サザエさんに関する本というわけではないですが、間取りネタが載ってるので、ついでにここで紹介しておきます。

アニメ&マンガに登場する家の間取りを想像して楽しむ本「名作マンガの間取り」。わりと勘違いしている人が多そうだけど、アニメ&マンガに登場する家の間取りを、制作スタッフ公認で正しく掲載している本ではありません。

建築コンサルタント業を営む作者さんが、余暇に読んでるマンガやアニメの間取りを「想像して」図面に起こしてみました、という本です。だから「これぞ正解!」という本じゃないんですよ。

間取り好きが「ネタとして間取りを想像して楽しむ本」ですね。ある意味二次創作的な本です。

たとえば「サザエさん」現・磯野家と福岡時代の磯野家の間取りが載っていますが、「サザエさん40周年スペシャル」のオープニングに登場した現・磯野家の間取り(というか俯瞰図)とは各部屋の広さなどが微妙に違っていたりします。

だからといって「間違ってる!」と怒るような性質の本じゃないですよ。ネタとして楽しんでるだけだから。

「磯野家建替え計画(平屋から二階建てに)」なんかも、「カツオ・ワカメたちを一人部屋にして、一般的な希望を加味して、予算を考えるとこんなかんじ…」というふうに想像して間取りが描かれています。

あくまで登場シーンから想像して「こんな間取りでは?」と起こしてみて、そこから軽く生活を想像…という内容なので、「間取りの手帖 」みたいに実在するおかしな間取りの面白さじゃないところが、間取りファン(?)には微妙かも。

さらに言うと、とりあげてるマンガ&アニメから察するに、この作者さん自体も「アニメ&マンガのライトなファン」というカンジ。

ネタ元のマンガはチャンピオン(←これが作者の年齢を感じさせる気が)、ジャンプ、サンデー、マガジンあたりの定番系少年漫画や、喫茶店で注文待ちの間に読む青年マンガから、という印象。アニメも古い国民的アニメからが大半。

アニメもマンガも最近の作品は少ないところから、リクエストがあったものを除けば、作者さんが若い頃読んでた・見てたアニメ・マンガが中心だろうなーと思います。もちろん、一般受けを考えてそういう作品をセレクトしたとか、間取りが書きやすい作品を選んだらそうなった可能性もあるけれど。

だから、イマドキのアニメ・マンガを現役で読んでるアニメ・マンガファンには微妙なセレクトじゃないかな。

あと、間取りを起こしてみてのツッコミがイマイチな気が。専門家ならではのツッコミがもうちょっと欲しかったなー。「こんな家を建てた日にゃぁ、税務署が黙っちゃいない」とかは笑えたけど。図面に起こした時点で満足しちゃってるみたいなんですよね。

個人的に一番面白かったのが、宮沢賢治:作「注文の多い料理店」の山猫軒の間取り。宮沢賢治がモデルにした西洋建築2階建てのことはおいといて、あくまで童話の内容から間取りを起こしてみました…という内容。これが一番笑えました。

小さい本なので、読みでがないというか、すぐ読み終わっちゃうのも難点。もうちょい深い解説でもあれば、何度も読み返すかもしれないけど…。

ネタをネタとして楽しめる心と懐の余裕がある人向きの本かと思いますよ。

タイトル:名作マンガの間取り
出版社・発売時期:ソフトバンククリエイティブ(2008-07-26)
ページ数:112
総合評価:3

内容紹介

    アニメやマンガの空想間取り本

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