スカイ・クロラオフィシャルガイドMaterial 感想

「スカイ・クロラオフィシャルガイドMaterial」表紙が夕焼け空のようなオレンジ色の本です。似たような装丁の「スカイ・クロラオフィシャルガイドSurface」よりも後の発売。

原作者・森博嗣さんと京極夏彦さんの映画「スカイ・クロラ」の感想が載っているところをみると、映画公開後の発売なのかな？

「Surface」と比べると、約2倍の厚み（ページ数）で、値段も倍（笑）。この「スカイ・クロラオフィシャルガイドMaterial」の方が設定資料や制作スタッフのコメントなどが充実してる印象です。

設定資料（キャラ・メカ・背景美術）は「スカイ・クロラ総設定資料」よりは少ないけど、コアな設定画マニア以外は充分満足できそうですよ。

カラーページは合わせて32ページほど。キャラ・メカ・背景美術の設定画や版権イラスト（映画ポスター第2段イラストや映画化記念特装版文庫イラストなど）。

カラー設定画の絵は見やすい大きさなので量的には少なめですが、モノクロページに線画もあるので個人的には「まあいいか」というかんじです。

モノクロページの線画設定資料はキャラ（原作解説・押井監督コメント・西尾鉄也キャラデザのコメント付）・メカ（原作解説・押井監督コメント・竹内敦志メカデザのコメント付）・美術（原作解説・押井監督コメント・渡部隆さんコメント付）。わりとしっかりコメントされてますよ。

美術に関してはカラーページの美術に永井一男美術監督がコメントつけてます。

そして絵コンテ解説。絵コンテの抜粋とその内容について、原作の解説＆押井守監督が解説をつけてます。約16ページ。押井さんのキャラ説明…絵コンテ解説だからキャラの演技というか演出についてや、飛行シーン・戦闘シーンについての絵コンテ解説ですね。

絵コンテはもちろん別途発売されてますが、「全部じゃなくていいから抜粋で解説されてる方がいい」という人にはこっちの方がいいんじゃないかな？

読み物は、原作解説とインタビューと映画レビュー。

森博嗣さんと京極夏彦さんの映画「スカイ・クロラ」クロスレビューは、それぞれ1ページずつ。

森さんの映画「スカイ・クロラ」の感想は、予想通り淡々とした…というか他人事のような映画感想。「それでも原作者か!? 」とツッコミをいれたくなりますね。自作の映画化についての感想というより、押井監督の作品について語るような語り口。でもかなりほめてますよ。押井作品好きなのね、森さん。

スタッフインタビューは、西尾鉄也キャラクターデザイン、林弘幸CGIスーパーバイザー、押井守監督。そして映画監督・行定勲さん。

行定さんは何つながりかというと、映画「春の雪」の脚本担当の伊藤ちひろさん（＝「スカイ・クロラ」脚本担当）つながりです。

こうしてみるとフィルムストーリーはないけれど、設定画・解説・スタッフインタビューがほどよい量あって、イラストありで。「スカイ・クロラ」のムックとして一番いいバランスじゃないかと思います。

もっと細かい設定画をたくさん見たい人は「スカイ・クロラ総設定資料」の方がいいかもしれないけれど、バランスで言えばこの「スカイ・クロラオフィシャルガイドMaterial」の方がお得なかんじですよ。

難点をいうなら「Surface」に載ってるキャラクター設定画の一部が、この本では抜けてるんですよ。

クスミ、フーコなどサブキャラの表情集は「Surface」に載せたためか、この「Material」ではサブキャラの表情集は抜粋になってるし、服装も「Surface」と別の服装設定を載せてます。

「2冊とも買え」ってことなのかもしれないけど、重複する設定画も多いのでツライ…。どちらか1冊ならこの本がいいし…。

そんな人は、設定資料FILE「スカイ・クロラ」（アニメージュ）があるといいかな。基本設定画の補完にいいですよ、アニメージュ。

内容紹介

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