THE ART OF HOLMES(ジ・アート・オブ・ホームズ)感想

アニメ「名探偵ホームズ」のメイキング系のアートブックです。宮崎駿さんが参加されていた分のみですが。

本の約半分がイメージボード集、1/4が背景美術、残りが各話紹介と演出研究といった構成。

キャラクター設定資料集(線画、決定稿)は2ページ少々…?もうちょっと見たかったかな。

線画好きにはいささか残念な内容ですが、やっぱりこの本の魅力はカラーのイメージボードと背景美術。

イメージボードはアニメを作る前に作品の世界観やキャラクターイメージをまとめるためにつくるアニメ資料絵です。そのため最初の頃に描かれたものは決定した絵とはかなり異なるものも多いです。

「名探偵ホームズ」のイメージボード集は宮崎駿、友永和秀、近藤喜文、富沢信雄、丹内司、片渕須直、各氏の手によるもの。すごい絵の量ですよ。ジブリのそうそうたるメンバーの手によるイメージイラストの競演。ずらりとまとめて見ることができます。

もちろんジブリでおなじみ山本二三氏の美術スケッチも必見。

絵コンテも少々ありますが、絵コンテ集は別途発売されています。絵コンテ好きな人は、この本で抜粋を見るより絵コンテ集でまとめてみた方がよいと思いますよ。

キャラクターの初期デザインの変遷なども載ってます。ホームズは犬種まで変わって…頭身もあげたりさげたり。

「完成した映像や商品として描かれたイラスト以外には価値を認めない」という人には退屈な内容かもしれません。

でもメイキング資料とはいえ、鉛筆と水彩で描かれたぬくもりの感じられる手描きのイラストは魅力的じゃないですか?好きな人はぜひ一度見てみるといいですよ。

THE ART OF HOLMES 名探偵ホームズ
  • 出版社・発売時期:徳間書店(2001-07)
  • ページ数:不明
  • 好感度:(4)
  • 内容紹介
    • アニメ「名探偵ホームズ」のメイキングアートブック
    • 宮崎駿氏参加6話分までのイメージボード
    • 美術
    • キャラクター紹介
    • 名シーン(演出等)