アニメーター逢坂浩司イラスト&ワークス感想

2007年秋に逝去されたアニメーター・逢坂浩司さんのイラストやお仕事関連のラフなどの本。

90年代にサンライズ、00年代にボンズアニメが好きだったなら、どこかで逢坂浩司さんのイラストは目にしているんじゃないかと思います。

この本は逢坂さんが関わったアニメのお仕事集なので、版権イラストやアニメの修正原画、ラフ等が中心で、文章は少なめです。

版権カラーイラストは主に以下の作品。

キャラクターデザインを担当した中でも「Vガンダム」「Gガンダム」「機巧奇傳ヒヲウ戦記」のイラストが多めです。

「天空のエスカフローネ」はアニメ雑誌の版権イラストやフィルムブックの表紙カバーイラストなどがあるのでわりと多め。遺作（?）となったDVD-BOXのイラスト3枚もあります。

エスカフローネで版権イラストを描いているアニメーターさんの中では、キャラデザの結城信輝さん以外で一番好きでした。

結城信輝さんの絵はバランスが難しいのか、わりとみなさんつかめてない感じの絵を描いている人が多かった中で、逢坂さんが一番特徴をつかめていた気がします。

エスカフローネのノベルスの口絵イラストも逢坂さんの担当で、そのイラストも収録されていてよかったです。

「カウボーイビバップ」は逢坂さんの版権イラスト4枚。「カウボーイビバップ天国の扉」の修正原画が4ページ（45枚）。スパイクとエレクトラの格闘シーン。アクション云々より作画監督的なお仕事ですね。

「DARKER THAN BLACK 黒の契約者」からはカラーイラスト4枚のみ。あれ、あの絵が抜けてるような? あれも逢坂さん担当だったはずだけど…?

「絢爛舞踏祭マーズ・デイブレイク」「天保異聞妖奇士」も修正原画集あり。

キャラクターデザインの仕事として、「機動戦士Vガンダム」「機動武闘伝Gガンダム」「機巧奇傳ヒヲウ戦記」のキャラクターデザインラフなども載ってます。

ほとんど決定稿に近いものもあれば、決定前のラフらしきものも。「機巧奇傳ヒヲウ戦記」はアニメージュのフリースペース用のヒヲウの描き方指南も。

「機巧奇傳ヒヲウ戦記」は2010年現在関連本が出ていないので、各種アニメ誌の版権イラストを見ることができるのはこの本だけですね。

「鎧伝サムライトルーパー」はカラーイラストは1枚だけですが、CD用のモノクロイラストは3枚載ってます。

その他、アニメにはならなかった企画イラストや、落書きのようなラフ・イラスト集など。逢坂さんの多くの絵を見ることができます。

文章は、

など。訃報を聞いた時は、直前までアニメ雑誌にイラストも載っていたから「!?」という言葉もない驚きでした。

2010年には今敏さんも似たような年齢で逝去。アニメ関連はやはり激務なんでしょうか?

逢坂浩司さんのイラスト集はいつか出るんじゃないかと思っていたけれど、こんな形で出るとはさびしい限りです。

内容はいい本なので、逢坂浩司さんの絵が好きだった人は是非一度見てみるといいですよ。

タイトル：アニメーター逢坂浩司イラスト&ワークス: 出版社・発売時期：角川グループパブリッシング（2008-09-25）; ページ数：158; 総合評価：

内容紹介

逢坂浩司関連アニメ