アニメのクリエイターを目指す人向けのハウツー本…なんですけど、「サムライチャンプルー」「Ergo Proxy(エルゴプラクシー)」を作ったアニメ制作会社マングローブの本。 副題が「『サムライチャンプルー』『エルゴプラクシー』に見るアニメ製作現場」になってます。

だから「サムライチャンプルー」「エルゴプラクシー」のキャラクター設定資料集や絵コンテが載ってるんですよ。

この本に載っている「サムライチャンプルー」のラフスケッチはロマンアルバムにも載ってないものだし、第1話の絵コンテ抜粋もあります。

「エルゴプラクシー」はたしかムックがでてなかったような気がするんですけど、この本でキャラクター設定資料を見ることができますよ。

作画HOW TO

どんな道具をそろえて、どんな風に線を描く練習をして、どういう風に原画をクリーンナップするかというハウツーページ。カラー写真を使ってわかりやすく解説しています。

使われている原画は「サムライチャンプルー」「エルゴプラクシー」から。

プロ仕様鉛筆連結法とか妙なトリビアもあるんですが、「会社面接に役立つポートフォリオ作成」なんてコラム記事もあります。

企画の立て方

いきなり上流工程にとんでます。アニメーション企画の成立の流れについてです。

参考に「サムライチャンプルー」「エルゴプラクシー」の企画書の写真も載っていますが、ぼかしがかかっていて文字は読み取れません。

後のインタビューで登場する関係者の証言で企画の流れをまとめています。この流れだと企画書よりもキャラクターラフの方が先なんですね。なるほど。

ラフスケッチ

「サムライチャンプルー」のラフスケッチ約12ページ。ムゲン・ジン・フウの初期デザインから決定稿にいたるまでのラフ。

ジンの初期案が…変遷しすぎ! ムゲンの初期案もチンピラすぎるー。でぶフウのイメージががこんな初期からあったの…。といろいろ楽しめます。やっぱり決定稿がいいよね。

キャラクター設定資料集・得物デザイン・メカデザイン(線画)

今度は決定稿。「サムライチャンプルー」「エルゴプラクシー」の2つ。

「サムライチャンプルー」はムゲン・ジン・フウの基本設定の全身・表情集が大きく載っています。各話設定までは載ってませんが。動物ページにモモさんあり。

各話登場のゲストキャラクター設定も少しだけあります。ゲストキャラクター設定はロマンアルバムの方が多いです。でもロマンアルバムが入手困難になりつつあるので、メインキャラ設定だけでいいならこの本でもいいかも。

英語が苦手じゃないなら英語版のロマンアルバムという手もありますが(ロマンアルバムのページ参照)。

エルゴプラクシーのキャラクター設定画は以下のとおり。

  • リル・メイヤー
  • リル・2・リアル
  • ビンセント・ロウ(糸目バージョンとツンツン髪バージョン)
  • エルゴ・プラクシー
  • ピノ(コギト感染前/後)
  • イギー
  • プラクシー・ワン
  • デタルス・ユメノ
  • ラウル・クリード
  • ドゥルーズ/ガタリ
  • クリステヴァ
  • …etc.

ピノかわいいー!!!着ぐるみバージョンがないのが残念です。ビンセントは覚醒前も後も表情集がいいですね。特に覚醒後の表情はハンサムさん。でも糸目も好きよ。

話が地味なのと放送がWOWOWだったからかなりマイナーアニメ。しかも直感的に話が想像できないタイトル。でも、絵はすごくいいですよ。 やっぱりリルのアイシャドウというかくまどりにひいた人はいそうな予感。

サムライチャンプルーの得物デザインとエルゴプラクシーのメカデザインも少し載ってます。

ポスター・DVDジャケットなどのイラスト解析

サムライチャンプルーは番組宣伝ポスター・DVDジャケット・アニメ雑誌イラストの工程解析。ラフ案や完成イラストなど。

エルゴプラクシーはアニメ雑誌イラストの工程解析。

キャラクターの魅力解析

完成した本編カットと絵コンテの比較。初登場シーン、感情表現、アクションなどから分析。

映像加工やOP・EDなどの解析。

カットだけではわかりにくいですが、実際の映像をみると個人的にはOP・EDともサムライチャンプルーはわかりやすくていいけれど、エルゴプラクシーはオシャレな雰囲気だけというカンジであんまりよくないと思うんですが…。

特にエルゴプラクシーはいかにも外国ドラマ(特にアメリカ)のオープニング風で…3話で初めて見たときは「外国人向けか!?」と思ったものですよ。オシャレを目指してオサレになったような…。 制作スタッフ的にはこれでOKだったみたいだけれど。

インタビュー集

制作現場の声。ようするにインタビュー集です。

メンバーは小林真一郎プロデューサー、河内山隆プロデューサー(エルゴプラクシー)、渡辺信一郎監督(サムライチャンプルー)、キャラクターデザイン・中澤一登さん(サムライチャンプルー)、村瀬修功監督(エルゴプラクシー)、キャラクターデザイン・恩田尚之さん(エルゴプラクシー)、脚本・佐藤大さん。

クリエイターを目指す人の参考になるかも。

まあ、私はクリエイターは目指してないのでやっぱりラフスケッチや設定資料が魅力的。

読み物としてもそれなりに面白いので、アニメ業界に興味がある人は読んでみてもいいかも。

タイトル:トップクリエイターが教えるキャラクターの創り方~『サムライチャンプルー』『エルゴプラクシー』にみるアニメーション制作現場
出版社・発売時期:MCプレス(2007-09-07)
ページ数:160
総合評価:4

内容紹介

  • 「サムライチャンプルー」「エルゴプラクシー」のキャラクター創作テクニック解説本
  • 作画HOW TO
  • 企画の立て方(企画書の書き方など)
  • 「サムライチャンプルー」キャラクターラフ設定
  • 「サムライチャンプルー」「エルゴプラクシー」キャラクター設定集
  • ポスター・DVDジャケットなどのイラスト解析
  • キャラクター初登場シーンなどから魅力解析(絵コンテと本編カットの比較)
  • インタビュー集(小林真一郎、河内山隆、渡辺信一郎、中澤一登、村瀬修功、恩田尚之、佐藤大)

「Ergo Proxy」と同じく村瀬修功監督作品で、ムックがなかった「Witch Hunter ROBIN(ウィッチハンターロビン)」のムックがDVD-BOX発売に合わせて発売されました。

タイトルは「ウィッチハンターロビン マテリアルファイル」感想は別ページで。

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