蟲師 連綴 二〇〇四〇七〇九-二〇〇六〇八〇八 感想

長濱博史監督が蟲師をアニメ化するにあたって書いた企画書。企画書添付の絵は省かれていて（巻末のインタビューで2枚だけ見ることができます）文章だけですが、熱意のこもった企画書です。

1話4ページ。制作やりとり秘話、色彩設計、撮影スタッフ、音響効果など、各スタッフのコメント。各話のメイン声優さんコメント。長濱博史監督談話、原作者・漆原友紀さんのコメント。各話毎にこれだけのコメントがついてます。

そしてもちろん各話カラー画像集。

ストーリー紹介はないけれど、ストーリーはDVDもあれば、原作コミックもあるし。アニメは原作にかなり忠実に作っているので、ここで読めなくてもストーリーはコミックで読んでもいいかなーなんて個人的に思ってます。

データ面では各話のメインスタッフからカット数・動画枚数まで載ってます。アニメ各話のテーマカラーもかかれてますよ。

馬越嘉彦さんのキャラクター設定資料集きたー!!!全部で12ページ。主役・ギンコや化野などの準レギュラーキャラだけじゃなく、各話のメインキャラも全身＋表情集が載ってます。

淡幽は幼淡幽と大人淡幽の設定画がありますよ。難点はちょっと小さい絵があること。化野やいおくらいの大きさの絵でお願いしたかった…。まあこれだけの量があれば文句は言えないんですけどね。

ちなみにカラーの設定画はありません。各話解説ページの本編カラーカット集で代用できるかも?

原画は2ページ。ギンコ、虹郎、廉子など16枚見ることができますよ。

月刊アフタヌーンで連載された長濱博史監督・馬越嘉彦さんの「蟲籠月報」。「これだけのためにアフタヌーンを買えるかー!!」と思っていたアナタに朗報です。13本全部載ってます。

「蟲師にハマるのが遅くて見逃した」という人も要チェック。

スタッフインタビューページにアフタヌーンの漆原友紀さん担当編集さんのインタビューで、蟲師月報も同じ人が担当編集さんということが書かれています。 長濱監督との「読者の人気はどうでした」「人気がすべてではないので」というやりとりに笑いました。

イラスト集はいろんなページに散らばってます。小さくてもB5サイズ、大きいのは見開きで1枚載っているので、うれしい大きさ。

原作イラストはアフタヌーン表紙とか予告ページ、プレゼントグッズ用、付録CD-ROM用イラストなどの漆原友紀さんの絵。アニメイラストはキービジュアルやアニメ雑誌掲載イラストなど。アニメイラストが全部馬越嘉彦さんの絵ということがすごいです。

原作イラスト・アニメイラストともに本書描き下ろしイラストありますよ。

美術監督の脇威志さんのインタビュー（長濱監督との対談形式）ページにカラーで美術が少し載っています。量はそう多くないのは残念。

この本、かなりスタッフインタビューページが多いです。とにかく人数がハンパじゃないしページ量も多い!!

作画、演出、絵コンテ、美術、脚本、音響、音響効果、撮影、音楽、編集、ビデオ編集、制作デスク＆プロデューサー、OPディレクター、キャスティング…etc.アニメ蟲師を作っている人がこんなに。

演出・絵コンテのスタッフには五十嵐卓哉さん（「桜蘭高校ホスト部」監督ほか）、大地丙太郎さん（「おじゃる丸」監督ほか）、平松禎史さんなど豪華メンバーですよ。

バンバンでてくるアニメ用語の解説は脚注についてるし、「キャスティングとかデスクとか何する仕事? 」というよく知らないアニメ仕事もよくわかります。この本1冊読めば、アニメの仕事について知識量がアップしますよ。

外注に出した2本を担当したアニメスタジオ南町奉行所（テレビアニメ「地球へ…」の制作したところ）のスタッフインタビュー（山崎理さん、結城信輝さんなど）も載っていますよ。

蟲師公式サイトで募集していた監督への質問集の答え（Q&A集）も載っています。これ、募集していたのは蟲師空間の方じゃないかと思うんですけど…。

上映会イベント「蟲の宴」の座談会とかいろいろ。とにかく読み物の量が多いです。裏話満載。