魔法少女まどか☆マギカ公式ガイドブック you are not alone. 感想

アニメ雑誌等に掲載された「魔法少女まどか☆マギカ」の版権イラストやキービジュアルなどが載ってます。

全部かどうかは知りませんが、ニュータイプ、アニメディア、アニメージュの三大アニメ雑誌だけでなく、娘TYPE、メガミマガジン、電撃G'sマガジン、SWITCHなどに掲載されたイラストもあります。

掲載誌によってイラストの傾向が違うのが見所かも（笑）。

CD、DVD、キャラクターグッズ等のイラストはありませんが、Blu-ray・DVD購入特典用の各ショップ（とらのあな、アニメイト、ゲーマーズ、ソフマップ、HMV）限定イラストと、アニメ「STEINS;GATE（シュタインズゲート）」とのコラボイラストが載ってます。

各ショップ特典のイラストは、HMV以外はまどか&ほむらのイラストなんですね。手つなぎとか、本編に登場しない水着だとか、ショップ毎に工夫をこらして（?）ますが、この中だと「とらのあな」の全巻購入特典「描き下ろし特大タペストリー」のシチュエーションが一番あざといと思います（笑）。

注意点としては、杏子の入ったイラストが少ないこと。キービジュアル1枚を含めても、杏子がいるイラストが3枚しかありません。

「魔法少女まどか☆マギカ」の放送は1クール（12話）で約3ヶ月。アニメ雑誌はアニメ放送期間中に記事を載せるもの。4話ラストから登場で、主人公達と対立していたキャラ・杏子は版権イラストでも絡ませにくいという事情もあったのでしょう。

この公式ガイドブック発売後に描かれたイラストは載っていませんし、「魔法少女まどか☆マギカ」は人気があるから。また別の機会にイラスト集が発売されるかもしれません。

しかしこうしてまとまった量の「魔法少女まどか☆マギカ」版権イラストを見ると、まどか&ほむらのイラストが多いですね。ストーリー的に「まどか&ほむらの友情推し」になるのは必然かもしれませんが。

「魔法少女まどか☆マギカ」テレビ放送各話毎のストーリー紹介。

各話の名場面画像、予告イラスト、次回予告セリフ、見どころ、解説などもあります。

解説に関しては、2話のビルの壁に書かれていた文字は、ドイツ語で「ファウスト」の一文からとか、9話の杏子が髪から取り出した十字架の事とか、10話でまどかがほむらのソウルジェムを浄化するために使ったグリーフシードにまつわる話とか、アニメの物語上は説明されなかったちょっとした解説が多いです。

「知らなくても物語を理解するのに困らないけれど、知っていた方がより楽しめる設定」そんなかんじのトリビア的な解説です。

そしてストーリー紹介ページの解説とは別にスタッフ・インタビューページにも、スタッフのエピソードコメンタリーとして各話の解説が載ってます。

両方あわせて読むと、けっこう情報量があるのでいいかんじです。

それから別ページに、OP・ED紹介もついてます。OP・ED画像集とOP絵コンテ・演出担当の板村智幸さん、EDアニメ担当の鈴木博文さんのインタビューつき。BD・DVD版1・2話用のエンディングイラスト（絵：蒼樹うめさん）もありますよ。

各話ストーリー紹介の合間合間にキャラクター紹介があります。キャラクターのプロフィール紹介とキャラクター設定画。設定画はカラーのみ。線画設定資料はなし。

キャラクター原案の蒼樹うめさんの原案絵と、それを元に作られたアニメ用のキャラクター設定資料（絵：岸田隆宏さん）がカラーで載ってます。メインキャラは蒼樹うめさん、岸田隆宏さんのコメントつき。

まどか、さやか、マミ、ほむら、杏子のメイン5人は基本設定画が、魔法少女服、制服（杏子は私服）など全身前後と顔アップ、服装のディテールなど。小物・武器は少なめ。

メインキャラクターに関しては、設定画の量が少なく感じました。表情集とかもうちょっと絵があるのではないでしょうか?

小物設定ももうちょっと大きい絵と量で見たかったなと。

設定画好きとしては、ちょっと少ないと感じる絵の量だったのでそこはマイナスポイントですね。

サブキャラクターの設定資料は、きゅうべえ、まどかの家族、仁美、恭介、和子先生など。3ページにまとめて載ってます。

各話キャラ設定は各話ストーリー紹介のページにカラーで紹介。パジャマ姿のまどか、まどかの家族、クラスメイト達、恭介の病院スタッフ、三つ編みメガネっ子のほむら、その他いろいろ。

蒼樹うめさんのキャラクター原案絵があります（モノクロ3ページ）。メインキャラクター中心で第1稿～第3稿まであるので、キャラクターデザインの変遷がわかりますよ。

第3稿の制服（?）を着ている杏子がかわいい!! アニメの本編の設定画とはちょっと違う表情が魅力的。

岸田さんのキャラクターデザインコメントでもあったように、3稿のマミさんと仁美の印象は確かに似てますね。

アニメ本編では2人についてそういう印象はなかったので、やはりマミさんの記号的なものを強調したというのは効果があったように感じました。

魔女・使い魔設定集は、「魔法少女まどか☆マギカ」の公式サイトに掲載されている「魔女図鑑」と同じです。劇団イヌカレーの魔女絵とその説明。

お菓子の魔女についてはアニメーター用の設定資料も載ってますが、他の魔女は特に目新しい点なし。でも各魔女の絵について劇団イヌカレーの簡単なコメントがついてます。

絵は大きくて見やすいです。

異空間ボード集は、魔女の結界の美術ボード集。1話～3話まで。2ページ載ってます。

劇団イヌカレーの設定メモや初期メモ集。魔女の線画設定みたいなものもあり。モノクロで11ページ。

かなりラフな絵もありますが、「魔法少女まどか☆マギカ」の魔女関係の美術や、魔女設定に興味がある人には楽しいかもしれません。

ただ書かれているメモの文字が読みにくいのが難点かも。

いわゆる「イヌカレー空間」じゃなくて、ほむらのアパートとか杏子の教会とかさやかが魔女化した駅のホームとか、普通の背景美術の設定画です。どれも線画でモノクロ。

背景美術でカラーで載っているのは、さきほどの異空間ボード集だけです。

メインキャラクターのアクション参考として描かれたアイディア集。

マミさんのマスケット銃をかまえるポーズ集とか、杏子やさやかの戦闘アクションのポーズ集とか。

さやかの剣の使い方（ギミック?）とか、いろいろ考えられてたんですね。

声優インタビューは、まどか、ほむら、さやか、杏子、マミ、キュゥべえのメイン5人。うち4人は対談形式。その他のサブキャラ担当者はキャストコメントという形で。

ということで、以下のようになってます。

• 碧×斎藤千和：4ページ
• 喜多村英梨×野中藍：4ページ
• 水橋かおり：2ページ
• 加藤英美里：2ページ
• 後藤邑子、岩永哲哉、吉田聖子、新谷良子、岩男潤子：キャストコメント全員まとめて1ページ

メインキャラの声優インタビューに関しては、声優さんの写真が写真集的にドンドーンと大きく載ってますが、インタビューの文字が小さいのでわりと読むところがありますよ。

スタッフインタビューも充実してます。

インタビューのメンバーは以下の通り（以下敬称略）。

• 新房昭之監督×虚淵玄×蒼樹うめ×久保田光俊（シャフト代表取締役）×岩上敦宏PD
• 新房昭之監督
• 虚淵玄：脚本
• 久保田光俊（シャフト代表取締役）
• 岩上敦宏PD
• 蒼樹うめ
• 宮本幸裕SD
• 岸田隆宏：キャラクターデザイン
• 劇団イヌカレー：異空間設計
• 谷口淳一郎：総作画監督
• 高橋美香：総作画監督
• アクションディレクター阿部望&神谷智大
• 鶴田陽太：音響監督
• 梶浦由記（音楽）
• ClariS（OP主題歌）
• Kalafina（ED主題歌）

量の多い少ないはありますが、まとまった量のインタビュー集になってます。

上記以外に、演出、色彩設計、レイアウトなどの、各担当者のコメント集もあります。

各話のスタッフ・キャストの一覧も原画、第二原画、動画、仕上げ等まで。小さい字で詰め込まれていて「エンディング・スタッフ丸写し!?」かと思う量で掲載。アニメスタッフに興味がある人にはいいかと。

製作段階資料集として、企画メモ1枚、設定会議議事録1枚、全13話のストーリー構成案2枚などが載ってます。どれもちゃんと文字が読める大きさ。

スタッフインタビューの中で「最初の会議で意見を出し合って企画メモ作り、それを元に虚淵さんが構成案を出して…」という話が出ているので、インタビューと合わせて読むとわかりやすいですよ。

「魔法少女が魔女になる」以外にも、友情ベースで作られてたんですね。まあ当然かな…。