アニメスタイルがリニューアルしてました。ずいぶん前に2号くらい出して休刊してませんでしたっけ? うろ覚えですが。
わりと最近、付録にフィギュアをつけて復活。再度リニューアルして、アニメの設定資料集を付録につけるようになった模様。
その第1刊が「アニメスタイル001」。別冊付録の設定資料集が「おおかみこどもの雨と雪」キャラクター設定資料集。
本誌はB5縦ですが、別冊付録の設定資料集はB5横。線画73枚。アニメイトの設定資料集より心持ち小さいものをイメージしてもらえばいいですが、アニメイト資料と違って両面印刷なのでページ数は36ページちょいになってます。
色トレス部分はカラーになってます。服や髪が彩色されたカラー設定資料ではないので、ほぼ線画の設定資料集だと思っていいです。
アニメ制作用の設定資料なので、貞本義行さんの絵ではなく、作画監督の山下高明さんの絵ですよ。
収録されているキャラクター設定資料は以下の通り。
- キャラクター身長対比図
- 彼(おおかみおとこ)全身(私服、作業着)、表情集、半獣、狼
- 花(表情集、服装設定)
- 雪(2歳・5歳表情、私服、半獣、狼、9歳表情・私服・狼、11歳)
- 雨(1歳表情・私服・半獣・狼、4歳私服・半獣・狼、8歳表情・狼、10歳全身表情・狼)
- 狼のぬいぐるみ
- 山岡、細川の私服・表情
- 黒田
- 草平(4年生表情・私服、6年生)、草平の母
- 田辺先生、黒田
- 韮崎(表情・私服・ジャケット)
- 韮崎のおばさん、韮崎の旦那、韮崎家の息子
- 堀田夫妻、土肥夫妻
- 老アカギツネの先生
- 天童、田辺先生、
- 雪のクラスメイト1年生、4年生女子・男子
- 信乃6年生と下級生
ざっくり書くとこんなかんじです。
クリンナップされたキャラクター設定資料(線画)は全て収録と言うだけあって、花の私服設定はかなり多いですね。
B5ホッチキス綴じの横開き本なので、ガバっと開いても背割れの心配がないのがいいですね。絵の資料としてほど良い大きさで使いやすいと思いますよ。
ちなみにこの「アニメスタイル001」は「おおかみこどもの雨と雪」特集号。
というわけで、ついでに本誌の「おおかみこどもの雨と雪」特集記事の方も紹介しますね。
160ページのうち、72ページまでが「おおかみこどもの雨と雪」特集。
- 「おおかみこどもの雨と雪」特集 インタビュー記事
インタビュー記事は以下の通り。
- 細田守監督インタビュー(約22ページ)
- 山下高明作画監督インタビュー(約5ページ)
- 斎藤優一郎PD(スタジオ地図代表)インタビュー(約7ページ)
- 高橋望(日本テレビPD)インタビュー(約6ページ)
「妙に細かいページ数なのに『約』をつけているのはどういう意味? 」と思われるでしょうが、インタビューページにアニメのカット集とか原画集、絵コンテ、ロケハン写真なども紹介されているのですよ。
そういうのも含めてざっくり数えているので、「約」をつけてみました。
インタビューの聞き手は小黒祐一郎さん。アニメージュ連載の「この人に話を聞きたい」でおなじみの方。
よくよく見たら、他のページの記事もインタビューは全て小黒祐一郎さんでした。編集長自らインタビュー。なんというか、レストランで「シェフ自ら取り分けます」みたいなノリでしょうか。
業界的な話から、技術的な話、作品論まで、ほどよい深さと幅広さで話を引き出してます。
小さい文字で文章量多い割に、平易な文章で読みやすいですよ。
日テレは細田守監督にずいぶん期待してるなあとか、118分のアニメ映画で原画が20人しかいうのはどういうことなのかとか、花の笑顔の意味とか、いろいろ興味深かったです。
個人的には細田守監督インタビューで、主人公の花は監督自身が「こういう親でありたい」と思う女性だというのが印象的でした。
「理想の親」像にもいろいろありますね。無責任な立場やエゴから思う「親とはこうあるべきだ」という身勝手な希望も「理想」という言葉で語れます。
そういう「好き勝手な願望で作り上げた親」ではなくて、どちらかというと憧れ目線。かといって聖母でもない。実体験を元にしたものでもない。
それがリアリティに欠けると感じる人もいるだろうけれど、だからこそのフィクション。
監督のそういう目線がこの「おおかみこどもの雨と雪」という作品の魅力に繋がっているのかと感じました。
インタビューの内容は「おおかみこどもの雨と雪 オフィシャルブック 花のように」と重なる話もあります。
アニメスタイルの方がより人間・細田守の個人的な領域に踏み込んだ内容に感じました。映像論的な内容もあるし、他よりもアニメファン向けに特化した内容かと思います。
- 「おおかみこどもの雨と雪」レイアウト集、原画集、美術設定
レイアウト集は5ページ(8枚)。特に解説らしきものはありませんが、担当者名は載ってます。
同じ場面が「おおかみこどもの雨と雪 ARTBOOK」では美術集やレイアウト集に載っているので、解説はそちらが参考になるかと思いますよ。
原画集はインタビューページにも山下高明さんの原画がちらほら載ってますが、連続するシーンの原画は折りたたみで載ってます。井上俊之さん担当の雪原を駆ける雪(狼)の原画18枚。
「おおかみこどもの雨と雪 ARTBOOK」にある、「雪の森を駆け抜ける雪とおおかみ・雪」の後に続く原画かな。ARTBOOKと重複していないのはいいかんじ。
美術設定も2ページ。参考程度にしか載ってません。美術に関してきちんと見たい人はくどいようですが「おおかみこどもの雨と雪 ARTBOOK」がおススメ。
- 「おおかみこどもの雨と雪」貞本義行キャラクターデザイン集(モノクロ11ページ)
貞本義行さんのキャラクターデザインラフ集です。
「おおかみこどもの雨と雪 ARTBOOK」とざっと見比べた印象だと、彼(おおかみおとこ)、花、雨、雪、草平はほぼ全部載ってる印象。それに加えて韮崎家少々。
それ以外のサブキャラは載ってません。貞本ラフ絵はメインキャラだけ見ればいいなら、この本だけでも満足できそうです。
というわけで、線画でいいならアニメ設定画は別冊付録の『おおかみこどもの雨と雪』キャラクター設定資料集で充分。貞本義行さんのデザイン集もほどほどにある。
さらにインタビュー記事などもあってこの値段。アニメ雑誌にしてはやや高めですが、内容を考えるとコストパフォーマンスは高いと思いますよ。
- タイトル:アニメスタイル001(特別付録『おおかみこどもの雨と雪』設定資料集)
- 出版社・発売時期: メディア・パル (2012-7-20)
- 私の個人的評価:
内容紹介
- 大特集「おおかみこどもの雨と雪」
- 中山章子が「輪るピングドラム」でやったこと
- 『ギャラクシーエンジェル』は空前絶後のギャグアニメだった!!
- 季刊 岡田麿里 第1回「少女について」
- 設定資料FILE SUPER vol.1「アクエリオンEVOL」
- 飯田晴子の美意識
- 神山健治が3Dで映画を作る理由
- 湯浅政明『コンナノ世界』バカムギ
- …etc.
設定資料FILE SUPERは、アニメの設定資料を1ページに2枚ずつ掲載。絵は大きくてGOOD!!
ただし「アクエリオンEVOL」は、アニメージュの設定資料FILEでも取り上げてました。内容は両方並べて見比べてませんが、重複している予感。
絵の量はアニメージュ>アニメスタイルで、絵の大きさはアニメスタイル>アニメージュです。
湯浅政明『コンナノ世界』は読み切りスタイルのカラー漫画2ページ。
ギャラクシーエンジェルはアニメシリーズ全話解説の量がすごかったのと、「今だから話せる」的なインタビュー内容が(笑)。
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