画像も大きく数もそこそこあり、次回予告も載ってます。
余白も多くてぱっと見は見やすい構成ですが、あらすじなどの紹介がやや大雑把。
まあアニメ本編を見た事がある人には、これでも充分わかる内容ですが。
ビジュアルに力を入れてる分、やや文章の構成が甘いかんじです。
- オープニングギャラリー(3ページ)
オープニング原画集とオープニング画像。
原画はわりとよかったんですが、ちょっと大きさが小さくて見づらい部分ありました。
アップ気味の絵はこのくらいの大きさでもよかったんですけど、引き気味の絵はちょっとね。
- 「つり球」舞台案内 in 江の島(4ページ)
いかにも「聖地巡礼待ってます! 」というかんじの、江の島案内と写真集。
おおまかな地図つきなので、モデルになった場所がわかります。
さあアナタもこの地図を参考に、夏樹が「こう見えても17年のベテランだ」とカッコいいセリフを決めた後、高速で江の島踊りを踊った地下道へGo!
- つり球屋内探索(3ページ)
「つり球」美術設定・美術紹介…と言いたいところですが、本編画像も紹介用に使われています。
美術に関しては、この本はどちらかといえば一般向けと言うか、ぬるい内容ですね。
絵の資料として使えるかどうかは、やや微妙なところ。
同人誌の資料にするとか、美術大好きな人は、「つり球完全設定資料集」の方がいいかもしれません。
- スタッフインタビュー
スタッフインタビューは以下の通り。
- キャスト座談会 with 中村健治監督(4ページ)
- 中村健治監督&高橋裕一対談(6ページ)
- 色彩設計:ホカリカナコ(2ページ)
キャスト座談会の参加者は、声優の逢坂良太さん(ユキ)、入野自由さん(ハル)、内山昂輝さん(夏樹)、杉田智和さん(アキラ)のメイン4人。
キャスト+中村監督で、やや雑談風のノリ。
中村監督&アニメーションキャラクターデザインの高橋裕一さんの対談も、オトナアニメディアのインタビューと比べるとやや雑味が多い内容かな。
悪くはないけれど、やや目的がはっきりしない切り口というか、こなれてない印象でした。
「オフィシャルログブック」のスタッフインタビューと重なる内容もあります。
でも当然ながら同じ表現ではないので、「オフィシャルログブック」のインタビューと重ねるとその差異がイメージの補完になるのでいいと思いましたよ。
インタビューの中で「夏樹のエプロン設定画が裸エプロンでした」ってことで、裸エプロン設定画も2枚載ってます。
「ユキの高校の上履き設定画が(以下自重)」ということで、その設定画も1枚載ってます。
「オフィシャルログブック」でも、スタッフの遊び心あふれた(?)設定画が少し紹介されているので「こういうネタがあるから『完全設定資料集』発売に踏み切ったのか!?」とも思いました(笑)。
- 「つり球」第1話修正原画集(4ページ)
「つり球」第1話「テンパってフィッシング」修正原画集。4ページ、20枚。
印象的なシーンの原画をセレクトしてます。連続する原画集みたいに動きを見るものではありません。
作画監督の修正原画なので、1話作画監督の高橋裕一、岡崎洋美の絵だと思われます。
夏樹のボサボサ感がいかにもな原画とか、「えり香、1話でこんなにかわいく描かれてたんだ」とちょっと見なおしました(笑)。
- 第1話絵コンテ集(1ページ)
「つり球」第1話「テンパってフィッシング」の絵コンテ抜粋6枚。
絵コンテを描いたのはもちろん中村健治監督。
- スタッフ寄せ描きイラストなど(3ページ)
アニメーションキャラクターデザイン高橋裕一さんのイラストコメント1枚。
その他アニメスタッフの寄せ書きイラスト色紙2枚。
本の大きさがA4サイズで1枚1ページですから、どれも大きくて見やすいのがいいですね。
高橋さんのイラストコメントは、1話から最終話までの名場面集イラスト。白黒鉛筆線画ですが「余白などない!」ってくらいイラスト詰めで、すごいサービス精神!!
中心に立つユキの幸せそうな微笑もすごくいい!! ファン必見!!
寄せ書きイラスト色紙の方は、ほとんどのイラストが軽く着彩。DUCK隊員の絵もあってちょっとうれしい。
それにつけても高田晃さんは忙しいのか、この本の寄せ書きイラストも「オフィシャルログブック」のイラストも手抜き過ぎ(笑)!!。
あと、「つり球」ラジオの収録レポート漫画もありました。
以上。
本も大きいし、版権イラストも設定資料も原画他メイキング資料もほどほどに載っていて、描き下ろし色紙などもある。ビジュアル本としてはいいと思います。
難点を挙げるなら、やはり文章の情報量やインタビューの濃さ。
文章などの文字情報やインタビューは「オフィシャルログブック」の方がいいと思います。
この本の大きさとビジュアル内容で、「オフィシャルログブック」のスタッフインタビューや文章だったらいいのに!
「『つり球』本1冊だけ買うなら、この本と『オフィシャルログブック』どっち買う? 」と聞かれたら、迷うところです。
ビジュアル目的なら、この「つり球ビジュアルファンブック」…と言いたいところですが、「オフィシャルログブック」にもこの本に載ってない絵があるので…。
目的に合わせて選んでください、としか言いようがないです。
- タイトル:つり球ビジュアルファンブック
- 出版社・発売時期:一迅社(2012-8-31)
- ページ数:111
- 総合評価:
内容紹介
- 版権イラスト集
- キャラクター紹介、キャラクター設定資料
- 美術設定・美術紹介
- 各話ストーリー紹介
- 「つり球」舞台案内 in 江の島
- スタッフインタビュー
- 「つり球」第1話修正原画集
- 第1話絵コンテ集
- スタッフ寄せ描きイラスト集
- …etc.
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