アニメ「アニメーションノートno.7」の特集は「話題作から学ぶアクションシーンの作り方」。いつもはアニメのキャラクター設定画を多めにのせているアニメーションノートなんですが、今回の「おおきく振りかぶって」の記事ではメインテーマにあわせて、アクション作画監督・谷口淳一郎さんのアクション作画参考をのせています。

アクション作画監督ってあまり聞かない肩書きですが、「おおきく振りかぶって」では野球のリアルな動き追求のために総作画監督とは別にアクション用の作画監督をおいているのだそうです。 ボールの投げ方一つとっても、キャッチャーに投げるのか、塁に送球するのかなど、動きの違いで描き分けが必要なわけですね。

この本に載っているのは「ピッチング・三橋廉アクション参考」と「盗塁・泉考介アクション参考」の2つ。ピッチングの方はミットをかまえてボールを投げるまでの一連の動作の参考画。盗塁も塁に戻れる位置で待機している状態から走り出すあたりまでの一連の動作の参考画。

キャラクターの名前がついている理由は、人によって動きのクセがあるからということみたい。走塁にも走者の個性がでる…というような注意書きがあります。もしかして、この作画参考メインキャラクターの数だけ作っているのかな!? だとしたら、すごいこだわり。

谷口淳一郎さんのお話や、レイアウト修正、原画や作監修正の工程の連続写真などが載っていますよ。谷口さん特集か? 例として使われている絵はどれも三橋。

キャラクター設定・総作画監督の吉田隆彦さんの話とか、総作監修正集の一部もあります。三橋の表情が大きく4枚とほか数枚。

「キャラクター設定に表情集は作っていない」という話も載っています。キャラベリーズに載っている三橋の表情詰めみたいのは「くずし顔参考」だから別扱いなのね。

背景美術を担当している石垣プロダクションの渋谷幸弘さんの話や美術数枚。「初期オープニング背景『雲の構成』」というページが面白かったです。構成って? と思ったら雲を別々に動かす予定だったから、それぞれのパーツを4枚に分けて描いたという話。

ああ、あのタイトルがでてくるところの入道雲ね、と思ってもう一度オープニングを確認したら…別々には動いてない様子。結局動かさずにすませたということかな。工夫しても使われないアイディアはたくさんあるんでしょうね。

「青春ライン」のオープニング絵コンテも全部載っています。18枚。実際のオープニングと見比べてみました。…おおぉ絵コンテと一緒です!!当たり前ですが。なんだか面白いので是非見比べてみてください。

オープニングってどのアニメもほぼ90秒なので、その中でどれだけドラマを感じさせるかというのが腕の見せどころ。これはいいオープニングですよね。

そして水島努監督のお話と、いつものように机周りの写真。キャラクターの位置確認に使っている野球ゲーム盤などの写真もありましたよ。キャラ名札を貼り付けているのね。

あとは制作スタジオのA-1 picturesの話など。なかなかしっかりしたいい特集なので、「おおきく振りかぶって」ファンは要チェック。

この本の他の作品は「ストレンヂア無皇刃譚」「シグルイ」など。どちらも絵コンテと設定資料など。「もやしもん」は本編や菌劇場の絵コンテとか菌の3DCGのメイキング記事が面白かったです。

掲載誌、号:アニメーションノート no.7
ページ数:「おおきく振りかぶって」特集20ページ
総合評価:3

内容紹介

  • 谷口淳一郎さんのアクション参考・レイアウト修正、原画など
  • キャラクター設定・総作画監督の吉田隆彦さんの話・総作監修正集
  • 背景美術
  • オープニング2「青春ライン」絵コンテ集
  • 水島努監督のお話
  • A-1 picturesの話
  • …etc.

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