TVアニメ「かみちゅ! 」は、アニメ終了当初は公式ガイドブックも発売されないまま。ようやくこのガイドブック「かみちゅ! 大全ちゅー!」が発売されたのが2011年。

「かみちゅ! 」の舛成孝二監督×脚本・倉田英之のアニメ映画「宇宙ショーへようこそ! 」劇場公開が2010年。「かみちゅ! 」Blu-ray BOX発売も2010年。ビジネス的にその時期に合わせてきそうなものですが…?

ともあれ今更ながら読了したので感想を。もう2015年。遅さに関しては私も他人の事を言えたものではありません(笑)。

本のサイズは20.8 x 18.2。そう、見た感じ横はともかく「(縦が)小さい…」という印象。191ページあるから、本の厚みがそれなりに期待を膨らませてくれるのですが…。

描き下ろしイラスト3枚!!

「もう描き下ろしイラストで予算使い果たしたんじゃあるまいな(笑)?」という気がしなくもないです。

  • キャラクターデザイン・千葉崇洋(カバーイラスト)
  • コミカライズ担当・鳴子ハナハル(表紙イラスト)
  • 原案・羽音たらく(2つ折ピンナップ)

千葉崇洋さんのカバーイラストはキャラクターが小さいのが、中身を暗示してると言えなくもない(笑)。

横長の2つ折ピンナップは、いかにも羽音たらくさんらしい絵。発色もきれい。

鳴子ハナハルさんの表紙イラストはカバーをはずしたら出てきます。「鳴子ハナハルさんの非エロ絵っていいよね!! 」と思いますが、どうでしょう? 個人的には、3枚のうちで一番好みでした(笑)。

鳴子ハナハルさんは、今では「『翠星のガルガンティア』のキャラクターデザイン原案の人」と説明した方が一般には通りやすいのかな?

本の中身(ビジュアル編)

「かみちゅ! 大全ちゅー!」のビジュアル的な資料は、

  • 版権イラスト集(アニメ雑誌等に掲載のイラスト集)
  • キャラクター紹介(カラーのキャラクター設定画アリ)
  • 各話ストーリー紹介(TV未放送分も含む)
  • 聖地巡礼主要スポット紹介&ロケハン写真
  • グッズ紹介(ここまで全てカラーページ)
  • 以下モノクロページ
  • キャラクター設定資料集(モノクロ線画・影なし)
  • 羽音たらくデザイン原案集(モノクロ線画)
  • okamaデザイン原案集(モノクロ線画)
  • 第1話「青春のいじわる」絵コンテ決定稿完全収録
  • …etc.

こんなかんじ。

一通り基本的なものは揃ってるし、アニメ画像も適度に掲載。第1話絵コンテまで丸ごと掲載。

コレだけ見ると「いいじゃない!!」と思うのですが…。率直に言うと「枚数あるのに絵は小さい」という、なんともいえない残念感。あと20%ほど大きい絵で見たかった!!

いやまあ出版社側からすると「枚数あるから絵が小さい」という話なんでしょうけどね(笑)。

載せなきゃ「少ない」。載せたなら載せたで「もうちょっと大きい絵で見たい」と思ってしまうのがファン心理なんですよ。わがままでスミマセン(笑)。

そのへんのさじ加減が残念。絵コンテも各コマの絵は判別できるけど、文字が全く判別できないレベルの大きさ。説明書きが読めない絵コンテなんて(以下自粛)。

なお、巻頭の「版権イラスト集」のページ数は少ないため、アニメ雑誌等に掲載されたイラストが大きく載せられているページは少ないです。が、それとは別にアニメ雑誌等に掲載された版権イラスト集として、グッズ紹介のページにカタログ的にまとめて紹介されてます。

アニメ放送当時に発売された単品の初回限定DVDの紹介は妙に詳細。ブックレットの中身の画像や、初回特典ポストカード(いやピンナップ?)のイラストや中敷、帯までもグッズ紹介ページに画像掲載。

抱き枕や、海外限定グッズの写真もありますよ。

キャラクター設定資料集と羽音たらくデザイン原案集はいい!!…のに

キャラクター設定資料はキャラクター紹介(カラーページ)に、カラーのキャラクター設定。それとは別にモノクロページに、キャラクター設定資料集(線画)がたくさんあります。

各話設定のカラー絵は、各話紹介のページにもあります。資料としては、量的にけっこう使える内容だと思います。

okamaさんのもののけを中心とした神様デザイン原案も、カラーページとモノクロページにそれぞれ紹介。数としてはまとまった量が載ってますよ。

難点は、やはり絵の小ささ。線画ページは一部の絵のみ大きくて、あとは小さくぎっしり。見えないほどではありませんが、小さい印象が否めません。

キャラクター設定画(線画)はアニメージュでもメインキャラは掲載されてるからいいとして。羽音たらくさんのデザイン原案50枚なんて、もっと大きい絵で見たい人が多いのでは?

健児が初期デザインから変遷しすぎとか、6話ゲストのきよみかわいいし(笑)。メインキャラだけでなく、ゲストキャラなどのデザインもあるので、量的には充実してるのに…。

キャラクター設定にする際に薄まった羽音たらく分が、濃縮還元されたような初期ラフデザイン集でした(笑)。

本の中身(文字コンテンツ編)

インタビューは、声優インタビューとスタッフインタビュー。声優インタビューは、各1ページずつ。以下リスト(敬称略)。

  • MAKO(一橋ゆりえ役)
  • 森永理科(三枝 祀役)
  • 峯香織(四条光恵役)

スタッフインタビューは以下のとおり(敬称略)。

  • 落越友則PD
  • 舛成孝二監督
  • 脚本・倉田英之
  • キャラクターデザイン・千葉崇洋
  • キャラクター原案・羽音たらく
  • プロダクションデザイン・okama
  • 色彩設計・歌川律子
  • 美術・渋谷幸弘
  • 音楽・池頼広
  • 音響監督・菊田浩巳

あとは、オフィシャルデザイン、ロケハン担当の人のインタビューがコラム的にまとめられてました。

スタッフインタビューの方が、声優インタビューより各人のインタビューの量は多いです。

2010年ごろのインタビューですが、要所を押さえた内容。

あとは「WEBアニメスタイル舛成孝二監督×脚本・倉田英之インタビュー再録」と「ドラマCD用未公開脚本(脚本・倉田英之)」。

「WEBアニメスタイル舛成孝二監督×脚本・倉田英之インタビュー再録」はたぶん今でも「WEBアニメスタイル」で読めると思うので、それを読めば解るとして。

「ドラマCD用未公開脚本(脚本・倉田英之)」が未完成なのが…。お蔵入り理由も書かれてますけどね。

この脚本執筆前に書かれたプロットも3枚掲載されていて、それを読めば「全体の構成がわかる」とか書かれてますが、そのプロットの文字が小さすぎて読めないわけですよ(笑)。

落越友則プロデューサーのインタビューページに企画書が14枚載ってますが、その文字も企画概要、作品概要の2枚分がかろうじて読めるだけ。

読み取れない企画書の画像でページ埋めるの止めて下さい。文字おこしして文章で載せてください。…というのは、きっとわがままですね(笑)。

いい点が多いだけに、絵が小さいのだけが惜しい

そんなかんじで個人的にはちょっぴりストレスが溜まる内容でした。

これでページ数がもっと多ければ…、もしくはページ数そのままで本の大きさがA4…いやせめてB5ならば、画像も大きくなって文句なしに星5つなんですが。

これはamazonのレビューが両極端なのもわかりますね。

各話紹介の倉田英之コメントは「HobbyJAPAN」の再録で、「かみちゅ! 」展から、尾道案内図が再掲されてたり。と、既出ものもありますが、WEBインタビューの再掲にしても内容が手堅いだけに文句なし。

ページの穴埋め的に突っ込んだ感はなく、これはいい手抜き(笑)。狭い紙面を実に上手く使って、情報を詰め込んでる感じですよ。

ビジュアル資料も量だけは多いし、新録インタビューも手堅い。本の構成自体は上手いと思います。だからこそ余計に、残念な部分を「惜しい」と感じるのでしょう。

「絵が小さい点には、それほどこだわらない」という人なら、私よりもっと星の数を増やすでしょうね。

タイトル:かみちゅ! 大全ちゅ~!
出版社・発売時期:一迅社(2011-05-20)
ページ数:192ページ
総合評価:3

内容紹介

  • 描き下ろしイラスト3枚
  • 版権イラスト集
  • キャラクター紹介
  • 各話ストーリー紹介
  • 聖地巡礼主要スポット紹介&ロケハン写真
  • グッズ紹介
  • キャラクター設定資料集
  • 羽音たらくデザイン原案集
  • okamaデザイン原案集
  • 声優インタビュー、スタッフインタビュー
  • 第1話「青春のいじわる」絵コンテ決定稿完全収録
  • その他、コラム等

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