「風立ちぬビジュアルガイド」はジブリのアニメ映画「風立ちぬ」のオールカラーの最速ガイドブック。A4判の大きな本。
この「風立ちぬビジュアルガイド」の感想を書いている時点では、「ロマンアルバムEXTRA 風立ちぬ」が2013年9月下旬予定でまだ発売前。しかも予価がジ・アート並みに上昇!?
ということで、アニメ本編に関するお手軽ガイドブックなら、この「風立ちぬビジュアルガイド」の方がいいかと思います。
「風立ちぬビジュアルガイド」の内容はざっと以下のようなかんじ。
- ストーリー紹介
アニメの本編画像と文章でつづるストーリー紹介。物語のラストまで完全にわかります。
フィルムストーリーというほど画像の数は多くないですが、その分画像が大きくて見やすいですよ。
ストーリーも「ジズ・イズ・アニメーション」よりは、わりと細かい点まで拾ってまとめてある印象。
脚注もついていて、劇中のキーワードなどを解説してあります。ただし、キャラクターの心情とか、ストーリーの解説はないと思った方がいいです。
でもこの脚注、かなり親切。話の流れに合わせて当時の状況などが簡潔にまとめられていて、ドラマの背景を理解するにはすごく役立ちました。私、大正時代知らなさすぎですね(笑)!!
二郎と菜穂子の年表(お互いが何歳の時に出会って…とか)もついてます。
思ったより年の差があったんですね。最初に二人が出会ったとき二郎は帝大生だったし。でもあの時点でフランス語の詩をそらんじるとは。お嬢様とはいえ菜穂子おそるべし。
- 時代背景、年表
アニメ「風立ちぬ」で描かれた時代の社会情勢とか、ファッションなどの解説。
年表は大正元年から昭和20年。
現代史うろおぼえ…という人に、話の理解を助ける内容になってます。
「風立ちぬ」では戦争はほとんど描かれてませんでしたから、いつ頃の時代の物語かピンと来てない人もいるんじゃないかと思うので。
- キャラクター紹介
キャラクター毎の名場面画像集と簡単な紹介文など。
あまり細かいプロフィールなどは載ってません。
- 鈴木敏夫プロデューサー&瀧本美織対談
インタビューの中では、これが一番ページとってます。なんと9ページ。
ラジオ(TOKYO FM)の「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」+中間報告会見の内容で再構成したものらしいです。
たしかに、ラジオからおこせば文字数埋まりますけどね…。内容は失礼ながら、ざっくり言うと若い子と話して楽しそうなおじさんってかんじの印象でした(笑)。
宮崎駿監督のインタビューよりページ数多いってどういうこと!? ここでページ数とるなら、宮崎駿監督の対談をもっと読みたかったのに…。
- 声優インタビュー
声優インタビューは以下の3人。各1ページずつ。
- 庵野秀明(堀越二郎役)
- 瀧本美織(里見菜穂子役)
- スティーブン・アルパート(カストルプ役)
「風立ちぬ」の声優は「ジブリ声優経験済み」の人が多かったので、本庄役の西島秀俊さんとか、服部役の國村隼さん、カプローニ役の野村萬斎さんあたりの「初ジブリ」の人の話も聞いてみたかったのですが残念です。
- スタッフインタビュー
スタッフインタビューは
- 主題歌「ひこうき雲」の松任谷由美さん
- アフレコ演出の木村絵理子さん
のお二人。各2ページずつ。
木村さんのアフレコ関連の話が面白かったです。
食事シーンでのセリフが多い西島秀俊さんの声の収録のために、食事シーンで出てくるシベリアとかご飯とかの食感に似た食べ物を用意。
その中から西島さんが選んだのはバウムクーヘン。台本をめくりながら、食べながら、話す、というのは簡単ではないけれど、1回でOKだったというアフレコ・エピソード。
バウムクーヘンですよ!! 甘党!? いや、そういうことじゃなくて。いきなりそんなお腹にたまりそうな食べ物でもし何度もNG出したら、お腹一杯になるじゃないですかー!?
そこをあえてバウムクーヘンという選択に、プロ魂というか余裕を感じましたよ(笑)。
- 「風立ちぬ」の完成報告会見
宮崎駿さん・庵野秀明さん・松任谷由実さん三人で臨んだ「風立ちぬ」の完成報告会見の模様ですね。2ページですが、このページだけ妙に字が小さくて、詰め込まれてます。
これがかなり面白い内容でしたね。エピソードも興味深かったし、なにより宮崎駿監督と庵野さんの話の雰囲気もよかったです。
庵野さんがずっと「ナウシカ」の続編をやりたいと言っていて、宮崎駿監督が「もう好きにすればいい」と思ったなんて話も出てました。
完成報告会見は映像にして90分あるらしいので、2ページでは全然足りない!!というかんじです。他に何を言ってるか非常に気になりました(笑)。
ちなみに「風立ちぬ」の完成報告会見はauのスマートパス専用サイト「ジブリの森」で動画が公開されてるらしいですよ。
以上。あとは、関連本(参考文献)とか企画書なんかも載ってましたね。
まあこんなかんじですから、設定資料とか作画関係のものは載ってません。
作画系のメイキング資料に興味がなくて、アニメを振り返ったり、監督や声優関係のインタビューにもちょっぴり興味がある人向きかな。
「風立ちぬ」を「アニメ」としてよりも、「ドラマ」に重きを置いて解説してるようなかんじ。アニメファンが好みそうな情報よりも、映画ファンが好みそうな内容でまとめてます。
アニメのメイキングとか、アニメの作画とか、アニメファンが好みそうな内容を求めている人には物足りないかも。
そういう意味では一般向けの本だと思います。ガイドブックとしては、価格も比較的お手軽でいいと思いますよ。
- タイトル:風立ちぬビジュアルガイド
- 出版社・発売時期:角川書店(2013-7-20)
- ページ数:95
- 総合評価:
内容紹介
- アニメ映画「風立ちぬ」最速ガイドブック
- ストーリー紹介
- キーワード解説、年表
- 時代背景・ファッションなどのコラム
- キャラクター紹介
- スタッフインタビュー、声優インタビュー
- 参考文献、企画書
- …etc.
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