ターンエーガンダム (Vol.1) ニュータイプ100%コレクション (38) 感想

表紙カバーは描き下ろしイラスト。後から∀（ターンエー）ガンダム・アートワークスにも収録されてたので、この本でしか見られないというわけではありません。

その他の版権イラストはおそらく「月刊ニュータイプ」に掲載された版権イラストをvol.1とvol.2の2冊に分けて載せているみたいです。アートワークスに載っていないイラストもあります。

初出が書かれていないので、絶対とまでは言えませんけど。

難点はイラストの上に文章が載っている絵があるということ。

これでは雑誌に載っていた時と同じで、イラストそのものを楽しむことができないと思うのですが…。

名場面カット、キャラクターの名セリフなど。

ロラン、ソシエ、ディアナ、キエルはそれぞれ紙面を多めに割いて、各話での行動などもまとめてあります。

その他のキャラクターに関してはカラーの設定画があったりなかったり、かなり扱いに差が…。

カラーのメカ（MS）設定画集。前半登場メカの全身前・後のカラー設定画など。

ものすごく詳しく載っているわけではありませんが、カラーリングの参考資料にはなるでしょう。

「∀（ターンエー）ガンダム」1話～27話までの各話の流れを追いつつ、

• ストーリー解説
• 声優コメント（ない場合も）
• スタッフの視点の舞台裏話
• 各話に登場したキャラクターやメカ設定画（線画）

を紹介してます。各話で1ページか2ページ（16話は特番なので省略）。

ストーリー解説は物語のあらすじではなく、まったくの解説です。

おそらくストーリーを知らない人が読んでもちんぷんかんぷんだと思います。

声優コメントは各話に1人ある場合もあれば、ない場合も。

「スタッフの視点から」と題した舞台裏話は面白かったです。どのポジションの人の話なのか不明ですが。

「7話はハリーも女装してそのまま戦うはずだったが変更」「ケーキのデザインはゼクシィを参考にした」とか面白話が満載。

「4話のアジ大佐の死は当初の予定の内容のままやると富野由悠季監督がイデオン方向に走りそうだったから、みんなで止めて放送した形のように変更」とか。

かなり面白かったので、興味ある人は是非。

設定画はキャラクターやメカや小物の線画設定集。

とにかく数をたくさん載せるよりも、魅力的な絵だけ抜粋して大きく載せるというまとめ方。

量的にたくさんの絵が見たい人は∀（ターンエー）ガンダム・アートワークスの方がいいと思います。

ターンエーガンダム前半に登場した各地の美術設定線画と簡単な解説がついてます。

あまり深い世界観紹介ではないですが、人々の生活やどういう街かなどの簡単な説明ですね。

ターンエーガンダム他数体のモビルスーツデザインを担当したシド・ミードさんと、初代ガンダムを始め多数のモビルスーツのデザインを担当してターンエーガンダムにも参加した大河原邦男さんの対談。

シド・ミードさんのデザイン画なども少し載ってます。

ウォドムは前田真宏さんがデザインしたマヒローにインスパイアされてシド・ミードさんがデザインしたのだとか。

前田真宏さんがそのマヒローをデザインした時のデザインコンセプトは「ザク」。

というわけでザク＝マヒロー＝ウォドムみたいなデザイン繋がりの話などは興味深かったです。

主にメカのデザインを担当した人たちのインタビュー集。

• シド・ミード代理人 市川実英子さん
• 石垣純哉さん
• 高倉武史さん
• 沙倉拓実さん
• 前田真宏さん
• 宮尾佳和さん

石垣純哉さんの問いに対してシド・ミードさんが答えた「20％のロマンティックだ」は深いですね。

実にいいです。10％でもなく30％でもなく、20％。さすがは実力ある興行デザイナー。