四畳半神話大系 第11話 四畳半紀の終わり感想

いきなり冒頭ロボットアニメでびっくりしましたよ。しかもその後エンディング。今回はオープニング曲とエンディング曲が逆でした。視聴者が終わったのだと勘違いしないように、しつこいくらい「この後本編」と出ていたのには笑ってしまいましたが。

今回は多くを語る必要はないですね。きれいにまとめた最終回でした。最終回をあまり詳しく語るのも野暮なので、詳しくは自分で見てください(笑)。

原作が終了しているからですが、中途半端なまとめで終わっているアニメが多い中、気持ちがいいくらいすっきりと終わっています。続編が期待できないのが唯一の心残りでしょうか。

四畳半神話大系 第11話 四畳半紀の終わり感想

前回、四畳半世界から抜け出せなくなった「私」の認識がコペルニクス的転回をむかえます。

ナレーション:不毛と思われた日常はなんと豊穣な世界だったのか。
     ありもしないものばかり夢見て自分の足元さえ見てなかったのだ。
     これは私が選んだ人生。私が望んだ結果である。

9話で樋口師匠に言われた事とダブってますね。「私」はようやく自分で気づく事ができたのです。

そして小津への認識もまた大きく変わったのでした。

今までバラバラに見てきた小津の行動。小津が一体どういうキャンパスライフを送ってきたのかの答えは、この最終回で全て語られています。

9話「秘密機関『福猫飯店』」で小津にかかってきた電話。あれは「ほんわか」に飛行船の貸し出しを申し込んで断られた電話でした。

ナレーション:八面六臂の大活躍で己のキャンパスライフを謳歌しながら、
    全ての私にちょっかいを出し続ける。
    こんな男に出会っていれば私のキャンパスライフは楽しいものになったであろう。
    小津は、たった一人の「私」の親友らしかった…。

大島ミチルさんの音楽の力もありますが、ここで涙した「私」にとても共感しました。

そして、小津の小日向さんへの純愛。スマートフォンのパスワードも小日向さんの名前(笑)。

去年五山の人ごみで(送り火を見ることができずに)泣いてしまった彼女のために、今年は五山の送り火観賞の遊覧飛行を計画した小津。

ナレーション:恐ろしいほどの純愛。肝の据わったアホである。

ここでの小津の写真、そしてこの後出てくる小津の顔はいつもの妖怪顔じゃなく、本当の小津の顔ですね。

「私」がようやく小津の真の姿を認識できるようになったということでしょう。

そして「私」は、元の自分の部屋に吊るされたもちぐまを見て、明石さんの事を回想します。古本市で出会った明石さんに一目ぼれした事を。

今まで黒髪の乙女の姿ばかり追っていた「私」がようやく自分の気持ちに素直になって、明石さんに一目ぼれしたことを認識。

コインランドリーでなぜか洗濯したボクサーパンツの代わりに洗濯機に入っていた白いもちぐま。

ナレーション:彼女を探そうと思えばできたはずだ。いつだって私はその一歩を踏み出せずにいた。

そして占い婆の言っていた「好機」がなんであったのか、ようやく理解します。

占い婆:漫然とせず、好機を思い切ってつかまえてごらんなさいまし。
「私」:今なら踏み出せる。何十歩でも、何百歩でも。

そのときようやく抜け出せた四畳半世界。外はなぜか2ヶ月以上前に終わったはずの五山送り火の日。

「私」には五山見物の街を歩く人々の服装がチカチカと点滅するように別の服に変遷し、ときに別の人物に代わっているように見えました。

これはいくつもの並行世界では今ここを歩く人は違う世界によっては別の服を選択し、ときには別の人物がここを歩いているかもしれないという映像表現でしょうね。

そして1話と同じく、賀茂大橋の欄干の上に追い詰められる女装した小津。増える水かさ、落ちれば無事ではすまない…。

「私」:小津----!!!
小津:(声に振り向いて)はぁ?
「私」:小津、小津、小津、小津!!!

怪訝そうな顔の小津。この世界の「私」は小津と面識はないのです。けれども四畳半世界でいろんな世界を見てきた「私」には、小津はたった一人の親友。小津のピンチに「私」は走る!!

ブライドも、何もかも全て脱ぎ捨てて駆け出し、川を飛び越え欄干の上に立つ小津の元へ。映像表現的に裸になってるのはやりすぎのような気もしましたが(笑)、「走れメロス」のメロスのようなかっこよさでした。

小津:あんた誰ですか?
「私」:私だ!!小津!
小津:裸じゃないですか!?
「私」:俺に任せろ! 身を挺してお前をかばってやる!!

裸の「私」にドン引きしている小津と、異様に興奮してる「私」。これは小津でなくても引きますね(笑)。

まあ終わりよければ全てよしです。

上半身裸というしまらない格好で、明石さんにもちぐまを返した「私」。

「私」  :それよりよければ、猫ラーメンを食べに行きませんか?
明石さん:はい、なぜだか私はずっとその一言を待っていたような気がします。

「私」はようやく好機をつかむ事ができたのでした。

ナレーション:成就した恋ほど語るに値しないものは無い。

これが全てを物語っています。

そして後日談。

樋口師匠、羽貫さん、城ヶ崎先輩のそれぞれの道。

骨折で入院した小津のお見舞いに行く、「私」と明石さん。

小津:なぜ私にそんなに興味を持つんです?
「私」:俺なりの愛だ。
小津:そんな汚いものいりません!!

入院中もこっそりスマートフォンで小日向さんと連絡をとっているらしい小津。やはりどこにいても、何をしていても小津ですね(笑)。

今は小日向さんの件や知らないはずのことを知っている「私」に押され気味ですが、きっとそのうちしっかりやり返してくる事でしょう。小津ですから。


最終回で明かされたことは今まで出てきた事に関しては想像通りのことが多かったですが、猫ラーメン店主が樋口師匠達と同回生だったのは意外でした。

何かと樋口師匠、羽貫さん、城ヶ崎さん達3人が猫ラーメンに集まっていたのは、猫ラーメンの味が無類だったからだけではなかったんですね。

香織さん回で、「私」と香織さんが猫ラーメンを食べに行ったシーン。さぞかし猫ラーメン店主は困惑していただろうな、と思って見返してみたらあのシーンは「私」の妄想でしたね。なるほど(笑)。

こんなかんじで特に謎も残さずきれいにまとめられた最終回でした。

最終回で明かされた事柄を知ると、もう一度最初から見返したくなる。そんな作品。原作まだ読んでいませんが、いいアニメ化だったんじゃないでしょうか?

少なくとも今まで森見登美彦さんの作品を読んだ事が無い私が、これから原作も読んでみようと思う気にさせるには十分な内容でしたし、アニメ単独でも十分楽しめましたよ。

付け加えるなら、私の中でアジカンの株が急上昇。第一印象では地味に感じたオープニング映像&曲でしたが、歌詞も曲も作品によく合ってましたね。

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