発売当初は「ロマンアルバムエクストラ」でしたが、現在発売されているのは「ロマンアルバム」になっていると思います。

感想を書いているのは「ロマンアルバムエクストラ」の天空の城ラピュタなので、もしかしたら改訂版とは微妙に異なる点があるかもしれません。

ページ数は同じみたいだから大丈夫だと思いますが…。

「天空の城ラピュタ」の設定資料(線画)が載っているのはこの本。ただし、表情集はほとんど修正原画で、全身画も初期設定とかかれているものがほとんどです。

たぶん制作中にどんどん変わっていって、最終的に修正原画で対応したということなんでしょう。そういえばムスカも初期設定と修正原画では髪型が微妙にちがいますね。

設定資料はキャラクターとメカ。レイアウトもたくさん。

設定画だけではなく解説もあります。解説元になっているのは宮崎駿監督の「キャラクター覚え書」、脚本準備稿、イメージアルバム用メモ、プレスシート、小説「天空の城ラピュタ」などなど。

ゴリアテ、ロケット艇、タイガーモスの全長・高、最高速度やラピュタ・ロボットの身長・体重、ドーラ一家の銃(ラストでパズーが使っていた銃)の有効射程距離など、妙にくわしい情報があります。


それからすごいのが企画書。企画原案→第2稿→第3稿と変遷していったものを載せているのですが、あらすじの変遷も面白いけれど企画意図をたどっていくのも面白いです。

なんたって、最初の企画原案の企画意図の文章がすごい。「(前略)アニメファン数十万は、必らず観てくれるので、彼らの嗜好を気にする必要はない。(以下省略)」。……カッコいいー!!! 宮崎駿監督の文章らしいです。

ココだけ抜き出すと誤解されそうなので、要約すると「子供向けのしっかりしたアニメを作る。真に子供向けのものは大人の鑑賞にも堪える作品になる」こんなかんじですね。

企画書第3稿の高畑勲プロデューサーの文章もいいですよ。

ジブリアニメの中で一番すきなのは「天空の城ラピュタ」という人も多いわけで、ちゃんと言葉通りに結果を残しているあたりさすがですよね。


スタッフインタビューも充実しているので要チェック。みなさん写真がお若いです。

宮崎駿監督インタビューは3ページ、高畑勲プロデューサーインタビューは2ページあります。


カラーページは本編画像を使ったフィルムストーリーがメイン。

面白かったのはアクションシーン・セレクト。動きのある連続シーンのカラーカット集。親方とシャルルの殴り合いやロボット兵、飛行石の発動など、いいシーンが20セレクトされています。


宮崎駿監督のイメージボードなどもわずかにありますが、全てモノクロページ。イメージボードがたくさん見たい人は「THE ART OF LAPUTA」の方がいいですよ。

タイトル:ロマンアルバム 天空の城ラピュタ
出版社・発売時期:徳間書店
総合評価:5

内容紹介

  • アニメ「天空の城ラピュタ」の公式ガイドブック
  • 三つ折両面ピンナップ(表:シータ、裏:ゴリアテ)
  • フィルムストーリー、アクションシーン・セレクト
  • ラピュタの内部解説、キャラクター・乗り物紹介
  • 背景美術
  • 天空の城ラピュタ設定資料集(線画16ページ)
  • 金田伊功 原画・レイアウトセレクション
  • 野田昌宏のSF実験室・外伝
  • 企画書の変遷(企画原案→第2稿→第3稿)
  • スタッフ・インタビュー
    • 宮崎駿監督、高畑勲プロデューサー
    • 野崎敏郎・山本二三 美術監督、背景スタッフ
    • 丹内司作画監督、久石譲(音楽)、斯波重治音響監督
    • 原画(名倉靖博、河口俊夫、二木真希子、大塚伸治、遠藤正明、近藤勝也、篠原征子、友永和秀、前田真宏、川崎博嗣)
    • その他スタッフ
  • アフレコ・レポート
  • …etc.

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