コミックボンボン「最新版悪魔くん」感想

アニメ「悪魔くん」の元になった「最新版悪魔くん」。アニメは「最新版悪魔くん」を基本に、他のバージョンの「悪魔くん」のエピソードもいくつか流用して作られています。

主人公が埋もれ木真吾で、メフィスト2世や魔天道のミコちゃんとかでてくる「最新版悪魔くん」。昔とびとびで読んでたんですが、ちゃんと読み直してみました。

今回の悪魔くんは松下一郎くんと違って、比較的良識派です。それでも1話の頃は性格曲がってますが。

読んでみて気がついたことは、連載当初とアニメ放送後では12使徒のメンバーが違ってる!?ということ。漫画の第1話で、みえない学校にやってきた悪魔くんを歓迎する音頭をみんなで踊ってくれるのですが、このメンバーにアニメ版にはいない悪魔が…。

コミックボンボン1989年1月号に、漫画本編とは別に紹介ページがあります。そこに紹介されている「12人の仲間たち」がアニメ版とは違うのです。ピクシー、妖虎、鳥乙女がいなくて、別の悪魔が掲載されています。

アニメ化にあわせて、見栄えなどを考慮して変えたんじゃないでしょうか? そして、アニメに合わせて漫画の12使徒も途中で変えたと。この程度の設定のユルさは水木しげる先生の漫画では序の口です。

ちなみにその記事では家獣の出身地が「住所不定」って…不憫すぎる。ちなみにアニメ版では家獣は南洋諸島出身ということになってます。

アニメと同じ敵悪魔でも話が全く異なる場合もあり。アニメを見たことがある人でも、原作絵に抵抗がなければ話は新鮮な気持ちで楽しめます。

ちなみにアニメの幽子はどちらかというともっさりした絵でおとなしいタイプでしたが、原作の幽子は見た目も性格もすごくかわいくて好きです。やきもちの焼き方もかわいいですよね。

話し方は丁寧でキビキビしてるし、モスとの戦いは歴戦の戦士のような落ち着き…そしてあの勝ち方。すごいよ、幽子。アニメでは照魔鏡ばっかりだったものね。原作の方がキャラがたってます。

アニメでは百目が犬小屋に居候してましたが、原作ではメフィスト2世が悪魔くんの部屋の押入れに同居してます。

空中魔方陣から登場したメフィスト2世を、くまでみたいな物で見えない学校に引っ張り込もうとするファウスト博士。しかし契約にお金を要求するメフィスト2世（ここらへんはメフィスト老ゆずり）。

メフィスト2世は原作でも出番多いです。バトルでも大活躍。

そしてびっくりするようなラスト。たった1話できっちり締めてます。見えない学校の上についてる「安全玉」の中に百魔すいばくというものがあって、爆発したら世界は「魔界」になるという原作設定はどこにいったの!?とツッコミたくなりますが、それでもなんとなく納得のラスト。

アニメとの対比を楽しむのもよし、原作歴代悪魔くんとの比較で楽しむのもよし。もちろん普通に漫画としても楽しめます。

最近の緻密な設定の漫画に疲れたアナタに、このユルさを是非楽しんでもらいたいものです。

「最新版悪魔くん」は単行本になった後、文庫本で再発売されています。

発売から年数が経っているので現在は手に入りにくい状況のようですが、機会があったら是非。

最近ゲゲゲの鬼太郎（第5シリーズ）放送にあわせてか、水木しげる先生の「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」が次々に復刊中。

最近発売された原作版「悪魔くん」は「貸本版」「山田真吾版」の2冊。この調子で最新版も復刊されるとか、アニメ「悪魔くん」のDVD-BOXが発売されないかな…なんてね。

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