「ペリーヌ物語」の設定資料(設定画)がたくさん載っていて2010年現在一番手に入りやすい本は、この「世界名作劇場メモリアルブック ヨーロッパ編」ですね。

「ペリーヌ物語」はそもそも単独ムックというのが発売されてなかったように思います。日本アニメーション発売の「ペリーヌ物語資料集」は書店流通本じゃないですし。

そんなわけで「ペリーヌ物語」の設定画を見る機会は今までほとんどなかったと思うのですが、とうとうしっかりまとめてくれた本がでてうれしいです。

「世界名作劇場メモリアルブック ヨーロッパ編」は世界名作劇場のアニメ作品の中から13作品(+1作品)の設定画をまとめた設定画集みたいな本です。

基本的な構成・内容については「世界名作劇場シリーズ メモリアルブック ヨーロッパ編」に感想をまとめました。

ペリーヌ物語に関するページはカラー4ページ、モノクロ20ページ(うち設定画が載っているのは14ページ)。

カラーページでは、名場面集、OP・EDカット集。そして24話「ロザリーの悲しみ」のフィルムストーリーなど。あわせて4ページ。

モノクロページでは、設定画集、キャラクター紹介、各話の簡単なストーリー紹介、ペリーヌと両親の旅の軌跡を地図で解説、その他コラムなど。

この本に載っている「ペリーヌ物語」のキャラクター設定画は以下のとおり。全てモノクロ線画です。

  • ペリーヌ・パンダボアヌ(オーレリィ)
  • マリ・パンダボアヌ
  • エドモン・パンダボアヌ
  • グレゴリッチとその家族
  • ドランツ、メルカ、メルカの弟妹
  • ヴァルド&ヴァルドのおじいさん
  • イーリア&ミレーナ夫妻とその家族
  • ゴルジモフ
  • アンナ・ボンテンペルリと6話の警部&警官
  • ピエトロ&ロッコ
  • プラガ男爵
  • ブルム(エトワール・サーカス団長)
  • マルセル・サンド
  • ジャン・サンド
  • シルヴァーナ・サンド
  • エトワール・サーカス団員達
  • ジョセフ、ジョセフの父
  • シモンじいさん
  • カロリーヌ
  • ガストン
  • あめ屋
  • ルクリおばさん
  • ビルフラン・パンダボアヌ
  • フランソワーズ
  • ロザリー
  • セザール
  • ポール
  • ファブリ技師
  • ベンディット
  • ブノア(サン・ピポア工場長)
  • テオドール
  • タルエル工場長

リストはちょっと省略しました。ペリーヌの旅の途中で登場する名前も無いサブキャラたちもそこそこ載ってます。小物、背景美術、乗り物も線画ですが少々あり。

人間キャラ以外だと、バロンやパリカールの絵もありますよ。

「ペリーヌ物語資料集」と比べれば、ページ数が少ないので絵の量も少ない事、本の大きさが小さい(といっても縦21cmくらい)ので絵が小さめであるのは難点ですね。

でも、見づらいというほど絵の大きさは小さくもないので、個人的には許容範囲です。

それにモノクロとはいえ設定画14ページですよ!! これだけ載っている本で手に入りやすい本は他に無いと思います。

ちょっと残念な点は、ペリーヌの基本設定や旅の途中の服装などはそこそこ載っているのですが、マロクールでラシューズ夫人の店で買った黒い服の設定画が載ってないことですね。

後半に登場する服ですが、よく登場して印象に残っていた服だったので載せておいてほしかったなーと。それ以外はほぼ納得できる内容でした。

ついでに言うと、この本には「ペリーヌ物語資料集」に載っていない設定画も少しあります。マリ(ペリーヌのお母さん)が病気を隠して旅を続ける決意で売った指輪の設定画やロザリーの初期設定など。

ロザリーは決定稿では純朴な田舎娘みたいな絵ですが、初期設定時にはもう少し清楚なイメージが強調されてるような印象。

決定稿の方がよりキャラがはっきりしてるように見えますね。

ペリーヌ物語単独のムックが期待できない現状では、この本はかなりいい内容だと思います。

ちなみに「ペリーヌ物語」キャラクターデザインの関修一さんが、同じく世界名作劇場でキャラクターデザインを担当した「トラップ一家物語」もこの本に掲載されていますよ。

制作された年代の違いなどを反映してか、「トラップ一家物語」の方が「ペリーヌ物語」と比べるとちょっと華やかな絵になっているのがわかります。

「ペリーヌ物語」のコラムでは、「ペリーヌ物語」のときは名作劇場初期の先人達のデザインを踏襲しようとしていたらしいですから、「トラップ一家物語」の方が関修一さん本来の絵なんでしょうね。

私個人としては「ペリーヌ物語」世界名作劇場の中では愛着のある作品なんですが、よく言われるのが「キャラクターが地味(笑)」。そうかなー? むしろそれがいい!! と思うんですが(笑)。

関修一さんの絵が好きな人や、世界名作劇場シリーズ全般が好きな人には楽しめる本ですよ。


この他に世界名作劇場のどの作品の設定資料が掲載されているかは「世界名作劇場シリーズ メモリアルブック ヨーロッパ編」にまとめたので、興味のある方はどうぞ。

世界名作劇場第1作「フランダースの犬」から第25作目「ポルフィの長い旅」までは、この「世界名作劇場シリーズ メモリアルブック ヨーロッパ編」かもしくは「世界名作劇場シリーズ メモリアルブック アメリカ&ワールド編」のどちらかに収録されていますよ。

タイトル:世界名作劇場シリーズ メモリアルブック ヨーロッパ編
出版社・発売時期:新紀元社(2010-04-24)
ページ数:380
総合評価:5

内容紹介

  • 世界名作劇場シリーズの設定資料系ガイドブックvol.2
  • オープニング・エンディングカット集&名場面集(カラーページ)
  • モノクロ線画設定資料集(キャラクター、美術、小物、乗り物)
  • コラム
  • スタッフインタビュー(黒川文男監督、黒田昌郎監督、山田栄子さん、楠葉宏三監督、佐藤好春さん、斉藤宏監督×脚本家・宮崎晃さん、佐藤昭司さん×中島順三PD)
  • 各作品放映リスト、スタッフデータ集
  • …etc.

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