「天元突破グレンラガンIMAGE BOARD」はテレビアニメ「天元突破グレンラガン」のイメージボードを集めた本です。16話「総集片」のエンディングでその一部が使われていたから、どんな絵柄かについてはグレンラガンを見ていた人ならだいたいみんな知ってますよね。
イメージボード自体はアニメ制作の過程で、スタッフ同士どういうものを作るかイメージを共有するために作られるもの。今石洋之監督の意図を酌んでイメージボード担当者の菊池大輔さんが描いてます。
他のアニメならともかく、グレンラガンの場合はアニメ本編で語りつくせなかった興味深い物語が隠されている…ということはなさそうなので、アニメ本編を見れば十分と言えば十分だとは思います。
イメージボードを見たいファン心理としては、イメージボードはたいていメイン作画スタッフが描いていることが多いので「あの人自身の絵でみたい!! 」とか、「テレビ本編では尺や予算やストーリー展開の都合などの理由で削られたシーンがあるなら見てみたい」という心境ですね。
グレンラガンの場合、イメージボードはほとんど菊池大輔さんが描いてます。だからこの「天元突破グレンラガンIMAGE BOARD」に収録されている絵はほとんど菊池大輔さんの絵。今石洋之監督、吉成曜さんのラフとか5話に関する佐伯昭志さんの絵などもごくごくわずかに載ってますが、「載ってる」といったら言い過ぎなくらい少ないので期待しないように。
私も正直、「菊池大輔さんって誰? 」ってくらい知らない人なので、絵だけの魅力で言うと…。もちろん下手ではないですよ。この本のインタビューの中にも、美術系の大学出身だということも書かれているし。でもグレンラガンのイラスト集などで絵を描いている作画監督レベルと比べると…という意味です。
イメージボードを書くのに必要なのはイラストのように人の心をつかむキャッチーな画力というより、説明のための画面構成力だと思うので、イメージボードとしてはこれで十分だと思います。
イメージボードに対して解説がついている絵もありますが、ついてない絵も多いです。詳細な解説もあまり期待しない方がいいかもしれません。
本編に使われているイメージボードに関しては、これまでにいろんな本で本編に関してほぼ語りつくされてる気がするのであまり解説は必要ないかもしれませんけどね。
初期イメージボードが5ページ、未使用イメージボードも3ページ載ってますよ。
イメージボードは1部、3部が多めで、2部、4部が少なめ。
4部はほとんど多元宇宙が中心で、最終話の結婚式のシーンも。
個人的には多元宇宙のヴィラル編の3枚がステキー(笑)。ヴィラル横顔、嫁と息子、息子をかかえて空を見上げるヴィラル&そばに嫁の3枚ですね。
テレビで見たとき、ヴィラルの子供はてっきり娘だと思ってましたがイメージボード時点では息子だったんですねー。確認のためもう一度アニメを見なおしてみたら、どっちにでも見える感じでしたね。
そしてこの本ではずせないのは巻末の今石洋之監督×菊池大輔対談インタビュー(表紙のぞいて8ページ)ですね。
イメージボードを作成した理由、コンセプト、制作過程に関する事など、監督の口からいろんな制作裏話が語られていますよ。
というわけで、本編だけ見れば満足できる一般的なアニメファンにはあまりおススメしないけど、「グレンラガンのことなら何でも知りたい!!」というコアなファンなら楽しめると思いますよ。
- タイトル:天元突破グレンラガンIMAGE BOARD (ANIMESTYLE ARCHIVE)
- 出版社・発売時期:飛鳥新社(2009-07)
- ページ数:135
- 総合評価:
内容紹介
- テレビアニメ「天元突破グレンラガン」のイメージボード集
- イメージボード(テレビアニメ第1部~4部)
- 初期イメージボード5ページ
- 未使用イメージボード3ページ
- 各話タイトルカット集
- 今石洋之監督×菊池大輔(イメージボード担当)対談8ページ
- …etc.
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