このムックの正式名称は「アニメーション 宮沢賢治 銀河鉄道の夜(ファンタスティックコレクション・スペシャルNO.51)」です(長い…)。キャラクターがネコのアニメ映画「銀河鉄道の夜」のアニメムックです。

「銀河鉄道の夜設定資料集」と比べると、このファンタスティックコレクションの方が一般向けのアニメ・ガイドブックという印象ですね。設定資料もそれなりに載ってますよ。

キャラクター紹介

キャラクター紹介のページに簡単なキャラクター紹介とともにキャラクター設定資料があります。

アニメのカラー設定画、線画、アニメの絵の原案になったますむらひろしさんの絵を対比させるようになっているのでわかりやすいです。そのかわり、絵はほとんど全身前のみです。

美術ボード、ストーリーボード、イメージ・イラスト

美術ボードは美術監督の馬郡美保子さんのコメント付。カラーの美術ボードや線画の美術設定などを見ることができます。

「銀河鉄道の夜」は美術の線画がなんていうか、独特のゆるい雰囲気を持ってますね。最近の緻密なアニメ美術を見慣れているとやや違和感があるのですが、このユルさは魅力的ですね。

ラフな鉛筆画で描かれたストーリーボードやイメージ・イラストもラフ画好きには楽しいですよ。

杉井ギサブロー監督のイメージ・イラストが1枚綴じ込みポスターになってます。とてもラフなものですが…ちょっとうれしい。

ストーリー紹介

アニメのストーリー紹介は画像と物語で説明する方式。画像は大きいけれど量は少なくて、フィルムストーリーというほど絵が多いわけではありません。どちらかというと文章の方が多いかな。

ストーリーは最後まできっちり説明されてます。

美術設定・背景原図・絵コンテも少しストーリー紹介のページに載っていますよ。「銀河鉄道の夜 設定資料集」ほどマニア向けじゃないけど、「メイキング資料もちょっと見てみたい」という人にうれしいつくりになってます。

スタッフ・声優インタビュー

インタビューはたくさんあります。声優さんはアフレコインタビューでメインキャラを演じている人の分はあります。

スタッフインタビューも短いものから長いものまでいろんな部署のスタッフインタビューが載っていますが、読み応えがあったのは杉井ギサブロー監督×ますむらひろしさん対談、細野春臣さん(音楽担当)×ますむらひろしさんの対談かな。

どちらもロングインタビューでじっくり楽しめました。

杉井ギサブロー監督の「ストーリーと演出意図」の話もよかったです。

ぱっと見た感じ、本の厚みは薄いです。でも本編画像集やメイキング用の設定資料などの絵と、インタビューなどの読み物、そのバランスがとてもいいですよ。

どちらも楽しめる上手い構成だなあと思いました。

ただし、21世紀に読みかえすと、さすがにスタッフの写真(髪型とか…)は古臭い感じがするんですよ…。アニメ制作風景の写真もフィルム時代だし。80年代感があふれてます。

たとえばCGの説明の文章。

コンピューターっていうのは、コンピューターの中に想定空間を作れるんです。

今だとこういう説明にはならないなー、としみじみ思いました。

でもその古さは懐かしさに変換できる気もするので、アニメが気に入った人は読んでみるといいですよ。

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タイトル:アニメーション 宮沢賢治銀河鉄道の夜
出版社・発売時期:朝日ソノラマ
総合評価:3

内容紹介

  • 「銀河鉄道の夜」アニメムック
  • 両面ポスター(ピンナップ)1枚(イメージイラスト、銀河鉄道イラスト)付
  • ストーリー紹介(名場面カット集)
  • 設定資料集(キャラクター、美術)
  • 制作スタッフ・声優インタビュー
  • …etc.

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