THE ART OF TOTORO感想

宮崎駿監督の絵が好きなら、トトロ好きなら、見ておかないと損な気がする「THE ART OF TOTORO(ジ・アート・オブ・トトロ)」。

「となりのトトロ」は76年頃から宮崎駿監督がもともと絵本用にあたためていた作品ということで、たくさんのイメージボードを「ジ・アート・オブ・トトロ」で見ることが出来ます。

絵本用に描きためられた初期の絵も一緒に見ることが出来るので、映画化が決まって最初のイメージからどんな風に変わっていったかもわかります。

最初は女の子は一人だけだったんですね…。

もちろん、映画用のストーリーボード、イメージボード、初期設定も必見。初期案のサツキの髪型が…あの時代にこういうおさげはやや斬新すぎるのでは? なんて感じる絵もありますね。お父さんの絵の変遷もスゴイ…。

クリーンナップされた線画ではなく、鉛筆と水彩の温かみの絵がこれでもかというくらいに充実しています。

本編画像もストーリーに沿ってみることが出来ます。解説・コメントもたくさんついていますが、ロマンアルバムや絵コンテ集からの再録だそうです。

ここでいう「絵コンテ集」というのは「スタジオジブリ絵コンテ全集」ではなくて、時期的に古い方の「絵コンテ集」だと思います。

ただしこの本、シナリオやアフレコ台本が全く載っていないし、セリフやストーリー紹介はなし。「『となりのトトロ』を見たことがない」という人には、この本だけでは話がわからないと思います。

でも「となりのトトロ」も金曜ロードショーで何度も放送されているから、全く見たことがないという人の方が少ないかも。

宮崎駿監督の絵がたくさん見られるアートブックとしてわりきることが出来るなら、かなりいい本ですよ、コレ。

The art of Totoro (ジ・アート・シリーズ (13))
  • 出版社・発売時期:徳間書店(1989-08)
  • ページ数:178
  • 好感度:(5)
  • アニメ「となりのトトロ」のメイキングアートブック
  • 宮崎駿監督の初期設定、イメージボード、ストーリーボード
  • 美術ボード(男鹿和雄)
  • 本編フィルムストーリー
  • アニメーション技法解説
  • アニメージュ連載の「野村正昭のジブリ制作レポート」より加筆修正