アニメ「巌窟王」1-3話の感想です。

第1幕「旅の終わりに僕らは出会う」感想

舞台はSF的未来都市ルナ。旅行の途中でカーニバルを観にやってきたアルベール・ド・モルセール子爵(CV:福山潤)と親友フランツ・デピネー男爵(CV:平川大輔) 。オペラ観劇の際、歌手に花束を投げ衆目を集めた謎の男、モンテ・クリスト伯爵(CV:中田譲治)。その後アルベールの体験した不思議な光景。そして伯爵から晩餐の招待。伯爵のことが気になるアルベールは、乗り気ではないフランツと共に晩餐へ。

暗い人物に見えた伯爵は笑顔がステキ。セクシー・ボイスの大人キャラです。持病があるのか食事をとらずに薬を飲む伯爵。会話もはずんで意外といい人。

今回の気になる会話。

アルベール:夢中になれる何か、心をつかんで話さない何か。ボクはそれを見つけようと旅に出たんです。
フランツ:何をカッコつけてるんだよ?お前の目的はしょせん下半身方面だろう。
アルベール:!!フランツ!やめろよ。
伯爵:はははは、若いということはすばらしいことですな。

この話の流れで、恋に破れたという伯爵の過去話へ。しんみりしたムード。

急にグワッと顔を上げて振り向いて「ベルッツィオ!」というのでビビッたら、続く言葉が「お二人にコーヒーを」。演技過剰です、伯爵。

次の日の昼食へのお誘い、警戒するフランツが断ろうとするけれど…「カーニバルの花」に誘う伯爵。握手したときの伯爵の冷たい手にとまどうアルベール。

伯爵の言う「カーニバルの花」とは罪人の公開処刑。今回処刑されるのは貧しい家族のために罪を犯した男、恋敵に無実の罪をなすりつけられたと訴える男、殺人を誇らしげに語る男の3人。

「なあに、ちょっとした遊びですよ」と伯爵が提案するのは、枢機卿の赦免状一通で罪人3人のうち1人を助けること。でも誰を選ぶかは「公平に」カードで。名前を書いた3枚のカードのうち1枚をアルベールに選択するように促します。

アルベールを静止するフランツの「後悔するぞ!」は、誰が選ばれたとしても残る2人を殺すことに手を貸すことになるからでしょう。フランツはちゃんとわかっています。

しかしアルベールは選んでしまいます。その結果は…。

後悔するアルベール。フランツに心を見透かされて思わず口走ります。「お前はいつも俺にかまいすぎなんだよ!お前は俺の彼女か?母親かよ!?」。それを聞いたフランツの虚をつかれたようなさびしげな顔とため息。

アルベールを気遣って、飾り窓(!)とかカジノとか提案してますがどっちも逆効果。でもいい友人ですね、フランツは。 今のアルベールを一人にすることに不安を覚えながらホテルに戻るフランツ。

そのまま街をさまようアルベールにパレードでみたかわいい少女ペッポ(CV:中原麻衣)登場。逆ナンきたー!!えっ、アルベール飾り窓は断ったくせに、なぜ街頭で少女押し倒す?やっぱり下半身方面だったのかと思う間もなく、銃をつきつけられてます。物盗りでしたか…。


なかなかいいテンポですね。エピソードと会話でうまく主人公と親友、怪しい伯爵との人となりを紹介してます。

伯爵の目的が復讐であることもちゃんとでているので、原作を読んでいない人にもすんなり入っていけるいい導入。服のテクスチャは慣れるまで違和感があるかもしれませんね。

アルベールの目の前を通り過ぎる伯爵のシーン。二人の出会いのシーンですが、これヒロインと恋人の出会いのシーンみたいな構図ですよー。憧れの彼を間近に見たヒロインというかんじ。ちょっとどうなのこの演出。ちなみにアルベールがヒロインね。

第2幕「月に朝日が昇るまで」感想

フランス語で前説きましたー。雰囲気作りOK。

中原麻衣さんの「いっちゃう?」はエロいです。「おイタはそこまでだ、坊ちゃん」単なる物盗りじゃなくて美人局でした。

フランツ子供時代の過去回想。父親といさかいをおこして「もう帰ってくるな」と叫んだ言葉、それが父親との最後の会話だった…。父親の葬儀でのアルベールとの出会い。

アルベールと別れた後に出かけた舞踏会で聞いたルナの治安の悪さ。いさかいをしたままの別れになることを恐れたフランツは、ホテルに戻りアルベールが悪人達に捕まったことを知るのでした。

身代金の工面に奔走するフランツ。そして、困ったあげくモンテ・クリスト伯爵へ。快く思っていない伯爵でも親友アルベールのために頭を下げるフランツ。ホントいい友人です。そして待ってましたとばかりにこっそりほくそ笑む伯爵。

アルベール救出。そしてついでに美人局役のかわいい少女が男であることも教えてくれる親切な伯爵。伯爵はなんでも知っている。

「遅い!」と軽口をたたくアルベールにフランツのビンタがとぶ。ここぞというときに叱ってくれる友人はいい友人ですよ。

お礼代わりにアルベールにパリの社交界への橋渡しを頼む伯爵。目的はこれかー!!ってかんじですね。

そしてフランツがお説教モードに入りそうなときにこのセリフ。

アルベール:ありがとう。おかげで助かった。感謝してる。

くそ、アルベールは空気読めないボンボンかと思ったらタイミングはかってなんじゃないのか!?と思ったけどたぶん天然。

伯爵は1話のオペラ座でアルベールが拾った金時計もうまいこと言ってアルベールに進呈。気前のいい人です。

伯爵が見つめる意味深な結婚写真。「裏切りの果実は摘み取られなければならない」とモノローグの伯爵の視線の先にはアルベールが。


伯爵の別名として「巌窟王」という単語登場。伯爵は暗黒街で名前が知られているけど顔は知られていない様子。

フランツがアルベールの幼馴染であることを話したときの伯爵の表情と言葉。結婚写真を見ていたときの額に現れた謎の紋様。まだまだ謎だらけです。

第3幕「5/22、嵐」感想

フランス語の「これまでの話について」は毎回やるみたいですね。

アルベール、友人達とドライブ。お金持ちのボンボンたちの優雅なピクニック。若干一名三流新聞記者がまじってますが気にしない。

アルベールの婚約者ユージェニー(CV:中村千絵) はちょっと気が強くてしっかり者。お人よしアルベールとお似合い。フランツの婚約者は大人しそうな女性・ヴァランティーヌ(CV:三浦純子) 。フランツとの相性はあまりよくない様子。

リュシアン・ドプレー(CV:土門仁)は女好きの一等書記官どの。ルノーはクラシックカー・マニア。ボーシャン(CV:白鳥哲)はゴシップ新聞記者。そして軍人のマクシミリアン・モレル。

ん、ボーシャンの声は白鳥哲さん…「コードギアス 反逆のルルーシュ」のロイドさん!?全然わかりませんでしたが、よく聞けばたしかに白鳥さん。 私が白鳥哲さんの声を意識したのがルルーシュのロイドが先。だから白鳥哲さんの声色の記憶ストックがなかったからわかりませんでしたよ。違いすぎるー。

夜、モルセール邸に戻って伯爵について語り合うアルベールと友人達。

今日の気になった会話はコレ。

書記官:アルベールも気をつけろ。あいつらは処女や童貞の血が好きらしいぞ
アルベール:吸血鬼かよ、ばかばかしい

え、否定するのはそっちだけ?まあいいか。

伯爵、モルセール邸に登場。いきなり消える明かり。おののく一同。もしかしてこの演出のために伯爵の部下がモルセール邸の明かりを消したのなら笑います。

アルベールはみんなに伯爵を紹介。伯爵にいろいろと質問する友人達。新聞記者のはが後で確かめると伯爵の姿は写真に写らず、声を録音することはできなかったのでした。

モルセール邸に残った伯爵はアルベールの両親に紹介。そこで劇的に流れだす音楽。あの写真の女性はこの人だー!!というところで終了。


この回はアルベールの社会的地位説明とこれから活躍する友人達の紹介話でした。

ドライブでの会話にことかけてうまく各キャラの立ち位置と職業の紹介。性格も会話からうかがえます。

毎回来週に続くひきがいいです。続きが気になるうまい終わり方ですよ。

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