「風の谷のナウシカ」でコミック関連のイラスト、映画用のイメージボード、アニメージュのプレゼント色紙の絵などなど、宮崎駿さんの絵だけ集めましたという画集です。
なにせ宮崎駿さんは「風の谷のナウシカ」では原作コミックの作者で、映画の監督でもあります。初期イメージなどを含めると、イラストはたくさんあるのです。
「風の谷のナウシカ 宮崎駿水彩画集」は宮崎駿さんの描いたイラストだけでまとめられた本です。「ジ・アート・オブ・ナウシカ」にも宮崎駿さんのイメージボードや初期イメージはありますが、水彩画集と比べるとやや少ないです。
そして「ジ・アート」には原作コミック版のイラストが少ないというのが大きな違いですね。 映画用イメージボードは「ジ・アート」と重複するものが多いです。
この水彩画集の絵は大きく分けて「原作用カラーイラスト」「映画用イメージボード」「ナウシカの完成前の初期イメージ集」の3つです。
原作イラストは宮崎駿さんのコメント付。初出とキャラクターグッズに使われたイラストなどのデータもついてます。 コミックの表紙やアニメージュに掲載されたイラスト、グッズに使われたイラストは見たことがあるものが多かったですが、カレンダー用のイラストは見たことがない絵がありよかったです。
ワイド版コミックの表紙裏に使われた絵やためし描きの絵など、一部モノクロの絵もあります。 徳間書店発行だけあって、アニメージュでのプレゼント色紙用イラストやコミック連載休止のおわびイラストなど、コネタまで見ることができるのがいいですよ。
映画用のイメージボードやタペストリーの絵は「ジ・アート」にもありますが、「ジ・アート」にない絵もあるし、「水彩画集」の方が微妙に発色がいいような気がします。 一部の絵にはコメント付きというところもうれしいです。
初期イメージ集はまだ和風戦国時代劇モノだった頃から、風使いの娘になり、マンガ連載が始まる前に描かれたものまでまとめてあります。
これも「ジ・アート」に少し載っていますが、この「水彩画集」の方が変遷の順序がわかりやすく、絵も多いです。モチーフの中のいくつかは、後にラピュタやもののけ姫に流用されたように見える絵もありますよ。
そしてイメージの変遷については映画誕生までの宮崎駿さんの談話にまとめられています。これも面白い読み物です。
ナウシカ連載歴も掲載。12年かけて全59回だったんですね。そういえばしょっちゅう休止していた記憶が(失礼)。
とにかくどこを開いても宮崎駿監督のイラスト。宮崎駿さんの絵だけ楽しみたいという人向けのいい本です。
アニメスタッフの美術やフィルムストーリーなどはないので、そういうものが見たい人は「ジ・アート」か「ロマンアルバム」で。
- タイトル:風の谷のナウシカ 宮崎駿水彩画集
- 出版社・発売時期:徳間書店 (1996/09)
- 総合評価:
内容紹介
- 宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」画集
- 原作コミック用イラスト集
- 映画用イメージボード集
- 映画誕生までの談話(宮崎駿)
- 初期イメージ集
- セル画コレクション、おわびイラスト集
- …etc.
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