ロマンアルバムは「THE ART OF HOWL'S MOVING CASTLE」よりも一般ファン向けの「ハウルの動く城」ガイドブックです。 メイキング関連の設定資料やイメージボードなどの制作資料よりは、フィルムストーリーやスタッフインタビューの方が充実しています。
作品解説的な内容や用語集、原作紹介などアニメ映画「ハウルの動く城」を理解するにはこの本の方がいいと思います。 メイキング資料や美術資料がたくさん見たい人は「THE ART OF HOWL'S MOVING CASTLE」の方がいいでしょう。
スタッフインタビューは宮崎駿監督のものはありませんが、数多くのスタッフがそれぞれの制作担当内容について「宮崎監督がこう語った」という話をしています。 宮崎監督自身の言葉はなくてもスタッフが監督から受けた指示から、監督が伝えたかったことは浮かび上がってくるように感じました。
「ハウルの動く城」ではヨーロッパにロケハンしているので、美術や色彩設計のスタッフの話にはロケハンについても少しふれていますよ。
原画セレクションは「ハウルとソフィーの空中散歩」「カルシファーがソフィーのおさげを食べるシーン」「ベーコンエッグを食べるマルクル」「王宮の階段下でじたばたするヒン」他いろいろ。 「ハウルが浴室から駆け出してくるシーン」が大きめに載っているのは女性向けのファン・サービス!?
用語集(ハウル大辞典)は、原作未読で映画の細部がイマイチよくわからなかった人には親切な解説ですね。
ちなみに私は原作派なので、映画を見る前は原作を改変していると漏れ聞く部分にかなり不満がありました。 でも実際映画を見てからこの本を読むと原作を改変した理由はほぼ納得できました。そういう意味でもいい本だと思いますよ。
ファンブックに必要な要素のバランスがいいし、値段も手ごろなのでアニメファンから一般ファンまで幅広い層の人が楽しめる一冊だと思います。
- タイトル:ロマンアルバム ハウルの動く城 (ロマンアルバム)
- 出版社・発売時期:徳間書店(2004-12-15)
- ページ数:153
- 総合評価:
内容紹介
- アニメ映画「ハウルの動く城」公式ガイドブック
- フィルムストーリー
- キャラクター説明
- ハウルの城・空想のメカニック
- 魔法大全・用語集
- キャラクター設定(線画:6ページ)
- 原画コレクション(線画:5ページ)
- 宮崎駿イメージボード集(6ページ)
- 美術ボード、背景美術(6ページ)
- スタッフインタビュー
- 完成披露試写舞台挨拶(倍賞千恵子さん、木村拓哉さん、美輪明宏さん)
- …etc.