「マジンガーシリーズ40周年記念公式図録 狂機乱武」は「マジンガーZ」「グレートマジンガー」「UFOロボグレンダイザー」の敵キャラ、敵メカのデザインに焦点をおいた設定資料本。

ご存知の通り、この3作は永井豪とダイナミックプロ原作。

敵キャラ、敵メカ(機械獣/妖機械獣・戦闘獣・円盤獣/ベガ獣)の原案デザインはほとんど永井豪とダイナミックプロ原作が担当。

その原案デザインと、それを元にアニメーターが設定したアニメ用の設定画を対比して、いろいろ解説してます。

「マジンガー」シリーズの設定本といえば、双葉社の「魔神全書」が有名ですが、この「狂機乱武」は敵キャラ・敵メカデザインにのみ特化。

そのため「魔神全書」より本のサイズも大きくて、設定画が見やすい大きさで掲載されています。

カラーページは巻頭の8ページのみ。いくつかの敵メカの色指定をカラー掲載。

それ以外は全てモノクロページ。

表紙イラストが、ダイナミックプロの風忍さんの描き下ろしイラスト。原作漫画関連の本かと勘違いするかも?

原作漫画も原作に登場した敵キャラ紹介程度に載ってますが、基本的にアニメ本なのでアニメファン向けの内容ですよ。

敵メカ、敵基地、敵キャラデザイン

「マジンガーZ」「グレートマジンガー」「UFOロボグレンダイザー」のTVシリーズと劇場版の敵メカ、敵キャラ、敵基地など。原作漫画少々紹介しつつ、原案ラフとアニメ設定画で解説という内容。

量的に当然ながら、TVシリーズに重点を置いてます。

敵メカと敵キャラに関しては、ダイナミックプロの原案ラフとそれを元に描かれたアニメ用設定画(設定線画)が対比させて解説付。

鉛筆画サイコー!! どれも古い設定画だと思うのに、印刷がきれいなのもイイ!!

登場話数、デザイン原案担当者、アニメ設定担当者の名前も掲載。これだけたくさん絵があれば、各人のデザイン傾向みたいなのもわかりますね。

「UFOロボグレンダイザー」のゲスト敵キャラの「どこからどうみても荒木伸吾さん担当!!」と言いたくなる絵とか、筋肉質なメカデザインの中村一夫さんとか。

「森下(圭介)顔」とか解説されても「はぁ? メカデザインの区別つきません」って私が、ページを進めていくうちに「ああ、これは森下デザイン」としたり顔でつぶやいてしまう。そんな怖い本です(笑)。

デザイン解説だけでなく、各敵メカ、敵キャラがいかに戦い、いかに正義に破れたかというストーリー、担当声優も載ってます。

敵基地設定画が大きくたくさん載ってるのも見やすくていいですね。

なお敵メカ本なので、正義側のキャラ・メカの設定画はPDやキャラクターデザイン担当のインタビューの挿し絵的に小さく載ってるだけです。主役なのにこの本では脇役的扱い(笑)!?

まあ表紙イラストで既に、マジンガーZ腕折れてて満身創痍ですから。

わりとフリーダムなインタビュー

ダイナミックプロ座談会(6ページ)

永井豪×蛭田充×桜多吾作×風忍×村祭まこと×永井隆という、マジンガーシリーズの敵メカデザインに関わったダイナミックプロメンバー座談会。

石川賢さんとか抜けてる人がいますけど、そのへんはまあ仕方がないでしょう。

敵メカデザイン原案1体5,000円くらいだったとか、お金につられた(笑)とか。もう今だから言える話満載(笑)。

あしゅら男爵デザイン原案の事情も、wikipediaよりよほど詳しく書かれてました。実際のラフも載ってましたし。

それから、横山賢二(「マジンガーZ」「グレートマジンガー」PD)インタビュー2ページ、羽根章悦(「マジンガーZ」キャラクターデザイン・作画監督)インタビュー2ページ。

ダイナミックプロ側もそうですが、みなさん60歳過ぎた方々。もう遠い昔の仕事の話だから、かなりフリーダムに語ってます。

羽根章悦さんなんて、メカものよりは名作劇場やスタジオジブリのアニメのイメージの人。やはり「メカは嫌い」とぶっちゃけ気味(笑)。

とはいえ、そこはお仕事。機械を「生物」として動かしたなんて話も出てました。

それはそれでありかなと。マジンガーZの敵メカはご存知の通り、最近のアニメロボットなんかと比べるとよほど生物っぽいデザインですから。

永井豪キャラはどちらかというと悪相(笑)。甲児は万人から好かれる正義キャラである必要があるから、正義側のキャラクターはいろいろ手を加えたとのこと。

たしかに悪相は認めざる得ない感じ(笑)。とはいえ、永井豪キャラは描かれるストーリーにピッタリ。漫画ではそれが魅力的だけど、子供向けアニメともなるとそうもいかないというジレンマですね。

でも敵メカもそうですが、キャラクターも原作・原案テイストはけっこう拾ってます。そのへんはさすがだなと感じました。

…とまあこんな感想になります。

最初に言ったように、モノクロ線画の設定画中心の本。カラー絵が少ないことは覚悟してください。

その上で、東映動画の「マジンガーシリーズ(Z、グレート、グレンダイザー)」に登場した敵メカ好きであれば、楽しめると思いますよ。

タイトル:マジンガーシリーズ40周年記念公式図録 狂機乱武
出版社・発売時期: グライドメディア(2013-05-31)
ページ数:215
総合評価:5

内容紹介

  • マジンガーZ
  • 原作漫画敵キャラ登場シーン紹介
  • 敵幹部キャラ(ドクター・ヘル、あしゅら男爵、ブロッケン伯爵、鉄十字軍団、ゴーゴン大公、ピグマン子爵)原案ラフ、アニメ設定画
  • 秘密基地のアニメ設定画(海底要塞サルード、海底要塞ブード、飛行要塞グール、バードス島、地獄城、ゴーゴン大公の基地)
  • TVシリーズ敵メカ(機械獣、妖機械獣)デザイン原案ラフ、アニメ設定画
  • 劇場版「マジンガーZ対デビルマン」の敵メカ、飛行要塞ナバローン、デーモン一族
  • 劇場版「マジンガーZ対暗黒大将軍」の敵メカ、
  • グレートマジンガー
  • 原作漫画敵キャラ登場シーン紹介
  • 敵幹部キャラ(闇の帝王、暗黒大将軍、アルゴス長官、地獄大元帥、七大将軍、ヤヌス侯爵、ミケーネス、戦闘員、キャットルー、スパイロボット)原案ラフ、アニメ設定画
  • 秘密基地のアニメ設定画(万能要塞ミケロス、無敵要塞デモニカ、火山島、暗黒大将軍の城、諜報部の城)
  • TVシリーズ敵メカ(戦闘獣)デザイン原案ラフ、アニメ設定画
  • 劇場版「グレートマジンガー対ゲッターロボ」の敵メカ原案ラフ
  • 劇場版「グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突」の敵メカ原案ラフ、アニメ設定画
  • UFOロボグレンダイザー
  • 劇場版「宇宙円盤大戦争」敵キャラ原案ラフ、アニメ設定画
  • 原作漫画敵キャラ登場シーン紹介
  • 敵幹部キャラ(恐星大王ベガ、ガンダル司令官、ブラッキー隊長、ズリル長官、ベガ星兵士)原案ラフ、アニメ設定画
  • 秘密基地のアニメ設定画(マザーバーン、ガンダル専用母艦、ズリル専用母艦、キング・オブ・ベガ、ベガ星の円盤各種、スカルムーン、海底基地)
  • TVシリーズ敵メカ(円盤獣、ベガ獣)デザイン原案ラフ、アニメ設定画
  • 劇場版「UFOロボグレンダイザー対グレートマジンガー」の敵メカ原案ラフ
  • 劇場版「グレンダイザー・ゲッターロボG・グレートマジンガー 決戦! 大海獣」の敵メカ原案ラフ、アニメ設定画
  • インタビュー
  • …etc.

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