「サマーウォーズ 絵コンテ 細田守」はアニメ映画「サマーウォーズ」の絵コンテ本です。

同じく細田守さんの絵コンテ本「デジモンアドベンチャー絵コンテ・細田守」や「時をかける少女 絵コンテ」を見たことがある人ならわかると思うけれど、わりとラフな絵コンテです。

制作に使われた鉛筆描きの絵コンテをそのまま印刷しました、という内容でもちろん中身は全ページモノクロ。

この絵コンテを元に作画担当の人たちがレイアウトを決めたり、絵を描いたりするわけです。いわばアニメの設計図。

実際のアニメはセリフと絵・音楽だけですが、絵コンテはセリフだけじゃなく内容を作画の人に伝えるための説明付き。出来上がった映像よりも監督の意図がわかりやすくなってます。

ちなみに絵の描きこみ度合いで言うと、押井守さん以上宮崎駿さん以下…という印象です。あ、絵コンテの上手下手じゃなくて、絵の描き込み度合いですよ(笑)。

ジブリの絵コンテ全集くらい細かく描きこまれたコンテじゃないという意味です。

別に監督が絵で細かく説明しなくても、作画の人にイメージが伝わる程度に描いてあればいいわけですから。足りない部分は文字で内容説明もしてあるので、要は作業に困らなければいいわけです。

私はわりと絵コンテ好きで、アニメ本編を見るより先に絵コンテ本を見たりすることも多いです。

ど素人のため、絵コンテだと細かい動きやテンポまでは読み取れない私。だから絵コンテからイメージする映像はアニメ本編と少し違っていて、アニメ本編を見たときには「あれ? こんなのだったっけ? 」なんて思うことも(笑)。

絵コンテに関してはまあ実際見てもらった方が早いので、「サマーウォーズ」の絵コンテ から見てもらうとして、巻末のインタビュー(7ページ)が面白かったです。

タイトルは「細田守流 絵コンテの描き方・楽しみ方」。これを読む限り、細田守さんもアニメの仕事に就く前から絵コンテマニアだったようですね(笑)。

細田守さんが「最初に読んだ絵コンテは~だった」とか「いざ自分が演出で絵コンテを描くときに参考にしたのは、憧れていたあの人達の絵コンテではなく…」みたいな話がボロボロと。

私はアニメとは全く関係ない仕事をしているけど、なんとなくそういう感覚は共感できる気がしました。

それにしても、インタビューでふれてましたが東映動画の資料室では東映動画(=東映アニメーション)の過去作品の絵コンテが閲覧できるんですね。社内の人だけなのかな? うらやましい…。

などと、いろんな意味で面白いインタビューでした。細田守さんの目指している絵コンテがどういうものか、よくわかりますよ。

ファンの人は要チェック!! そして、絵コンテ読んでもやっぱり泣けますね「サマーウォーズ」は。

できあがったアニメにしか興味がない人にはつまらない本でしょうが、絵コンテに興味ある人には面白い本ですよ。

タイトル:サマーウォーズ 絵コンテ 細田守 (ANIMESTYLE ARCHIVE)
出版社・発売時期:スタイル(2009-08)
ページ数:511
総合評価:5

内容紹介

  • サマーウォーズ絵コンテAパート~Dパート、エンディング
  • 細田守監督インタビュー「細田守流 絵コンテの描き方・楽しみ方」

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