今、ニコニコ笑顔でこの小林七郎画集を見てます。「ガンバの冒険」「宝島」「少女革命ウテナ」…キャラクターのいない背景美術だけでも懐かしい! 自然に顔がニコニコしてしまいます。
巻末の「小林七郎フィルモグラフィー」を見ると、子供の頃見たアニメがたくさん。東京ムービー好きの子供時代だったから懐かしさで一杯。
必ず目にするものなのに、比較的話題に上りにくい美術。キャラクターの作画を云々することは多くても、美術にうるさい人って少ないですよね。どういう美術が「いい美術」なのか作品ごとに違うから、語りにくいというのもあるんでしょうけれど。
でも「ガンバの冒険」は、「少女革命ウテナ」は、やっぱりこの美術じゃないと! と感じます。他の可能性なんて、考えられないというイメージ。作品にぴったりあっているのだと思います。
この画集、小林七郎さんが担当したいろんなアニメの美術が載っているのですが、1つ1つのアニメ作品毎の絵は少ないです。特定のアニメの美術をたくさん見たい人向きではありません。
子供時代、東京ムービー作品を見て育った人向きだと思います。広く浅くというかんじで絵が載っているので、幅広くアニメを見てきた人じゃないとちょっと物足りない気がするんじゃないでしょうか。
いろんなアニメの美術が見られるのはうれしけれど、お気に入りのアニメの美術は「もうちょっと見たいのに…」と感じる量しかないのが少々残念でした。
「画集」として絵の量に重点をおくと点数は辛くなりますが、読み物はなかなか読み応えがありました。
「ガンバの冒険」の出崎統監督、「うる星やつら ビューティフルドリーマー」の押井守監督(現在ではアニメ映画「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 」「機動警察パトレイバー the Movie」の方が有名?)など、小林さんと仕事をした人たちが語るインタビューはなかなか読み応えがありましたよ。
監督さんたちの語る「美術」、そして「小林七郎氏」。いろんな裏話が披露されていますよ。
小林さんのインタビューもいいです。アニメ美術の仕事を長年続けてこられた人の話は重みがありますね。
- タイトル:空気を描く美術―小林七郎画集 (ジブリTHE ARTシリーズ)
- 出版社・発売時期:徳間書店スタジオジブリ事業本部(2002-03)
- ページ数:105
- 総合評価:
内容紹介
- アニメ美術の小林七郎さんの画集
- カラー美術集(ガンバの冒険、家なき子、宝島、あしたのジョー2、はじめ人間ギャートルズ、天才バカボン、 うる星やつらビューティフルドリーマー、天使のたまご、 少女革命ウテナ アンドゥレセンス黙示録、剣風伝奇ベルセルク、フィギュア17 つばさ&ヒカル …etc.)
- 美術設定集モノクロラフ(少女革命ウテナ アンドゥレセンス黙示録、ポケットモンスター ピチューとピカチュウ)
- インタビュー(出崎統、押井守、望月智充)
- コメント(男鹿和雄)
- 小林七郎インタビュー
- …etc.
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