アニメ「巌窟王」7-9話の感想です。

第7幕「秘蜜の花園」感想

伯爵が高額でビクトリアの馬を買った後オプションに金の鞍、宝石のオマケまでつけて返したのは次の一手のためでした。 ヴィルフォール主席判事（CV：秋元羊介）の妻エロイーズ（CV：渡辺久美子）に近づくための。

愛について悩むアルベールとフランツ。二人はそれぞれ婚約者を「愛している」いえないことに悩んでいます。愛情より先に結婚が決まっている現実。

それでもアルベールはマクシミリアンの一途な恋に手を貸そうとします。

「あなたを愛してしまいましたー！！」マクシミリアンの直球告白に驚くヴァランティーヌ。アルベールはヴァランティーヌにフランツの「親が決めた許婚以上の気持ちはない」という言葉を伝えてしまいます。そして「あなたもそうだろう？」と、マクシミリアンとの交際をすすめるアルベール。

これには普段大人しいヴァランティーヌがキレる！親が決めた婚約でもフランツを愛そうと努力し、彼の態度に心を痛めてきたヴァランティーヌ。 「彼（フランツ）は君の好きなようにすればいいって」「爵位はないけど立派な軍人」「マクシミリアンはあなたを愛している」「きっと君のことを幸せに」。 話しつづけるアルベールのお人よしの笑顔。

婚約者として相手を愛する努力を放棄して、「君の好きなように」とものわかりのいい男をよそおって、ヴァランティーヌを別の男に押しつけようとするフランツ。彼女の気持ちも聞かずに。そこまでヴァランティーヌに対して無関心なのか。

それをなんとも思わず使いをひきうけて、「（マクシミリアンは）君を幸せにしてくれる」と笑顔で語るアルベール。

フランツがいっそ誰に対しても無関心ならともかく、アルベールには細やかに気を使っているのを目にしているだけにこれはツライ。

フランツもヴァランティーヌが以前からの友達でもあるだけに、ずるずるとここまできちゃった感があるようです。このまま結婚して貴族的な夫婦生活をおくるのもよし。彼女ならいい妻になるだろう。でも彼女を愛する男が現れたならという気持ちなんでしょうね。


今週のエロセリフ？

エロイーズ：おわびに、私の秘密の場所をごらんにいれましょうか

すいません、別に何でもないセリフでしたが一瞬ヘンな想像をしてしまいました。でも終わりにエロイーズのエロ・シーンがあるのでまあ似たようなものです。

第8幕「ブローニュの夜」感想

いきなりアルベールのシャワーではじまります。シャワーカーテンはちゃんとひいておこうアルベール。床がびしょびしょになって掃除が大変です。だいたいそんなに油断してるからペッポに覗かれます。

伯爵の新しい別荘に招待されたモルセール、ダングラール、ヴィルフォール一家、ほかの貴族たち。

ここは以前ヴィルフォール家が所有していた屋敷。ヴァランティーヌの実母が若くして死んだこと、ヴィルフォール主席判事とダングラールの妻・エロイーズが昔関係をもっていたこと…いくつかの疑惑がでてきました。

7話でバティスタンに牢から出してもらった男がアンドレア・カヴァルカンティ侯爵（CV：関智一）として登場！キラキラ枠がついてます。バラの花束を持って登場という少女マンガ的演出。

ユージェニーはフランツとよく会ってるみたいです。アルベールのことなどいろいろ話しているみたい。三人幼馴染いいなー。

伯爵の口のうまさにメロメロのアルベール。伯爵もひざまずいたりしてあいかわらず演技派です。親密な関係作りに「私たちだけの秘密」を持つのもお約束ですね。


今週のセリフ

前回アルベールにヴァランティーヌの件をたのんだフランツ。ところがマクシミリアンとヴァランティーヌはうまくいってないし、頼んだはずのアルベールは伯爵のことで悩んでる。

フランツ：おまえ、何やってたんだよー？

わかる、わかるよフランツ。その気持ち。でも恋愛沙汰をアルベールに頼むほうが悪いかと。

第9幕「闇色の夢を見た」感想

「呪いなり」の回。

ここまで見ていて思いましたが、縦糸に伯爵の復讐譚、横糸に若者の恋と友情でストーリーをおりなしていくようですね。 上流貴族の豪奢な生活とうずまく陰謀。どんな身分でも変わらない若者達の恋愛。いかにも大衆小説というかワイドショー的。

A・デュマの原作は伯爵主人公の復讐譚だけど、うまく若者向け要素も入れたなーと感心しました。


フランツは伯爵の額の紋様と「巌窟王」という名前を呼ばれる様子を見てしまいます。

カヴァルカンティ：この世でボクだけ唯一が、伯爵の気持ちを理解できる存在だってことをさ

ヘンなポーズで一方的なライバル宣言。古風な少女マンガを見ているような気分です。


マクシミリアンとフランツが愛について語っているシーン。結婚できなければヴァランティーヌを愛することをやめるのか？とマクシミリアンに問うフランツが、答えを待たずにこういうのです。

フランツ：やめられないよな、愛することは。たとえ結婚できない間柄としても

その後の「ヴァランティーヌは本当にいいやつに出会ったな」もいい表情なんですよ。やさしい笑顔。こんなに優しい人なのにヴァランティーヌとはダメというのが恋愛の難しいところ。

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