もののけ姫(ロマンアルバム)感想
フィルムストーリー、美術、キャラクター設定などのビジュアル資料とともに、解説やインタビューなど読み物につよいのがロマンアルバム。
「もののけ姫(ロマンアルバム)」も「The art ~」本のようにビジュアル資料に特化せず、絵から読み物まで一通りの知識が得られて、コストパフォーマンスが高いのも大きな魅力です。
他のスタジオジブリ映画のロマンアルバムと比べるとちょっとページ数が少なめですが、A4サイズの大きな本にぎっしり情報が詰まってるかんじでいいですよ。
フィルムストーリー(カラー)
「もののけ姫」の本編画像はふんだんに使っているし、ストーリーは最初から最後まで全部わかります。もちろんカラーページ。
ところどころに宮崎駿監督のストーリーボードが使われています。
キャラクター紹介(カラー)
「もののけ姫」で宮崎駿監督が描いたキャラクターイメージボードと本編のキャラクターカットとその説明が11ページ。
キャラクターイメージボードの中には「ジ・アート」に載っていない絵も少しあります。
とはいえ宮崎駿監督のイメージボードの絵が多いのは「The art」の方なので、宮崎旬監督の絵をたくさん見たい人は「The art of princess mononoke」の方がいいかもしれません。
美術ボード・背景集(カラー)
美術ボード(男鹿和雄さん、山本二三さん、田中直哉さん、黒田聡さん、武重洋二さん)、背景など12ページ。
各美術担当者のインタビューと簡単な解説もついてます。
担当者ごとにページが分かれているので、どの場面の絵を誰が担当したかわかりやすいです。絵にはカット番号(Cut801とか)もついているので、どこで使われた絵か絵コンテ集と見比べてみるといいかも。
キャラクター設定資料集(モノクロ線画)
「もののけ姫」作画監督の安藤雅司の描いたキャラクター設定画集(モノクロ線画)7ページ。安藤雅司さんのインタビューに載ってます。インタビュー1ページ+設定画7ページ。
- アシタカ
- カヤ、少女A・B、じいじ、ヒイ様、ヤックル
- サン
- エボシ、ゴンザ
- ジコ坊、甲六
- モロの君、犬神
- 猪、コダマ、猩々
絵は大きめで見やすいですが、設定画マニアとしては量的にやや物足りない気もします。
絵の資料にする分にはまあまあこれでいけると思いますが。
用語集 draft: false
「もののけ姫」に出てくる言葉を絵をたくさん使ってわかりやすく説明しています。
エミシの習俗とか石火矢、震天雷、タタラ場、その他もろもろ、知らなくてもいいけどわかっていれば「もののけ姫」をより楽しめますね。
スタッフインタビュー(モノクロ)
スタッフインタビューの中でも「スペシャル・インタビュー」の人たちは以下の通り。
- 宮崎駿監督
- 糸井重里(宣伝コピー)
- 松田洋治(アシタカ役)
- 石田ゆり子(サン役)
- 久石譲(音楽)
- 米良美一(主題歌「もののけ姫」・唄)
宮崎駿監督のインタビューが6ページと力が入ってます。そういえば「もののけ姫」の頃は、作品について多くを語らなくなっていた時期より少し前だったような…。
宮崎駿監督自身も「もののけ姫」にはかなり力を入れていたので、そういう意味でも読み応えのあるインタビューになってますね。
その他の制作スタッフインタビューは単独インタビューもありますが、座談会形式が多いです。
アフレコ現場についての文章では、アフレコに関する宮崎駿監督のインタビューとともに、ページ下に出演者コメントがまとめられています。
田中裕子、小林薫、西村雅彦、上条恒彦、島本須美、美輪明宏、森光子、森繁久彌、名古屋章、佐藤允。各人あまり長くはないコメントですが、豪華メンバーです!!
ざっくりまとめ
読み物が多いので、解説やインタビュー好きにおススメです。ビジュアル資料もほどよく載っているし、内容に対して値段も手ごろ。バランスのいいアニメムックなので、ライトなファンもOKですよ。
- 出版社・発売時期:徳間書店(2001-08)
- ページ数:148
- 好感度:(5)
- アニメ映画「もののけ姫」ムック
- フィルムストーリー
- 宮崎駿監督イメージボード(キャラクターボード、ストーリーボード)
- キャラクター相関図
- 美術ボード、背景など
- 用語集
- キャラクター設定資料集(モノクロ線画)
- デジタル映像技術紹介
- インタビュー(宮崎駿監督、糸井重里、久石譲、米良美一)
- 制作スタッフインタビュー(CG&撮影部座談会、作画監督・安藤雅司、色指定、撮影部、アフレコ現場、音響監督、編集、効果など)
- 声優インタビュー(松田洋治、石田ゆり子)
- 声優コメント集(田中裕子、小林薫、西村雅彦、上条恒彦、島本須美、美輪明宏、森光子、森繁久彌、名古屋章、佐藤允)
- …etc.