「∀(ターンエー)ガンダム・アートワークス」はターンエー・ガンダムの資料本です。∀ガンダムは今までにも何冊か設定資料本がでましたが、この本は背景美術(アートボード)が充実しているのが見どころらしいです。

最近よくある背景美術だけをまとめた本かな?と思ったら、版権イラストやキャラクターやメカ、乗り物の設定画、富野由悠季総監督ほかスタッフインタビューなども載ってました。A4横長の本で、カラーと白黒ページは1:2くらいです。

背景美術(アートボード)

カラーページは背景美術が大部分を占めています。各話ごとに何枚か掲載。同じページに簡単なストーリー紹介と本編画像も少しあります。やはり背景美術がメインということで大きめに載っていますよ。

版権イラスト集

アニメージュ、ニュータイプ、AXなどに掲載されたイラストや「ニュータイプ100%コレクション(上)(下)」の表紙絵、DVDの告知ポスターなど。1ページに1、2枚の掲載なので、そこそこ見やすい大きさです。

キャラクター・メカ設定画(カラー)

カラーのキャラクター設定はほぼバストアップのみ。メカは全身前のみで、あまり大きくありません。

カラーのキャラクター&MSの設定画は全部合わせて3ページ。キャラやメカのカラー資料は期待しないように。

キャラクター・メカ・美術線画設定資料集

線画資料は多いです。キャラクターの線画設定資料は「機動戦士ガンダムキャラクター大全集」に載っていない絵もありますが、逆に「キャラクター大全集」あってこの本にない設定画もあり。設定画が人物数も量もわりと載っている印象ですが、この本に全て詰めこみましたというわけではないようです。

とはいえ序盤から終盤まで、メインキャラクターの基本設定・各話設定、サブキャラクターの設定画も載っているのでかなり使えるとは思いますよ。

MS(モビルスーツ)の設定画はこのくらい載ってます。

  • ∀(ターンエー)ガンダム
  • カプル
  • フラット
  • ボルジャーノン(ギャバン専用機も)
  • キャノン・イルフート
  • スモー
  • ウォドム
  • ウァッド
  • ゴッゾー
  • ゴドウィン
  • ムットゥー
  • モビル・リブ
  • イーゲル
  • ターンX
  • バンデット
  • マヒロー
  • ズサン

ほぼ線画で全身・各部・武器・コクピットの絵なども。黒歴史の機械人形たちなどの設定画もあり。

講談社の「『∀ガンダム』全記録集」に小さく載っていたボルジャーノンやスモ―のポーズ集も、一部抜粋ですが大きい絵で少しだけ載ってますよ。

18体のMSを横一列に並べたMS対比表あり。ウォドムの巨大さとウァッドの小ささが際立ってます。

MS以外にも戦闘飛行機、飛行船、車、船、宇宙船の設定画はかなりの量があり充実しています。銃などの武器小物設定あり。背景美術線画もあり。線画の設定画に関してはしっかりまとまってる印象ですね。

ニュータイプ100%コレクションの「ターンエーガンダム Vol.1、vol.2」とざっと比べた印象でも、MS、MS以外の乗り物の線画に関してはこの「∀ガンダム・アートワークス」の方が絵が多くて満足できる内容だと思います。

キャラクターの設定画(線画)に関しても、基本設定、各話設定ともに充実しているのは「∀ガンダム・アートワークス」。

この本に載っていない設定画がニュータイプ100%コレクションに載っている場合もありますが、抜けが多いのはニュータイプ100%コレクションの方。

トータルでみれば、設定線画が多いのはキャラクター、MS、その他乗り物、小物、美術、どれをとっても「∀ガンダム・アートワークス」の方ですね。

絵の大きさはニュータイプ100%コレクションの方が大きいものもありますが、この本も基本的な設定画に関しては見やすい大きさで載っているので問題ないと思います。

スタッフインタビュー

富野由悠季総監督のインタビューは4ページ。「ここ半年で考えたこと」など最近(発売時期は下のリスト参照)ふり返って考えたことについてふれていたりするので、放送当時発売された本とは多少違うかも。

「ガンダムでオスカー取れない限り、僕は死ねないと思うくらい悔しい」とか言葉だけ抜き出すとスゴイことを言ってますが、前後の文脈からするとすごく真っ当な意見だと思います。

抜き書きだと前後の文章とのつながりがわからなくて誤解されると思うので、興味ある人はぜひこの本を読んでみてください。

その他のスタッフインタビュー(池田繁美美術監督、安田朗さん(キャラクター原案)、重田敦司さん(メカニカルデザイン)、沙倉拓実さん(メカニカルデザイン))は各1ページずつです。巻末にはかなり詳しい全話スタッフリストもついています。

カバーイラストは安田朗さん。表はガンダムで、裏はディアナ(いやキエルかも?)。

ハードカバーで内容もしっかりした本なのですが、その分他のアニメの資料本と比べてやや割高かも。

線画の設定画に関しては充実しているので、設定画が必要で1冊だけ買うならこの「∀ガンダム・アートワークス」がおススメ。

カラーの設定画の方が必要で、線画は基本的な設定画さえあればいいなら「ニュータイプ100%コレクション」の方がいいんじゃないでしょうか。

タイトル:∀ガンダム・アートワークス
出版社・発売時期:MdN(2007-09-14)
ページ数:208
総合評価:4

内容紹介

  • 「∀(ターンエー)ガンダム」の設定資料本
  • 版権イラスト集少々
  • 背景美術(アートボード)集
  • キャラクター・メカ・小物・美術設定線画
  • カラーのキャラクター・メカ設定わずか
  • スタッフインタビュー(富野由悠季・総監督、池田繁美・美術監督、安田朗・キャラクター原案、重田敦司・沙倉拓実・メカニカルデザイン)
  • スタッフリスト

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