このサイトでは基本的に「アニメの資料本」についての感想が主なのですが、「トリニティ・ブラッド」の場合、アニメは謎を残して終了。原作の方も作者急逝ということで未完。
「結局あれはどういうことだったのか」といろいろ気になって仕方がない人も多いと思うのですよ。というわけで、「トリニティ・ブラッド canon 神学大全」の感想でも。
THORES柴本さんの描くカラー口絵と外伝小説等の挿絵以外には、絵はありません。このサイトでよく紹介している絵の資料本ではないので要注意。
この本には、小説は外伝2本と「Reborn on the Mars VII 極光の牙」の序章、用語集が掲載されていますが、一番重要なのは作者の吉田直さんが残したプロットと設定の資料約80ページ分。
アベル、カイン、セスのナイトロード三兄妹とリリスの登場する「過去編」のプロット、過去編から「R.A.M.」「R.O.M.」までの年表、R.O.M.編のその後予定されていたストーリーが簡単にまとめられています。
特にアベル達四人のキャラクターデータ設定がきっちり説明されてます。「過去この4人に何があったのか」「クルースニクって何」「短生種と長生種」という伏線として少しづつ語られていたけれど、はっきりしたことはわからなかった基本的な設定も明らかにされています。
「トリニティ・ブラッド」でいろんなことが気になって落ち着かなかった人は、是非この本を読んで落ち着くべし。
書かれる予定だった結末を読むことができないのは残念ですが、設定的な面で個人的に気になっていたことはほぼ説明されているので納得。この本を読んでようやく「トリニティ・ブラッド」が終わったような気がしました。
用語集の「大聖典」は既に書かれた小説を元にした用語集で、予定されたプロットに関することには触れていません。
「R.A.M.」「R.O.M.」をしっかり読み込んだ人には目新しい内容ではありませんが、どの話で出てきた人名・用語かわかるようになっているし、50音順なので忘れた用語の内容を思い出すには便利ですよ。
- タイトル:トリニティ・ブラッド Canon 神学大全 (角川スニーカー文庫)
- 出版社・発売時期:角川書店(2005-04-28)
- ページ数:446
- 総合評価:
内容紹介
- ライトノベル「トリニティ・ブラッド」の公式資料本
- 第一部:聖典(外伝「ガンメタルハウンド」「ヒューマン・ファクター」。「Reborn on the Mars VII 極光の牙」の序章)
- 第二部:神学(構想メモ、設定資料)
- 第三部:大聖典(用語集)
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