「おおかみこどもの雨と雪」絵コンテ読みました。
アニメスタイル001の細田守監督インタビューでは「一般のお客さんが映画を回想する時、絵コンテでは値段がはるので今回はノベライズを出した」的な事を細田守監督が言ってました。
でも物語が波乱万丈の起伏に富んだストーリーではないので、小説だとあっさりしすぎるんじゃないかな? ノベライズはまだ読んでないので、実際のところはわかりませんが。
とはいえ映画では描かれなかった細かい点も明らかにされているようなので、ノベライズは映画を見た後に読むのがいいのかも。
お話自体が絵があることが前提のアニメーション用ストーリーですからね。まあ単独のフィルムブックは発売されない気がしますけど。オフィシャルブックで見るしかないかと。
話は戻して「おおかみこどもの雨と雪」の絵コンテ。巻末の7ページの細田守監督インタビューにあるように、今までより絵が丁寧になってますね。
その理由については、巻末インタビューを読んでもらえばわかります。集中力については、自宅を仕事場にしている人の共通の悩みですね(笑)。外の方がはかどるというのはまったくもってその通り。
細田守監督は同ポジションをよく使います。映画の専門用語らしいですが、平たく言うと「同じ構図や同じ背景を使いまわすこと」。
省エネというか作業工数を減らす目的もあるのでしょうが、「おおかみこどもの雨と雪」では13年という時間の経過を示すのに効果的に使ってますね。
時間が経過と共に変わるもの、変わらないもの。
ごはんを要求する小さな雪、その後の外出をねだる雪。さらに数年後、保育園に行きたいと騒ぐ雪。少しは成長したものの、母親である花の目線は変わらないし、雪の態度は進歩がない(笑)。
引っ越した古民家で広間の床板の修復、数日の同じ構図で雨漏り。そしてきれいに修繕した広間。さらに数年後、同じ構図で雪と雨が大ゲンカで乱闘。
それは家族の風景の変化であり、性格の違いこそあれ仲は悪くなかったはずの姉弟2人の成長と、関係性の変化。
「おおかみこどもの雨と雪 ARTBOOK」ではいくつか解説されているので、カメラワークにほどほどに興味がある人はそれを参考にするといいと思います。
解説されているものだけでは飽き足らず、自分でいろいろ探っていきたいという意欲的な人には絵コンテが便利だと思います。
映像だとよほどカメラに興味がある人以外はいろいろ見過ごしがち。短時間に畳みかけるように同じ構図が繰り返されるとは限りません。
いろんなシーンの複数のカットを見比べるには、本形式の絵コンテの方が把握しやすいと思うので。
そういうことに興味がある人には面白いと思いますよ。
- タイトル:おおかみこどもの雨と雪 絵コンテ 細田守 (ANIMESTYLE ARCHIVE)
- 出版社・発売時期:メディア・パル(2012-7-21)
- ページ数:496ページ
- 私の個人的評価:
内容紹介
- 映画「おおかみこどもの雨と雪」絵コンテ全パート
- 細田守インタビュー「私の絵コンテ作法」
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