デジモンムービーブック感想

デジモンムービーブックは細田守監督の劇場版「デジモンアドベンチャー（第1作）」「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム！」のムックです。

デジモンのムックは子供向けのものが多い中、この本は大人向けの内容ですね。

フィルムストーリー「デジモンアドベンチャー（映画第1作）」「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム！」は本編画像とセリフ、そして解説で構成されています。

「公式大図鑑」シリーズのフィルムストーリーみたいにカットを漫画のコマ割りみたいに並べて、絵にふきだしセリフがかかっているわけではありません。

本編画像とセリフ、解説が書かれている枠は別々。画像とセリフが重なっていない分、絵が見やすくていいですよ。そして場面ごとの解説もなかなか細かくて興味深い内容。

線画設定資料集はキャラクターとデジモン中心。10ページあるので結構ボリュームありますよ。作画スタッフコメント付。

そして未公開ラフ。キャラクター・デザインの初期稿から完成稿までを絵で紹介しています。企画書に描かれた最初期のイメージイラストが…なんだろう、ちょっと外国のマンガ風味ですね。

カラーページで美術・レイアウト・CGについても少し紹介されています。作られた頃は、東映アニメーションのCG（デジタル）導入黎明期。技術的には今ほどではありませんが、3Dと2Dの画像が浮かないようにいろいろ工夫がされていることがわかります。

細田守監督ロングインタビューは11ページ。デジモン劇場版とテレビ版デジモンアドベンチャー21話「コロモン東京大激突！」の話が中心。

他には「ひみつのアッコちゃん（第3シリーズ）」第14話や「ゲゲゲの鬼太郎（第4シリーズ）」第113話などについても語られているので細田ファン必見。

スタッフコメントはキャラクターデザイン・作画の中鶴勝祥さん、山下高明さん、中山久司さん。美術の徳重賢さん、田村せいきさん、脚本の吉田玲子さん、音楽の有澤孝紀さん。

コメントというほど短くない、ちょうどいい分量のスタッフコメントです。

個人的に面白かったのはキャラクターデザインの中鶴さん。それまでのお仕事とデジモンのキャラクターデザインについての話です。

「ご本人がいうほどあの作品の絵には似てないけど？」と思って未公開ラフを見たら…確かに激似。特に目が。

太一役の藤田淑子さんとアグモン役の坂本千夏さんの声優対談も3ページ。その他の声優さんはコメントを寄せています。

映画解説とヴィジュアル資料とインタビューなどの読み物のバランスがいい1冊です。

絵コンテ本の「デジモンアドベンチャー絵コンテ・細田守」には、細田監督のインタビューはあっても解説的なページはないので「解説して欲しい！」人にはこの本の方が楽しいと思いますよ。

タイトル：デジモンムービーブック (Vジャンプブックス―アニメシリーズ): 出版社・発売時期：集英社（2001-01）; ページ数：127; 総合評価：

内容紹介

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